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デザイナーのための用具・材料学
  第4回)鉛筆・シャープペンについて  
  このテーマに関しては、けっこううるさいです。
私の大学卒業制作のテーマは、「鉛筆によるイラストレーション」でした。
大学の3年、4年の時は、鉛筆でイラストを描いていたわけで、鉛筆に対しての想いもあります。しかし、時が経つと共に鉛筆も使わなくなり、今ではラフを描くときはサインペンで、描きなさいと指導している状態です。
まっ、それなりの事情はあるとして、鉛筆は今でも使うものは決まっています。
ステッドラーです。
軸の青く、端が黒いものです。他の鉛筆が地味な色(茶色、黒、グリーン)ばかりなのに、この鉛筆だけは鮮やかな青です。特に鉛筆イラストを描いているときは、画面もその周りもモノトーン状態になっているので、この鉛筆の青がよけい引き立ったわけです。
 
  「鉛筆・シャープペン」のいろいろ  
  1.鉛筆
鉛筆の場合その軸は木で出来ていて、それを削ることにより中の芯が露出して描けるわけで、鉛筆は削らなくては使えません。どのようにして削るかが問題です。
もちろんカッターで削るのですが、今の人はなかなか上手く削れないようです。カッターで削る利点は何かというと、好きな形に出来ることです。芯を長めに出したり、芯を滅茶苦茶尖らしたり、平たくクサビ状にしたりと自分の求める形に出来ることです。
また、精神的にもこの削る作業は良いです。白い画面を前に、武士が刀を手入れするがごとく、鉛筆を一本一本削る。この作業が精神の統一に大切な儀式なのです。電動鉛筆削りなどもっての他です。ただ、私も学生時代は30本ぐらいの鉛筆を使っていたので、すべてをカッターで削ると絵を描く前に半日過ぎてしまいます。
そこで、手動の鉛筆削り(携帯用)のものも使いました。 安いものから高いものまであるのですが、やはり高いものは良いです。私が使っているものも浪人時代くる日も、くる日も、石膏デッサンをおこなっていた時代に買ったものですが、今でもちゃんと使えます。鉛筆削りとして最高の逸品だと思います。「DUX」というドイツ製のもので、真鍮の削りだしです。芯の長さを3段階に調整できる機能付きのもので、最近はアンティークな輝きをしています。(写真を参照)
 
  鉛筆の画像1 鉛筆の画像2  
  削った鉛筆(左:DUX、右:ステッドラー) カッターで削った鉛筆    
  木の部分の削りだす角度も他のものより鋭角で私は好きです。(写真左が「DUX」、右が通常のもの今回は「ステッドラー」を使用)  
  鉛筆削り(DUX) 鉛筆削り(ステッドラー)  
  DUX(真鍮)右のダイヤルで調整可   ステッドラー(アルミ)    
  芯の色というか描いたときの黒の色も、なんとなく鉛筆のメーカーによって違う気がします。これは木軸の色に影響されているかもしれませんが、ステッドラーは青っぽい黒、ユニは赤っぽい(茶系)の黒の気がします。
描く紙の状態や紙の目の潰し方により色の出方は変わるので何ともいえませんが、言われてみるとそんな気になってしまいます。
鉛筆の芯には硬さがあり各メーカーごとに何段階か段階を作っています。よく知られている「HB」とか「B」とかのことです。私も鉛筆イラストを描いていた頃はすべて買っていたのですが、硬い方はあまり必要ないと思います。大体「2H」「H」「F」「HB」「B」「2B」「3B」「4B」「6B」ぐらいあれば十分です。
「EB」とか凄くやわらかいものもありますが、芯の色が「6B」までとは違うようです。黒すぎる気がしますので、注意してください。
高い鉛筆と安い鉛筆がありますが、どちらが良いかといえば高い鉛筆の方が断然良いです。芯の密度などの違いもあるでしょうが、木が違います。品質が一定しているため削り易く、作業にストレスがたまりません。長いこと作業をする上で大切な要因だと思います。


2.シャープペン
最近は良いものが安くなっています。これも個人的な好みで「ステッドラー」を使っています。
1000円でかなり良いものが手に入るので、あると良いと思います。デザインの寸法どりや下書きは鉛筆より線が安定しているのでシャープペンを使っています。
芯のサイズが「0.3ミリ」「0.5ミリ」「0.7ミリ」「0.9ミリ」とあり全部揃えても良いのですが、先にも述べたように使用目的が、寸法どりや下書きのため基本は「0.3ミリ」です。
昔は、「0.3ミリ」ぐらい細くなると芯も折れやすかったのですが、今の芯は強いです。折れません。
安心して使ってください。
後は使う目的で選ぶと良いでしょう。一般的に「0.5ミリ」がオールマイティーです。文字を書くにしてもデザイン上の下書きでも無難につかえます。製図をやるわけではないので、「0.7ミリ」「0.9ミリ」はどちらかひとつがあれば良いと思います。使い方は、フリーハンドの作業で滑らかに描ける太さです。スケッチなどに便利です。芯の種類もこれは「B」より柔らかいものを使った方が良いでしょう。
「0.3ミリ」にはどの硬さの芯を使うかですが、「H」「F」「HB」あたりで選ぶことになります。私は「HB」を入れています。「H」は硬すぎるようで筆圧の強い人には向かないと思います。紙を確実に傷めます。消しゴムで消しても跡が残るので、「HB」にしています。
シャープペンを選ぶときは適度な重さとバランスを確認してください。プラスティックのシャープペンと金属のものでは、その持った感じが違います。適度な重さを感じるものの方が私は好きです。シャープペンの重さだけで線が描ける感じです。
あと、グリップの感触ですか。手にというか指になじむものにしてください。プラスチックだけのものはあまり好きではありません。人それぞれかもね。
みなさんもここに書いたことを参考に、いろいろ試してみて下さい。



「鉛筆・シャープペン」についての章はここまでです。次回は「マーカー」についてです。
 
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