chikaさん作、「ギャグギャグの実」です〜v
ワタシがあまりにしつこく言ってたら書いて下さいました〜v
ありがとうございます〜v

                    Gyagu Gyagu



「おーい、みんな――!!ちょっと集まってくれ―――!!」
とある街で停泊していたゴーイング・メリー号に戻ってきたルフィは帰って来るやいなや皆を呼んだ。
「どうしたのよ、ルフィ?」
一番に船に戻っていたナミがその声の方を向く。
「おう、ナミ。他のみんなは?」
ルフィが辺りを見回しながらナミに聞く。
「まだ帰ってきてないわよ。それより大声出してどうしたの?」
ナミが質問するとルフィは手に持ったものを見せる。
「こ、これって…」
「そうだ。悪魔の実だ。ししし。」
ナミの驚いた顔を見てルフィは笑っている。
「どーしてあんたがこんな物持ってんのよ!?」
「ししし。お前食うか?」
「な、なんで私が食べなきゃ…。そういえば、それ、何の実なの?」
「あ、そういえば、何の実だろーな。」
「あんたねェ。」
ナミはそう言うと少し考えて
「…ちょっと待って。んふふ。おもしろい事考えちゃった。」
と何か企んだように怪しい笑みを浮かべていた。


「出航!!」
街から皆も戻ってきて一行は船を出した。
「ねぇ、みんな。あんた達が買い物してる間にあたし、ちょっと料理してみたんだけどォ。
試食してみてよ。」
キッチンからナミが自分が作ったという料理を持って甲板に出てきた。
「えぇ!?ナミさんが料理を!?ぜひ頂きま〜すv」
サンジはこの船に乗ってから、この船のキッチンで初めて自分以外が作った料理、それもナミが作った料理を
目の前にして目を輝かせた。まぁ、それは自分以外の奴が作って喜んだというよりナミが作ったからなのだが。
「おめェ、大丈夫か?ちゃんと食えるんだろうなァ?」
ゾロは、目を細めて言う。
「おぉ、本当だ。それにナミ、おめェが料理するなんてなんかあるんじゃねーのかァ?」
ウソップが少し怪しんだように言う。
「し、失礼ねぇ。あたしだって女だしィ?料理くらいできるし、何もないわよ!!」
「そうだ!!てめェら、折角ナミさんが作ってくれたんだ!!食いたくねェならおれが頂くぜ?」
サンジは今にもその料理を食べそうな勢いだ。
「おー、食い物かァ?おれも食いてェ!!」
ルフィがそう言うとナミははっとしてルフィを引き寄せて小声で言う。
「んもう、さっき言ったでしょ?この料理には、あんたが持ってきた悪魔の実が入ってんの。
あんたはもう既に悪魔の実の能力者なんだからァ。」

ナミの魂胆はそうゆう事だったのだ。
何の能力を持った実かも分からないし、とりあえずこうして料理にして出せば
必ず誰かが食べるだろうと思ったのだ。
「てめぇら、いらねーのか?んじゃ、おれが全部頂くぜ?」
サンジは自分の前へその料理の皿を持ってくる。
「お、おれ、ちょっとトイレ…」
ウソップは何か怪しい笑みをもらしているナミに気づき、逃げるように口実を作ってその場から去った。
「いっただっきま〜す!!」
そう言うとサンジは味わうようにゆっくりと口の中へ料理を運ぶ。

「……うッ。ナ、ナミさん…。これ、何か変な物入ってません?」
そう言いたい所だったけれど、サンジは不味いという顔を隠すように笑いながら言う。
「お、おいしいです、ナミさん。」
そうなのだ。悪魔の実は不味いのだ。ナミは悪魔の実なんて食べた事などないので味も知らない。
だから、特にといって特別に調理をしなかったのだ。
「そ〜。それはよかったわ。」
ナミが笑いながら言う。そして、それを食べるのが苦痛になったサンジはその皿をゾロの元へ持って行く。
「お、おい、おめェも食えよ。こんなに上手い料理独り占めするなんて、申し訳ねェからな。」
「あん?珍しいじゃねェか。てめェ、本当は不味いんじゃねェのか?」
ゾロがニヤッとして言うと
「んなわけねーだろ、このクソ野郎。いいから食え!!」
そう言うとサンジは無理矢理ゾロの口を開けさせ、その料理を放り込んだ。
「うッ…。なんだ、こりゃァ!?やっぱり不味いんじゃねーかッ!!水……。」
そう言うとゾロはキッチンに水を飲みに行った。
ナミはその様子を見ていたが、不味いと言われた事なんてどーでもよかった。

