カムチェーンテンショナー交換          
 クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝えるカムチェーンを暴れないように押さえてる部品です。ネジとバネの組み合わせで、一度伸びると元に戻らないような仕組みになってます。
 普通は生涯交換せずいける部品ですが、TMAXは車両によってはこれが不良の場合があり、ウチのも1万9千キロ頃から不良な症状(エンジンのガラガラガチャガチャ音が激しい。特にアイドリングからのあけ始め)が発生し始めたので交換することとなりました。

カムチェーンテンショナー新旧比較。

 同じトラブル抱える車両多いようで対策部品に変わってます。
 伸びてるほうが古いほう、縮めてるのが新品。
形状が若干違うし、バネの強さがまったく違います。

 テンショナー自体は外装とシートとタンク外せばすぐ外せますが、テンショナー外した時に今までキチキチに張られてたカムチェーンが跳ねて、カムシャフトスプロケットのちがう山にかかり、バルブタイミングずれるので、シリンダーヘッドカバー開けてバルブタイミング確認しながらの作業になります。(私は気づかず、始動不能状態に陥りました^^;)

多分もう二度としない作業になりますが、補機類(キャブレター、ラジエター等)外しに手間取り、休憩含め16時間に及ぶ大手術になってしまいました。。

 車体中央の外装左右は全て外しての作業になります。シートとタンクも外します。タンクは吸出し口上にあるので、コック閉めたりする必要ありません(ていうか、ない)。
 ラジエター外すことになるので冷却水は抜いておきます。キャブレター、インテークマニホールドも邪魔になるので外します。
 冷却水通路、環境対策の2次エア通路、オイル通路のゴムホース、スロットルポジションセンサー等の配線が狭いスペースに複雑に這いまわされているので、何がどこに繋がってたかよくメモメモ。ていうか、サービスマニュアル読まないと無理です(^^;

 タンク外したところ。テンショナーはシートヒンジの真下で、すぐ外せる場所にある。

ヘッドカバー外したところ。

テンショナーも外すと、見てのとおりEX側のカムシャフトから大きくチェーン外れるので、旧品外して新品付け替えるだけでは、よっぽど運良くない限り、バルブタイミングずれます。

2万1千キロ使用のヘッドカバー裏側。

 

←クランクケース左サイドの覗き窓から見てマークが一致したところで

→カムシャフトがこんな感じに(一番ちっこい穴がヘッドのツラと一致

すればOK♪

 バルブタイミングの合わせ方は、↑のカンジ。
エンジン右側のプライマリシーブ取り付けボルトを29mmで回してクランクシャフトをあわせ位置にもってきます。一人だとかなり厳しい姿勢での作業になります。けっこう力要るし。このときカムチェーンが外れたり、内側に引き込まれたらタイヘンなこと(全バラ)になるんで、ハリガネと適当なオモリで適度にテンションかけておきます。
 EXを先にあわせ、次にINを(じゃないと多分できません)あわせ、テンショナーつけて、カムチェーン張ってきちんと1コマもずれずに合ってるか確認。

INかEXか忘れたけどカムシャフト。

あわせ位置がまた、バルブ微妙に動いている位置であわせにくいんでカムシャフトいったん外しちゃってからのほうが楽です。

カムシャフトホルダーの締め付けは1kg・m(外装のボルトと同じくらい)。外から内に対角に均等に締めていく。”エンジンの中や、外れたらタイヘン”、、と必要以上にきつく締めたら焼きつきの原因になるかもしれない。軸受け部には初期かじり防止に極圧剤配合のオイルを。

オイルをたっぷりふりかけ、何周かクランクシャフト手で回して馴染ませ、キチンとあわせに合ってるか確認し、新品ガスケットを挟み、ヘッドカバー締める。もちろん対角に均等に締めつけ(1.0kg・m)

インマニ、キャブレター、ラジエター元通りにし、冷却水入れて、外装元通りにしていって完了☆狭いスペースに詰め込まれているので知恵の輪状態、特に吸気サイレンサーとキャブレターの組み付け難しいけど挫けずに…(笑)

で、エンジン始動してみれば見違えるほど静かに生まれ変わってるはず…☆ミ
冷却水全部抜いた後なんで、下がった分補充するの忘れずに。。

私はスロットルポジションセンサーの配線ど忘れしてて、アイドルするけど全く吹けず、
”ヤリナオシかよ〜(><、)”とめちゃ焦りました(笑)

 …

、、で、作業中にやっと気づいたけど、新品交換なんかせんでもテンショナーに精密ドライバつっこんで回したら手動でもテンショナー調整できるのね。。
 でもまぁ、実際目で張り具合やタイミング確認しながらした方が信頼できるってことで★

純正部品価格(04/2現在)
カムチェーンテンショナー:2920円
ヘッドカバーG/K:540円