ユーザー車検

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250cc以上のバイクには必ず車検というものが2年ごとにやってきます。
ユーザー車検をやってみたいけど、どういうものか分からないという方の参考になればと思います。

それでは、お店に出すのとユーザー車検は何が違うのでしょう?

お店
車検代+交換パーツ代+手数料(工賃)

ユーザー車検
車検代+交換パーツ代+手間(時間)

上記のようにお店はお金がかかりますが、ユーザー車検は自分で行うのでお金の代わりに手間と時間が必要になります。
考えようによってはお店にはお金を払って時間と整備の安心を買っていると言えるかもしれません。
しかし、ユーザー車検によって自分のバイクを整備することによって、今まで知らなかったことが分かる楽しみと愛着がわくことでしょう。

さて、車検を通すに当たって知っておかなくてはならないのは、すべて自己責任において行うということです。
パーツの交換から整備まですべてを自分が管理しなくてはいけません。
このことについては車検だからということではなく、バイクに乗っている限り当然自分で行うべきことだと思います。
なぜなら、バイクはむき身で乗るものであり、転べば怪我もします。
整備不良箇所によっては死に繋がる恐れがあります。
それを未然に防ぐためには日ごろの整備が重要なのです。
バイクに乗る者は自分の身は自分で守るのが基本です。

決してユーザー車検とは安く上げるためだけのものではありません。
必要な消耗部品の交換などをすればお店に出すのと変わらないかもしれません。
自分で整備するのは不安だし、暇が無いという方はお店に出すのが間違いないでしょう。
なんと言ってもむこうはプロですし、安心を買うといっても過言ではありません。
それでもやってみたいという方は、ユーザー車検が終わるころにはバイクに関する知識と今までとは違った興味を手に入れることでしょう。

それでは順を追って説明していきます。

1、点検整備

これをやらないと始まりません。
最低限必要なのは
 ・タイヤの溝チェック
 ・チェーンの伸びチェック
 ・灯火類の動作、ホーンのチェック
 ・光軸
 ・ブレーキシューorパッドのチェック
こんなところでしょうか。
出来ればOIL、OILフィルター、プラグ交換、ワイヤー類の注油などもやっておきたいところ。

基本的にバイクを買ったときに付いてくる定期点検記録簿の点検項目を見ながらやります。
車検を通すのに必要なので、なければ車検場かバイク屋で買いましょう。

2、車検場に電話で予約を取る

大体今は自動応答になっているようです。
車検場が開いているのは月〜金曜日なので注意。
予約の際、予約番号をメモして下さい。
ちなみに車検は全国どこでも取れるので混んでいるようだったら、空いている違う車検場でも車検は通せます。

3、必要なものを準備

車検を通すのに必要なもの

 ・印鑑
 ・車検証
 ・定期点検整備記録簿
 ・納税証明書

定期点検整備記録簿は無ければ車検場かバイク屋で買えます。
納税証明書は区役所等から送られてきた軽自動車税のものです。なくした場合は再発行可能です。
納税してない場合はすぐに納めて下さい。

4、いざ車検場へ

大体車検場は検査の受付と用紙の販売所は少し離れている。
まず、用紙の販売所で継続車検用の用紙(30円)を買う。
同じ建物内に印紙が売っているので、検査手数料(1,400円)と重量税(5,000円)の印紙を買い、自賠責保険に加入(24ヶ月22,400円)。自賠責は事前に保険屋で入ることも可。
ついでに納税確認も同じところで行っていると思うので、納税証明確認のはんこを用紙に押してもらう。
後は検査受け付けのところで用紙に必要事項を書いて提出。

5、検査

検査項目は
 ・車体番号
 ・エンジン形式
 ・タイヤなどの外観で分かるもの
 ・ウィンカーなどの灯火類
 ・ブレーキテスト
 ・スピードメーターチェック
 ・光軸
というところ。

車体番号はまあ問題ないでしょう。
エンジンは排気量の打刻に変更が無ければ実際に変わっていても分かりません。
400ccをボアアップしていても外観で見るので分かりようがないってことです。

タイヤの溝、ボルトの緩み、OIL滲み、ハンドル変更していたら寸法のチェックなどが行われる。
ウィンカー、ライト、テールランプ、ホーンの動作チェック。
ブレーキテストはタイヤがロックする程度の制動力があればOK。
スピードメーターチェックはやったことないのですが車検場によって違うようです。タイヤをローラーに乗せて40キロになったらスイッチを踏むというテストが行われるようです。10%程度のずれは許容範囲とのこと。

キャブレターの変更は可です。
ただし直キャブは不可。パワーフィルターかファンネルならネット状のものが付いていれば通ります。
何かしら異物の混入を防ぐようになっていれば良いという判断らしいです。
エアクリーナーを外すとブローバイガス(気化したエンジンオイル)を逃がすホースが余りますが、
これをレーサーライクに大気放出してると通りません。ブリーザーフィルターを付けましょう。

一番引っかかりやすいのが光軸。ハイビームで水平ぐらいで合わせておけば大丈夫。多少の左右のずれはハンドルをちょっと動かしてロボットが正面にくるように合わせればOK。カウル付きのバイクはこれが出来ないのでちゃんと合わせましょう。
検査は1回で通らなくてもそのあと何回でも受けられます。

6、交付

検査合格のはんこをもらった書類を検査の受付をしたところに持っていくと新しい車検証とステッカーがもらえるので、ステッカーを張り替えたら終了です。

まあ大体こんな感じです。
分からないことがあったら聞けば教えてくれるのでそう困ることは無いでしょう。

最低価格は用紙(30円)+重量税(5,000円)+検査手数料(1,400円)+自賠責保険24ヶ月(22,400円)=28,830円〜ということになります。
もちろん、チェーン、スプロケ、タイヤなどを換えればその分費用はかさみます。

あとがき

最近はバイク業界の景気が悪く、最盛期は300万台を越えた年間販売台数も80万台を切るという状態です。
ユーザー車検を行うということはバイク屋任せにしないということになり、多少なりともバイク屋の収入を減らすかも知れません。
私は大概の整備は自分でやることにしているのでバイク屋にはパーツの注文に行くぐらいですが、お店の人は気さくにいろいろ教えてくれます。
ユーザー車検を勧めるということはバイク屋に少なからずダメージを与えるのではと思うと心苦しい限りですが、自分のバイクをある程度自分で整備できるのも必要なことだと思います。

実際のところ悪質なバイク屋がいて、私もSR買いたての頃、リッター500円ぐらいで売っているオイルを1500円で買わされたこともあります。当時は何も知らなかったですし。
世の中いいバイク屋もいるんですけどね。バイク屋を見分けられる目も整備しているうちに自然に身についてくると思います。たとえそれがグリスアップだけだとしても、立派な整備です。簡単なものからやっていけば楽しいものです。

 

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