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2000/4/7/fri
いきなり、猪木のリング・ジャックから放送は始まる。
主役は初シングルの飯塚と村上のハズなのに、ほんとにあのオッサンは・・・。
そのドサクサのなかで、いきなり飯塚に殴りかかる村上。
少し落ち着こうぜ、村上選手。もと武道家なんだしさあ・・・。
払い腰とパンチで追い込む村上。しかし、プロレス的パフォーマンスが少し、過ぎた。慣れないせいか。
せっかくダウンしている飯塚を何度も見逃し、最後も、コーナーにもたれる飯塚に、プロレス的モーションで襲い掛かったスキを突かれ、
アッというまのスリーパー地獄。勝機を見逃さない飯塚の方が格闘家だった。
さすがは道場の「鬼軍曹」。
蝶野×ムタは・・・正直、コクに欠けた。
放送が、何度もCMを間にはさむので、意識が散漫になってしまったコトもあるが。
最後も、ムタの「反則負け」というイマイチな決着。
楽しみだったライガー×健介も、同じ理由で、もうひとつ気持ちが盛り上がらなかった。
というか、あそこまで力の差があるものなのか!?
ノーザンライト・ボムで健介、圧勝。
そして、問題の橋本×小川戦である・・・。
戦前、さんざん、もーいいよってくらい煽りを入れていたので、ほんとに「もーいいよ」という気分になっていたのだが、
橋本の覚悟。小川の調整。
どちらも素晴らしいもので、緊張感は高まっていく。
橋本の蹴りが、小川の脚を壊していく。小川は、パンチからの投げを狙うが、橋本はそれを許さない。
しかし、遂に小川の右フックと左アッパーの連打が橋本のアゴを捕らえ、橋本ダウン。エスケープ。
場外で長々とインターバルを取る橋本に焦れる小川、上がり際を襲うべく、ロープ際に詰め寄る。と、その瞬間!
橋本の水面蹴りが小川の脚をすくう。橋本の反撃。
途中、橋本が小川のパンチに激して、片方のグローブを外した瞬間、それを不服としたのだろう、村上が飛び込んできて、試合中断。
だから、少し落ち着こうぜ、村上選手。
その後、花道でのDDTなどで攻め込む橋本だが、終盤、遂に小川の「STO」を受けてしまう。
しかし、そのSTOを、DDTに切り返すという荒業で、小川もダウン。
ていうか、ゼッタイ死んだと思った。ヒドイというかエグイ入り方だったので。
それでも、立ち上がる両者。もう、どちらもフラフラだ。
なにかに取り憑かれたかのようにSTOを連発する小川。
恐ろしい執念で立ち上がる橋本。しかし、橋本に、もう反撃する力は残ってなさそう・・・。
やがて、終盤何発めかのSTOにて、橋本がピクリとも動かなくなる。
レフェリーのカウントを待つ小川も、コーナーダウン状態だ。
しかし・・・橋本は、立ち上がることはなかった。
KO負けである。
彼は、この試合に負けたら引退する、とまで自分を追いこんでの、背水の陣だった。
いったい、どうするのだろう。
やっと立ち上がった橋本、涙を堪えて猪木に、ファンに、そして小川にも礼をする。
声もない6万の大観衆。
と、そこで突然、猪木が・・・。
「みなさーーん、いきますよーーーー!」
恒例の、1.2.3.ダー! である。
しかし、この日、この時の「ダー!」ほどむなしかった「ダー!」は初めてだ。
ていうか、よけいだった。
あそこは、あのまま橋本の涙の礼、で終わるべきだった。
ふたりの男の全霊を賭けた戦いと、それのもたらした結果の残酷さに、観衆は打ちのめされていたのだ。
猪木は、それを「シラケ」と見たのだろうが、そうではない。
むしろ、あの行為のほうが「シラケ」た。
闘い終わったふたりの漢(おとこ)の顔の雄弁さにくらべ、あの「ダー!」の空虚なこと。
猪木が、はじめて「存在感」で負けた瞬間を見たと思った。
小川と橋本は、初めて猪木に「勝った」のだ。
なのに、引退するというのか、橋本・・・。
橋本真也、どこへ行く・・・。