CDS、CCCD

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各ニュースサイトなどの記事

スラッシュドットジャパンのログ

過去ログより抜粋

2002/3/24

ドリマガを見ていたところ、「サクラ大戦4」のサウンドトラックが4月10日に発売とのことで、とりあえず購入リストに追加しておきました。ところでこれってエイベックス発売なんですけど、まさかあの「 CD のように見えるけど微妙に違うディスク」ではないでしょうね(笑)。

これは皮肉ではなく、一部アーティストの作品で採用されているコピーコントロール CD なるものは、 COMPACT DISK の規格に当てはまらないんだそうです。つまり COMPACT DISK のロゴは使えないはずですし、厳密に言えば「 CD ではない」ということですね。

他では例えば、パソコンやゲーム機の CD-ROM には COMPACT DISK のロゴが入っていますが、ドリームキャストの場合は GD-ROM なので、 COMPACT DISK のロゴは入っていません。もちろんゲーム機の場合はもとよりその機種でのみ使用することを前提にしているわけで、別に CD でも別のものでもかまいませんが。

このエイベックス発売の CD (のようなもの)の場合、音楽 CD が聴けるはずのプレイヤーや CD-ROM ドライブで再生できない場合があるそうで。未確認ですが、ドリームキャストでは聴けないという噂も目にしましたし、そんなケースでも返品などには応じないとのこと。

最初にこの話を聞いた時からなんだかなぁという感じだったんですが、どうせエイベックスのタイトルは買うこともないしと思っていたところ、けっこうゲームのサントラとか出してるんですよね、これが。今のところ全面的に採用というわけではないようなんですが。

2002/4/7

あゆも清志郎もコピー防止に エイベックス,9月にも全CDに導入(ZDNet JAPAN)

まさかとは思っていましたが、本当に全 CD に導入するとは思いませんでした。以前出した3タイトルで大きな混乱が起こらなかった場合の、おそらくは既定路線なんでしょうけど。企業というものはどうも、勢力が増大すると自社の望む規格や手法をごり押ししたくなるもののようで。

ウェブ上のどこかの日記で、自分はコピーなんかしないから関係ないと書いていた方がいたんですが、問題はそれだけじゃないんですよね。もちろん、個人で楽しむためのコピーやバックアップも禁止してしまうのはどうなんだろうというのもありますが、それはともかく。

いちばんの問題はやっぱり、通常の CD プレイヤーでも再生できないケースがありうるということだと思います。また PC の CD ドライブで(普通に)再生しようとした場合でも、オーディオトラックがそのまま再生されるのではなく、エクストラトラックに記録されたデータが再生されるとのこと。 .wav ファイルが無圧縮で記録されているのならともかく、何らかの圧縮がかけられていた場合、 PC では元の曲より劣る音質でしか聴けないということになります。

さらにいえば、この場合の PC というのは OS が Windows のマシンのみをさすようで、それ以外の OS を搭載しているマシンについては特に考慮されていないようです。また、エイベックスサイトの Q&A によれば、購入者の CD プレイヤーで再生できなかった場合も返品には応じず、自分の機器で再生できるかどうかはエイベックスまで問い合わせてくれとのことで、 Panasonic サイトでは

エイベックス社より発売されましたコピーコントロールCDは、現状CD規格に合致しない特殊ディスクであり、当社としては、CD再生機器における再生の保証は致しかねます。

とまで書かれています。要するに CD ではないから CD プレイヤーでの再生を保証できないということですね。再生機器を生産しているメーカーとしては至極当然の対応だと思います。

しかも、こういった問題を抱えているにも関わらず、完全にコピーを防止できていないようです。つまり不完全なコピー防止策を採用したがために、一般の利用者が(手持ちの CD プレイヤーで再生できないという)不利益をこうむる可能性があり、そのことについてのサポートは、再生可能かどうかの問い合わせがあった場合に答えるだけ、と。

これが完全に CD と互換であり、なおかつ本来の目的である(と主張する)著作権の保護がきちんとなされるのであれば、それは支持されてもいいと思います。あるいは、 CD の規格を作ったソニーやフィリップスと、もしくは他のレコード会社等と協力してそういった(一般のユーザーに迷惑をかけない)規格を作るとか。ですが、現状はとてもそういった方向に進むとは。

CD の規格に準拠するでもなく、かといって全く新しいメディア(ハード&ソフト)を作り出すわけでもなく、 CD という規格に便乗というか、多くの CD プレイヤーで再生が(おそらく)可能であろうとあてこんでいるだけなんですよね。なんだか、昔 PC エンジンやスーパーファミコンなどで出ていた、ハードメーカー非公認の(けれど問題なく動く)アレなソフトを連想してしまいました(笑)。

2002/4/16

追随する会社が出るであろうことは予想されたことではあります。各社バラバラの技術を採用して、どのプレイヤーでどのレコード会社のディスクが再生できるのかわからないなんて事態を招くよりはましなんでしょうけど、しかしまあ何と言いますか。

この件に関しての最大の不満は、実際に音楽作りに携わっている方や、ユーザーの声が聞こえてこないことですかね。レコード会社の発表や、宣伝・広報担当のコメントばかりで。音質の劣る圧縮ファイルをいっしょに収録して、パソコンでは強制的にそちらが再生されるというのは、アーティスト的にどうなんだろうと思うんですが。

自分自身はといえばそもそも CD-R 自体持っていないんですが、しかし MP3 ファイル(もちろん自分用の)を作る時に、他の機器で再生したのをいちいち録音しなければならないのだとしたら面倒な話で。

