株式会社ハッシュの勤務時間は朝9時半から夕方6時半までで、実働は8時間。したがって月曜日から金曜日まで出勤すれば、それだけですでに週40時間労働です。にもかかわらずハッシュの就業規則では、月に1回づつ土曜日にも出勤することが義務づけられていました。この月に1回づつの土曜出勤は、すなわち休日労働だということになります。 ところがこの月に1回づつの土曜出勤に対してハッシュは、賃金を1銭も支払っていませんでした。3割5分増しの賃金を支払うどころか、全くのタダ働きを社員は強いられていたのです。 月に1回づつの土曜出勤を済ませた人でも、さらに他の土曜日や日曜日に出勤を強制されることが日常的でした。この休日労働に対しては月に1回づつの土曜出勤と異なり、わずかながら賃金が支払われています。 しかし平日の3割5分増しどころか、平日と同じ額すら支払われておりません。なんとハッシュでは休日労働に対し、平日の賃金の半分しか支払っていなかったのです。 しかも休日に遅刻してきた場合は、さらにその半額しか支払われていなかったとのこと。たとえ遅刻したのと同じ時間分だけ残業をしても、支払われる賃金の額は変わりません。休日に遅刻してきた社員は夜中まで仕事をしても、平日に比べて4分の1にあたる賃金しか支払われないとぼやいていました。その賃金を勤務時間で割ると、1時間あたりの時給は3〜400円ほどにしかなりません。あなたの時給は高校生のアルバイトよりも低いと配偶者に蔑まれ、情けない思いを強いられた社員が何人もいたようです。 日曜日に自宅で休んでいたところ、いきなり石田徹社長に電話で呼びつけられた社員もいました。あわてて指定された空港へ駆けつけてみたら何のことはない、社長の旅行の荷物持ちを命じられたのだそうです。社長は腰を痛めて荷物を持てないから、その社員を呼び出したのだとのこと。重い荷物を持たされた社員を気づかう素振りすら見せずに社長は、さっさと先に歩いていってしまったそうです。およそ腰を痛めている人だとは思えない、とても軽やかな足どりで。もちろんこの日の奉仕に対して、その社員に賃金が支払わたりなどしなかったことは言うまでもありません。このような社長の行為は、あまりにも身勝手な公私混同だと言わねばならないでしょう。 |