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8月30日 |
朝3時半起床。今回の目的地は姫路の北夢前町から北に伸びている林道である。このあたりには大規模な林道がいくつもあり、うまくつないで行けば氷ノ山まで行けてしまうのだ。さすがに氷ノ山まで行くとヘッドライトの暗いDAXでは帰りが厳しくなるので夢前町からの雪彦峰山林道とその先の峰山基幹林道に行ってみることにする。 明るくなり始めた4時40分ごろ出発。しかし、出発してからチェーンに長いこと油差してないことを思い出したので下宿までチェーンルブを取りに帰り結局5時出発となる。DAXは最近クラッチを直し復活したばかり。クラッチ交換したときに一次減速比が変わってしまったためか72キロしか出ないが十分流れに乗れるので困りはしない。早朝の43号線は車は無いが信号のタイミングが悪くことごとく引っかかり気持ちよく走れない。明石の吉牛で朝食にし、今回は明姫幹線使わずそのまま2号線で姫路に走る。姫路からは312号線で香寺町、そして県道で夢前町へ。途中にはレンガで出来た古いトンネルがありいい感じ。 |
相坂随道。大正10年建造。 |
夢前町内に出、”雪彦山”の看板に従いどんどん北上。雪彦山のキャンプ場から先が林道。入り口に6キロ先工事通行止めとか書いてるけど気にせず進む。しばらく舗装だがすぐに砂利のダートに変わる。舗装路と全然違う浮いてるような不思議な接地感、土を蹴っ飛ばす感覚、軽く滑っていく立ち上がり、水溜りに突っ込んだ時の水飛沫、みんな気持ちよい!・・がしばらく進むと下の看板。
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上の写真みたいな景色を見せられて、そして戻れとは殺生な。隙間から進入し、いけるところまで進む。上の写真で奥の尾根を越える手前、入り口から17キロ進んだ所、工事用車両が止まってるのが見えるところで本当に工事してたので引き返す。帰り舗装路になった所で雪彦山がキレイに見えるところがあったので下の写真。
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雪彦山。ロッククライミングのメッカ。 |
来たのとは違う道で夢前町内に戻り、県道で安富町。そして国道29号線へ。山崎町内のホームセンターでいつも使ってる添加剤STPを今回はまだ入れてなかったので購入し、オイルも減ってきてることだし注入する。たいこ弁当(播州の国道沿いにやたらたくさんある弁当屋。)で昼食にし、一宮町。県道8に入る。始めは風景のよい田舎道で、峠越えの部分はブラックマーク多数でタイヤカスが大量に落ちててすごい。DAXでは3速45キロ出すのが精一杯の登りなんで、もう少しパワーのある単車で行くと楽しめそうな道だった。坂の辻峠を越え、地図見たら行き過ぎていることに気づき、峠の手前まで引き返し峰山広域基幹林道へ。道は雪彦峰山林道より少し荒れているが走りやすい。しかしかなりガスって来てて、景色いいらしい道なのだが全然景色よくなかった。途中の休憩所に東屋があり、そこで休憩。
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峰山広域基幹林道の途中の休憩所。 |
砥峰高原。 |
さらに進むと砥峰高原に出、ここからは県道39で下山するとする。なかなかいい感じのワインディングを下っていくと長谷ダムっていうけっこう大きいダムがあった。
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長谷ダム |
県道39を進み生野町、そして国道312。給油し北へ進み分水嶺を越え朝来町。道の愛称が円山川リバーサイドラインになる。429号線に入り明延鉱山の廃墟を見に行ってみる。しばらく進むと雨が降り始め道も濡れてくる。
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国の重要文化財”鋳鉄橋”。日本で3番目に古い鉄橋であり、全鋳鉄製としては最古のものらしい。 案内板以外何も無くて普通に橋だった。 |
日本の錫9割を採掘していた明延鉱山神子畑選鉱所の廃墟。 山の向こう大屋町から運ばれてきた錫鉱石が選別されてたところ。 鉱石を運んでた鉄道は廃坑の昭和62年まで1円で乗れることで有名だったそう。 かなり巨大な建物がいきなり現れるので驚く。人の気配は全く無いのに妙に構内は綺麗で ここだけ15年前から時が止まったような感じ。深々と降る雨とあわせ不気味さ最高だった。 |
