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U.相手が理解できるスケッチを描く  
  4.ラフを描くテクニック(模写)
実際にサインペンとマーカーで広告ラフを描いてみる事にしましょう。

最初にラフを描く上で必要になる要素を整理してみたいと思います。と言うか、広告の要素の整理と言う方がわかり易いですね。
手元にある広告を何か見てください。いろいろな表現があるので、中にはあてはまらないものもあるかもしれませんが、基本的に広告として役目を果たす以上最低限入っているものが「クライアント名」です。

メーカーや企業の名前が入っています。お金を使って広告を出すスポンサー名が入っていない広告は考えられないし、媒体会社も許可しません。その周辺情報(住所、電話番号、販売店名)など細々と入っていますが、これらすべて文字情報です。ラフを描く上で必要な要素の一つは「文字」であると言えます。

文字にも大きさがいろいろあります。「キャッチフレーズ(コピー)」として一番最初に読まれたいものや「ボディーコピー」として内容を説明するもの、「リードコピー」としてその中間に位置するものや「スペック」のように詳細な情報を興味ある人に伝えるものです。
また、企業の「スローガン」やキャンペーンの「スローガン」と言った長い期間使われるものもあります。
ラフでは、そのすべてを文字として表現するのは不可能です。どこまで今回のラフでは表現(文字として書くか)するのかの判断が必要です。
そして、書体として判別可能な文字として表現するのはどこまでかの判断もしてください。ラフの仕上がり状況にも影響する部分です。
明朝体、ゴシック体(ゴナ系)、丸文字(ナール系)、教科書体あたりまでは書き分けます。ただ、得意不得意な書体もあるので、私の場合もキャッチフレーズ以外は以外と得意な(ゴシック系)で書いてしまう事が多いです。

広告の大きな要素として次に「ビジュアル」が上げられますね。
画面の大半を写真要素が占める場合がほとんどです。イラストの場合もありますね。これらを表現しなくてはいけないわけで、このことが最初1番の難題になってきます。
こればかりはスケッチの練習をしてもらはないことにはどうにもなりません。
出来れば写真とイラストの違いぐらいは理解できるように表現して欲しいと思います。前回まで書いた遠近法の考え方が理解できていれば、写真的な表現はある程度描けるのですが、なかなか難しいようです。

大きく分けて広告にはこの2つの要素がある訳ですね。文字とビジュアルで、整理してみると。

 
各要素
スモール・ラフでの表現
ラフ・カンプでの表現
文字
キャッチコピー 表現してください 必ず表現してください
  企業ロゴ・マーク 表現してください 必ず表現してください
  リードコピー 意味がわかればOK 出来るだけ表現
  スローガン ボーダー 表現してください
  ボディーコピー ボーダー ボーダーでOKです
  スペック等 ボーダー ボーダーでOKです
       
ビジュアル
メインビジュアル(写真表現) 表現してください 必ず表現してください
  メインビジュアル(イラスト表現) 表現してください 必ず表現してください
  商品写真 意味がわかればOK 必ず表現してください
  マスコット・キャラクター 意味がわかればOK 表現してください
  その他説明写真等 意味がわかればOK 出来るだけ表現

スモール(大ラフ)・ラフとラフ・カンプの意味合いの違いは表現しづらいのですが、段階として各自自分なりに描き方を考えると良いと思います。スモール・ラフでは基本的に広告の考え方がわかればよいのでかなり雑な描き方になっているものです。
文字の表現にしてもラフ・カンプが書体が理解できる表現だとしたら、スモールはコピー内容が分かれば良い程度と考えてください。ビジュアル表現にしても同じです。ラフ・カンプではより最終表現に近いものが表現できれば一番良いと思いますし、スモールに関しては、表現しようとしているものが他の人に理解できる程度でOKです。

これらの事をベースに一度身のまわりにある広告(雑誌広告等)を模写してみてください。
描くテクニックだけの問題をクリアするために、最初は模写だけの方が良いと思います。オリジナルで考える広告よりもある意味シビアな表現が求められます。

例としてダイハツの広告を描いて見ました。左が雑誌に載っていたもので、右がそれを模写したものです。
ダイハツの広告画像 ダイハツの広告ラフ画像
ちょっと色味が違いますが、スキャニングをしたりしている為です。あまり気にしないで下さい。
ここで、一番注意して欲しいのは、どのあたりの文字まで表現しているかと言う点とその表現方法です。下の白地の所のコピーはすべてボーダーだけで表現していますが、単調にならないように描き方を変えています。
また、上段の表現ではボディーコピーはグニョグニョの波線で表現してありますが、この辺はそれぞれの好みで表現方法を考えてみてください。そして、白抜きの文字「Born to be AERO」はバックをマーカーで塗った後ホワイト(ポスターカーターや修正液等)で書いたものです。
色文字の「PYZAR」に関しても最初に黒のサインペンで縁取りしてあります。色文字と言えども黒のサインペンで縁取りしたほうが、文字自体が締まって見えるような気がします。試してみてください。

ビジュアルの表現に関しては、ココだけですべてを解説は出来ないのですが、基本は模写と言っても輪郭線を単に写すのでは感じが出ないと言う事です。
自動車の基本は立方体の集まりです。その形体を常に頭に置きながら描いてください。左右のタイヤはチャンと関連性を考えながら描いてくださいね。写す感覚だけでは少しのズレが第三者から見ておかしな物に見えてしますことがあります。物の構造を考えながら描く事が模写においても必要な事だと思います。
また、コントラストを大切にしてください。描き込んでいくうちに段々メリハリのない物になっていってしまうことがあります。マーカーイラストはドライな感じに仕上げた方が綺麗です。ウエットなグニャグニャな感じにしない方が得策です、それには最初にサインペンで描く時、黒く感じた所は思いきって黒く塗ってしまう事も必要です。
また、マーカーで色を塗るときあまり何回も、いろいろな色を重ねない方が良いようです。濁りが出ると共に明快な感じが無くなってきます。

最後にテクニックとして色鉛筆の白を使う方法を書いておきます。単純に色を塗った後、光の感じを出したりするのに色鉛筆の白で軽く描くと感じが出るものです。色鉛筆はいろいろな種類があるのですが、芯が軟らかめの物をお薦めします。硬いものは使いにくいので避けてください。
 
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