それ以前に自分の手持ちの機器で再生できるのかがどうかが不明なんですけども。いわゆる普通の CD プレイヤーは持っておらず、もっぱらパソコンやゲーム機での再生なので。これでもしディスクに個体差があって、同じ機器でもディスクによって再生できたりできなかったりしたらお手上げですね。

というかとりあえず、売る方も記事を書く方も CD という名称は使うべきではないと思うんですが。

2002/4/18(thu)

レコ協,コピーコントロールCD普及に向け環境作り(ZDNet JAPAN)

いやまあ、しつこいようですが。どうやら事態は思った以上に急速に進行しつつあるようです。それもむべなるかなというのが以下の台詞。

そもそも,中古CD販売店というビジネスが成立するはずがない。本は1回読んだら,映画は1回観たらもう用済で中古に売るのは理解できる。だが,音楽は何回も繰り返し聴くものである。

(上記記事より引用、強調部は引用者によるもの)

「一回読んだら用済みになるような本」しか読んだことがないのかと突っ込みたいところですがそれはおいといて。こんなことを言える人物が日本レコード協会の会長というんですから、どう転んでも事態が望ましい方向に進展するはずがないと思えてきました。そもそもこのような理屈が通るなら、中古 CD 販売以前に、(借りるだけの)レンタル CD なんて商売が成立するはずがないと思うんですが。

百歩譲ってこの CDS 技術を採用する正当な理由があるとしても、せめて以下のような事を(ディスクの裏側にシールを貼るだけでなく)マスメディアなどを通じてきちんと告知し、また通常のプレイヤーで再生できなかった場合は返品に応じるなどするのが、売る側として当然の責任ではないかと思います。

もっとも「この CD はコピーコントロール CD です」なんて書いてあるシールをわざわざ作るくらいですから、それらも望み薄ですが。

関連記事

AV機器各社コピーコントロールCD関連リンク集( impress AV Watch )

ソニー、ケンウッド、松下電器など名のある会社の多くが、やはり自社のプレイヤーでは再生についての保証ができないと発表しているようです。

2002/4/21

CDS 関連の話題 (スラッシュドットジャパンより)

掲示板にもいろいろな形式がありますが、スラッシュドットジャパンでは、時間が経つと通常の記事のように「古いストーリー」(過去ログ)に移動しますので、自然とレスがつかなくなっていって時間を置いて関連した話題が新規で扱われるようになります。

そんなわけで CDS 関連についてはここのところ定期的に話題になっていて、関連ストーリーもけっこうな数になっているので、ちょっと整理してみました。もちろん全ての意見が真実で正当というわけではありませんが、参考になる部分は多いかと。

(注:上記リンクにまとめました)

2002/5/20

CCCDの導入はスムーズだった」 レコード協会(ZDNet JAPAN)

まあ「わかっててやってる」部分もあるでしょうから、いちいち反応しても仕方ないといえば仕方がないんですが。とりあえず今回のコメントの気になった点について。

インターネットで無許諾の音楽が大量にやり取りされている現状で、近視眼的にCDSを批判するのではなく、音楽業界が置かれている立場も考えてもらいたい

(上記記事中のインタビューより引用)

自分が問題点として認識しているのは、そもそも CD の規格から外れているうえ、実際に CD プレイヤーを製造している企業からもそっぽを向かれるようなものを、ただコピーができない「だけ」の「 CD 」であるかのように売り、まだ世間的に認知されているとも思えない状態でありながら返品などには応じず、あらかじめ再生可能な機器のリストも出さない、といったところですか。それらに対する批判を「近視眼的」の一言で片づけられたら返す言葉もありません(笑)。

「音楽業界が置かれている立場」と言われても、「インターネットで大量に音楽がやり取りされる」ような時代を迎えるにあたり、いったいどういう取り組みをしてきたんだろうという気もするんですけれども。一枚10曲3,000円前後というのは、それこそレコードの時代からずっと続いている形態のような気もしますがそれはさておき。

自分がこの件にこだわるのは、前述のような問題点ももちろんありますけど、同時に「テレビゲームの中古問題」と同じような匂いを感じるからですね。とりあえずスケープゴートを見つけて、売り上げが思うにまかせない責任を押し付け、そのうえで自分たちは「業界全体の利益」を考えているんだというポーズ作りというか。

(注:もちろん現状で問題なしとはしませんし、みんながみんな自分のところの利益だけを考えているとも思いません。が、両業界で現実にとられた手段というのは、あまりにも強引でしたし、一般のエンドユーザーのことを考慮しているとはとても思えませんでした。)

実際問題、このご時勢に以前と変わらず右肩上がりの業界というのもそうは多くないと思うんですが。やれ不景気だリストラだと言っているような状況で、しかも娯楽のほうは多様化しているというか。

CD や テレビゲームが世に出た後で盛んになったものを、とりあえず思いつくまま挙げてみますと、パソコン、インターネット、 BS や CS などの有料放送、携帯電話、トレーディングカードやキャラクターグッズ(笑)、そして DVD といったところですか。人によって趣味嗜好はさまざまでしょうけど、こうやって列挙した事柄が CD やテレビゲームの売り上げに全く影響を及ぼさないとはとても思えないんですよね。

それと各業界にも、(本当にそれが影響しているかどうかはともかく)問題点といわれる事柄はいくつかあるように思います。ゲームでいえば続編や二匹目のどじょうを狙った作品が多いとか、豪華特典とか価格についてとか。音楽のほうでいえば、近年流行っている音楽についてはわりと好き嫌いが分かれるようですし、それとは別に Avex については、リミックスの多さにファンでさえも不満を漏らしているのも見たことがありますし。