『ふふふ。上手く行ったわ。2人もあの実を食べるなんて。あとは効果を待つのみだわ。』
本当の悪魔がここに一人、怪しげな笑みをして立っていた。


食べ終えた皿を片付けようとナミはキッチンへ入った。その時だった。
「おい、ナミ。おめェ、何か企んでんだろ?あの料理に何をしたんだ?」
ウソップだ。
「あ〜ら。バカなあんたが気づくとはねェ。」
「んッ。バカは余計だッ!それより、やっぱ何かあるんだな。教えろよ。」
「んもぉ、しょうがないわねェ…。ま、いいわ。教えたげる。」
そう言うとナミは自分が企んでいた事を全部話した。

「なんて奴だ。全く魔女かよ、てめェは。でも、一体何の実なんだろうな。」
一通り話を聞いたウソップは呆れた顔で言った。
「ま、すぐに効果でるでしょvちょっとあいつらの所行ってみましょうよ。」
「お、おい、ナミ!」
そう言うとナミとウソップは甲板にいるサンジとゾロの元へ歩き出した。

甲板では、ゾロとサンジが何やら会話をしている。
「あんたたちぃ、何か異変はないかしら?」
ナミがニヤニヤしながら二人に近ずく。
すると、そんなナミに見向きもせずサンジがゾロに向かって言った。
「かい〜の、かい〜の、背中かいてくれ〜!!」
「誰がじゃ?」
「てめぇがだよ。」
「どうしてじゃ?」
「どうしてって、かいんだよッ!!」
「どこがじゃ?」
「背中っつってんだろーが!!」

「…何?何言ってんの?も、もしかして、これが能力?」
ナミは混乱して二人を見続ける。

「あ〜、ナミさんvvはッ!!みかん畑…。アルミの上にあるみかん〜なんちって。」

『……………寒い…!!寒すぎるわ、サンジくん…。』

ナミは心の中でそう呟くと同時に、
「サンジくん、どうしたの?」
その原因は当に分かっていた事だが、動揺しているナミは問った。
「どうしたのって、おめェ分かってるくせに。」
ウソップが鋭いツッコミを入れる。
「う、うっさいわねェ。で、これって、"サムサムの実"って所かしら?」
ナミがウソップに聞いてみる。
「ん〜。どうだろうな。ギャグギャグの実っぽいけど、こりゃァお世辞にも笑えねーし、
サムサムの実だろうな。」


本当は"ギャグギャグの実"だったのだが、この時点で二人が食べた実は、"サムサムの実"になった。
何故かはもうご存知の通り、お世辞にも笑えないギャグ。
この後、二人は止め処なく寒いギャグを連発し、ナミは自分の行動に酷く後悔したのは言うまでもないだろう。


「あ〜、もうわたしが悪かったから止めてェ〜〜!!!」
「何の事です?ナミさん?なんだか、さっきからエレガントなギャグを言いたくて仕方ないんですv」
「あ…ああ、サンジ…くん?」
「いかだで釣ったのはイカだ〜!」
「あ、あははははは…。」
「んだ?そのつまんねーギャグは。おれの方がおもしれェぞ。いかいかが?」
『あ〜、もうお願い…。勘弁して〜〜〜ぇぇぇ!!!』

 ――――――――――――

『……ご愁傷様。』



寛平ちゃんギャグと、吉本ギャグとオヤジギャグ。。。
ギャグを言うゾロさんも素敵。。vvv