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T.アイデアをまとめていくプロセス  
  2.ラフ(ラフスケッチ・ラフレイアウト)
サムネールでいろいろの方向からデザインや考え方のアプローチが出来ていれば、次はその中から何点か、面白いものを「ラフ」という形である程度精度を上げて描いてみます。
この段階から第三者に見せたり、打ち合わせの素材として使ったりするので、ある程度分かりやすく描く必要があるわけです。

私は、「サインペン」でサムネールからラフ(ラフレイアウト)まで描きますが、それにはいくつかの理由があります。単に道具として好きだからという事以外に、スケッチを描く道具としての利点を書いておきます。

道具のページの方で、「サインペン」の種類は書いておきましたが、「サインペン」にはアイデアを考える上で好都合なところがあります。そのひとつが、「描いたものが消せないところ」です。特にサムネールの段階では利点だと考えています。鉛筆の線は消しゴムで消えます。そのため描いたものが気に入らないと消すことができ、アイデアやスケッチを変にセレクトしてしまいます。丸い円を描こうとして歪んだとき、鉛筆だと消しゴムで消して、もう少しマシに描こうと努力したりすることで思考を中断します。

サムネールでは、どんどんアイデアを膨らませることが大切で、ひとつひとつのスケッチを上手く描くことは必要ありません。また、その時つまらないと思ったアイデアでも後々違う発想と上手く重なることがあります。消しゴムで消すことは簡単ですが、そのことが出来ないことが大切だと考えています。

もうひとつは、ラフの段階での利点です。それは、「白黒がハッキリしている」ことだと考えています。ラフは第三者に見せたりするもので、端的に表現されているものが良いと思います。何を表現しようとしているのかが、ハッキリ伝えられる画材として「サインペン」が良いと考えます。また、現在はコピーを取ることが何かにつけ多いため、コピー写りが良い「サインペン」をお勧めします。

最後に、「マーカー」とのコンビネーションが良いの点です。ドライな作業環境で、色を計画するのには、「マーカー」は有利な道具でその「マーカー」と「サインペン」とのコンビが1番使いやすいと考えています。私が描く「マーカー」と「サインペン」によるラフのサンプルをコチラに載せておきます。ラフ自体もっと出来の良かったものがあると良いのですが、仕事上相手に渡したりするので、手元に残っているものがほとんどありません。これからもっとサンプルを用意しますので楽しみにしてください。

ラフの話に戻ります。
サムネールから数点かをある程度の大きさに描いたものです。 ここで問題は、数点とは何点のこと?と、いわれると困るのですが、ラフの役割としては作業の内容にもよりますが、例えば広告であれば、スタッフ間の打ち合わせのときに使うものです。個人の作業であれば、イメージの具現化というポジションになると思います。が、広告制作の場合、よく「次の打ち合わせはラフで。」とか「ラフデザインで一度チェクね。」といわれて、5〜10枚ぐらいのラフ(アイデア)がないと、みんなから悲しまれますよ。

それは、最終提案数から逆算されるもので、クライアント(仕事の依頼主)に3案のアイデアを持っていきたいと広告会社の営業は普通考えます、くだけて言うと本命、対抗、穴の3点です。そのアイデアを揉む段階のラフでは、少なくともその倍の方向性が欲しいからです。もちろん世の中、数だけで良いわけは無いのですが、そのスタッフ会議が盛り上がるかどうかは、あなたのラフにかかっていることだけは確かです。あなたのデザイナーとして、その後の評価に影響してくることは確実です。

サムネールでのアイデアをより実際の条件に近づけながら、見た目(ビジュアル)を作っていく。コピーの位置、ロゴタイプの場所などのレイアウトも考えながら(レイアウトがアイデアの肝の場合もある)描いてみてください。場合によっては、写真や雑誌の切り抜き、印刷物、イラストレーションなど参考資料を添付することも効果的です。色を付けることも必要なこともあるでしょう。あなたの考えを効果的にスタッフみんなに理解してもらうためです。いろいろ考えてください。

パソコン(Mac)デザイナーの方も出来るだけラフの段階は、手描きで自由なアイデアを提案して欲しいと思います。ラフの段階からパソコン出力で持ってくる人がいますが、どうもいただけません。素材があるものしかラフに出来ないということの問題があります。中には膨大な資料を集めてファイルしている人もいるでしょうが、それでも限界があります。Macの表現のためにアイデアを考える、こんな変な状態は早く止めて欲しいものです。クライアントが要求しているとしたら、チャンと説明してやり方を変えるべきです。

パソコンに使われたデザイナーになってしまってはダメです。パソコンの都合でアイデアを考えているようでは先が見えています。クライアントの方もパソコンで作られたものに、いつまでも騙されないようにしてください。手描きだからって手を抜いているわけじゃないんです。逆に今までにない事を考えた証です。
 
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