毎年文化祭は生徒達に企画を一任し、先生方は一切口出ししないという決まりの為
この時期だけ生徒達はハメを外しまくって張り切ります。
文化祭用ポスターも今年は美術部に絵描いてもらうんじゃ無くて写真にしちゃおうと
校内投票1位2位の女子二人と、適当に男子生徒一人をポスターにする事に決定。
堂々校内1位をゲットした志津丘夏姫さんと2位を獲った久嶋桜子さんと共にポスターに
出ようと校内中の男子生徒達がひしめき合う中、中々イイ男が見つからなかった2人は
友人である氷雨皇氏(♀)を逆指名。
死んでも嫌だと断固拒否した写真嫌いの氷雨さんでしたが見た目はどう見ても少年だった上、
2人共も仲が良かった為息も合うだろうと写真部の顧問(しかも偶然仲が良かった)も納得。
じゃぁ死ねとかいつまでもゴネてたらポスターできないから早く撮らせないと留年させるぞ等
先生にまで脅される始末。泣く泣く顔は写さない事で同意し文化祭ポスターに載る事と相成ったのでした。
なーんて考えながら描いてみました、イヒ(馬鹿)
readyのつづりとか今は平成何年だとかツッコまないように。超テキトウ★←駄目じゃん。
元絵はコチラから
「後日談」
「ねぇねぇ桜子、あのポスターの男子って結局誰なの?」
ギク
昼食時間、流石にもう屋上は寒いので、教室で相変わらず焼そばパンを頬張っていた俺の動きが一瞬凍る。
数週間前校内で行われた『校内美少女ランキング』に揃って入賞したと言われ、あぁそうオメデトさんと流そうとしたら
一緒に写真を撮るのに適した男子が居ないからお前が写れとか言われて散々嫌だと抗議した挙げ句
結局誰も聞く耳持ってくれなくてポスターに写った、という災難が俺の身に降り掛かった。
もちろんポスターは校内中に貼られ、見たくも無い自分の顔に御対面、な日々だ。
幸いポスターのまん中が俺だと知っている人間は俺と、美少女(らしい)2人と写真部の顧問の1人だけであり
顔もロクに写っていないし髪型も変えていたからそうそうカンタンにはバレないだろうとは思うのだが…
つか頼むからバレないでくれ。マジで。
そんな訳で現在、あのポスターの男子は一体誰なのか?とちょっとした話題になっているようなのである。
「うむ…すまぬが名を明かさぬ事を条件に撮らせてもらったのでな、秘密だ」
「えぇ〜いいじゃん!教えてよぉ」
席の後ろで友人と弁当を食べている桜子の会話に冷や汗が止まらない。
俺の机に椅子をもってきて同じくパンを齧っている夏姫は相変わらず無表情だ。
「いいよね〜この男子!細いし!」
そりゃ空手やってますから
「ホストみたい!」
…………………………………
このまま聞いてると胃がキリキリ痛みそうなのでツッコむのは止めにしてできるだけ会話から気を逸らす事にした。
「…文化祭、ウチのクラス何やんだ…?」
「喫茶」
「で、俺ら何かやんなきゃなんねぇの?」
「やる気満々なオンナノコが一杯なクラスでよかったな」
「……ワァイ」
つまりは面倒な調理や飾り付けには回されずに済んだ様である。
「ひーは桝田センセイの手伝いやるんだろう?」
「らしいな」
俺はまた桝田先生率いる部活(生活情報部、というらしい)のパソコン人員不足で狩り出されるハメになったらしい。伝聞。
もし本当なら面倒臭くはあるが、ある程度人気のない家庭科準備室で存分にサボらせて貰う事にしよう。
「そういや何かウマそうなモンあっ」
「ねーサク!おーしーえーてってばぁ!」
俺の声を一際大きな声が遮った。まだ後ろでは談義が続いていたらしい。
口の固い桜子の事だ、面白がってホイホイバラしたりはしないと思うが…内心汗をたらしつつブリックパックの烏龍茶を啜る。
「むぅ…お主も中々食い下がるのう」
「だってー一目見てみたいんだもん!」
見んでいい!
「仕方が無い…あの男子はな?」
は?!ちょっと待てオマ…
「志津丘の彼氏だ」
ブッ!
「…ひー、キタナイ」
「うっせぇ…」
「ウソ?!ホントホント?!夏姫ちゃん!」
顔を紅潮させてはしゃぎまくる女生徒に夏姫は少し考えて、綺麗に笑って「秘密だよ?」と言わんばかりに
少し首を傾げ口元に人さし指をあてがった。名付けて必殺鬼殺し(言うと殴られる)
校内ランキング一位の笑みは効果絶大だ。かぁぁっと顔を赤らめて、女生徒は幸せそうにふらりふらりと教室から出て行った。
「オマエな…」
はぁぁぁ…と大きな為息を一つついて後ろを振り返り桜子を睨み付ける。
「似たようなモノであろうが」
「ワーちっともウレシクねー」
「校内一位の美少女だぞ」
「コレがか?」
「コレとはなんだコレとは」
指差しうげっと舌を出した俺に夏姫が「バラしてほしいんだな?」と綺麗な笑みを向けてきた。
クソ。姑くは逆らえねェ…………(げっそり)
「後日談2」
あすか「ひーさんいつからホストになったの…(しみじみポスターを見つつ)」
皇「放っとけ!(涙)」
身内にはバレバレで死た。
モドレ