鉱山跡から帰る頃には本格的に降り出してきてて朝来町内に戻っても雨は降っていた。312号線を姫路方面へどんどん南下する。但馬から播磨へ神崎町に入っても雨、ライディングジャケット着てはいるが下がタンクトップだけなんで寒いし冷たい。市川町から小降りになり始め福崎で完全に止み道も乾いてくる。しかし2号線に戻り姫路に入った頃また小降りになり始める。生野から90キロ走って姫路で給油。2リットルとやはり高燃費。急いで帰りたいので250号線明姫幹線に入る。70キロで巡航するがだんだん排気音がうるさくなってくる。マフラーが外れかけになっていたので明石の新幹線ガード下で直す。直しているうちに雨は本降りに。ただとにかく走りつづけ垂水から朝霧のいつも渋滞してる区間もどんどんすり抜け須磨の若宮。ここから先は阪神高速の下で雨がかからないので安心。脇浜の交差点で信号待ちしてて何気なく後ろ見たところ尋常じゃないほど白煙出していることに気づく。2サイクルなんて目じゃないほどはいている。メカノイズもやたら大きくなってきてる。家帰ったら即OHだなと考える。2号線との分岐の立体交差は何事も無かったかのように力強く登って行った。その下の味泥の交差点から発進、異様にトルクが薄い。そして走りながらいきなりストール、クラッチ切って惰性で路肩へ。いくらキックしても始動する気配が無い。オーバーヒートかな?と考えしばらく放置する。その間大石のコーナンでトイレ借りたりする。帰ってきてから再びキックするといちおうエンジンはかかるが頭の横でコンクリートブレーカー打ってるようなすごい異音。誰がどう考えても走るのは止めた方がいい感じだ。このとき8時過ぎ、家までは阪神の駅で7駅、約7キロ。雨降ってるが十分歩ける距離だし、今日一日楽しませてもらった道具をそのまま放ったらかしにしとくのは忍びない。他の日に回しても仕方ないことだし、いずれは押して帰るしかないし。まぁ、古い単車を好き好んで乗ってしかも、たかが空冷単気筒OHC85cc6馬力の非力なエンジンを常時レッドゾーン、そして車以上のペースで走り、オフロードまで走るというあからさまに無茶な楽しみ方をしてる以上覚悟せなあかんことだし。このトラブルは最近自分が整備したところ(クラッチ)が原因でないことはわかるし、何度も分解整備したことのある腰上のトラブルであるだけ気が楽だ。腰上に関してはほとんど新品の部品を持ってるから修理には金はかからなさそうだし。まだ十分押して帰れるところでトラブっただけ運がいいと考える。43号線沿いをひたすら押し、東明から2号線まで登る。70キロ少々とはいえやはり上りは重い。2号線沿いを御影まで押し吉野屋で晩御飯。食べ終わり店を出ると本降りになっている。止む気配はないので待っても仕方ないのだが、雨宿りしてる高校生カップルがいる。こいつらの前を大雨の中壊れたバイクを押して歩く事が出来るほど人間出来てないので、こいつらがどっか行くまで待つ(やってみるとわかるが、そうとう恥ずかしい。)。待ってたらマウンテンバイクに乗った外人二人組にやたら馴れ馴れしく”こんにちは〜”と話し掛けられる。キリストの教えを広めてるとか言っている。大雨の中カッパ着て自転車漕いで一生懸命さをアピールしてるのだろうが、大雨の中カッパもなしで70キロの鉄の塊を押さなくてはいけない状況の俺から見たら全然たいしたこと無いやつらだ。”名前はなんとおっしゃいますか〜”と聞かれたが、宗教の話なんぞ聞く気分のわけないので”いいです。”と断ったら”井出さん、あなたは〜〜〜”とかなんとかしゃべってくる。本気でウザイと感じた。”考え事してるので、さようなら!”とあからさまに邪険に断ってやった。普通に考えて哀れな情況である自分に甘えた行為をしてしまったと感じたが、いくら困っても宗教関係にだけは関わらないと決めてるし、気にせず再び2号線沿いを押す。住吉川を越えると下りになり重力を利用できるので歩くより速い。下り終え田中の交差点まで来るともう着いたも同然。小路の交差点から山手幹線まで登り、もう何度も歩いたことのある道。そして8時30分なんとか(俺は)無事に下宿到着。DAXにカギを掛け、濡れてしまったグローブやジャケットやメットや地図を干し、翌朝8時まで一度も目覚ます事無く眠った。 |
古い単車を好き好んで楽しませてもらってる以上覚悟する事。
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