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Phoenix
現在の Netscape ( 6.0 以降 )は、 mozilla.org の Mozilla を元に作られていますが、その Mozilla の再設計版である Phoenix についてまとめてみました。なお以下の記述は全てバージョン 0.2 を元にしていますが、11月20日現在は 0.4 がリリースされており、機能や表示など変更になっている点があります。文字化けも起こりにくくなったような気がしますし。
関連サイト
2002/9/8
Mozilla Browserの再設計版 「Phoenix」( スラッシュ ドットジャパン )
Netscape 6 or 7 にしてもその元になっている Mozilla にしても、「ページ内容のレンダリングそのもの」はけして遅くないと思うんですが、いかんせん起動やメニュー表示などの部分で評価を下げているのかなという印象が。
で、この「 Phoenix 」はそういったレンダリングの速さは活かしつつ、機能や設定を削るなどの再設計をして、高速化を図ったもののようです。自分はハードディスクの空きに不安があるので、まだきちんと試していませんし、おそらくベータ版よりももっと前の段階だと思われますので積極的におすすめするわけにはいきませんけれど。
特に Windows の場合、 HTML 、 CSS などの解釈や、新しい機能などに見るべき点があっても、とりあえず軽さで Internet Explorer に近づかないことにはなかなか試用もしてもらえないんじゃないかと思われますし、今後に期待したいところ。
2002/10/4
Netscape 6.0 以降の元になっているのが、オープンソースで開発が進められている Mozilla で、その Mozilla のブラウザ部分を再設計して生み出されたのが、この Phoenix ということらしいですが。 0.2 というバージョン番号からもうかがえるように、開発は少し前にスタートしたばかりです。
が、しかし。実際に触ってみて、これはかなり使えるのではないかと思いましたので、いろいろと機能などを紹介してみたいと。なお、デスクトップ機( Canbe )のほうはそもそもソフトを問わずスペック的にナニなので、以下の紹介や画面写真などは、全てノートパソコン( Mebius )のほうを元にしています。
で、そちらの主な仕様ですが、 OS は Windows 98 Second Edition 、 CPU はモバイルセレロンの 450MHz 、メモリーは 192MB といったところです。
起動およびレンダリング
機能の紹介の前に、使ったことがない方がまず気になるのは、やはり「速度」ではないかと思うんですが。特に Netscape などは 6.0 の頃の良くないイメージをいまだに引きずられている方も多いようですし。
ですがそれが足を引っ張ると思ったなら、これだけ念入りには紹介しません(笑)。ま、さすがに IE のように一瞬というわけにはいきませんが、手元の目覚まし時計(おい)で何回か繰り返して計測した結果、起動に要する時間は約2秒といったところでした(注:10月5日分で訂正)。
またレンダリングに関しても、ローカルで確認したかぎりは IE に比べ遜色がない、というよりページによってはむしろ Phoenix のほうが速いかも知れません。以上のようなことから、すでに速度の点では十二分に実用レベルではないかと思いました。
JavaScript の制御
Edit -> Preferences -> Advanced -> Script & Windows ( phoenix1.jpg / 430 x 250 px)
Netscape / Mozilla を使ったことのある方ならおなじみだと思いますが、こちらの画面写真は設定の画面です。その中の JavaScript の項目ですが、単にオンオフするだけでなく、その内容についてもある程度細かく制御できるようになっています。
日本語化されていなくてもだいたい意味は通じると思いますが、ウィンドウのリサイズやステータスバーいじり、画像切り替えなどを許可するかどうかのチェックボックスが並んでいます。そしてたしか一番上は、広告などに使われているポップアップウィンドウの制御に関する項目だったかと。
実はこのあたりは最近の Netscape / Mozilla でもほぼ同じ事ができるんですが、 Netscape のほうは AOL もしくは Netscape に配慮してか、ポップアップウィンドウの項目が隠されているんですよね(笑)。(ただし、設定ファイルを直接いじれば可能)
サイドバー
View -> Sidebar ( phoenix2.jpg / 460 x 350 px)
Netscape / Mozilla のサイドバーは、複数のタブを縦にいくつも並べて使用することができますが。 Phoenix では「 Downloads 」、「 Bookmarks 」、「 History 」といった三項目に絞られ、それらを切り替えて使うようになっています。
上記画面写真では、すでに「 Downloads 」が選択されており、そのサイドバーがすでに出現しているのが確認できると思います。この中にリンクをドラッグ&ドロップすることでファイルをダウンロードすることができます。また複数のダウンロードの進行状況を表示することなどができるようです。
2002/10/5
すみません、いきなり訂正です。何回か繰り返して計測した結果、起動時間は約2秒と書きましたが、考えてみたら「何回か繰り返したから」それだけ早く起動するんですね(笑)。実際には Windows を起動した後、初めての起動の際はもっと時間がかかります。まあ IE も初回は一瞬とはいきませんし、そのあたりは大目に見てくださいということで。
何回も再起動してまで確認するのは面倒なので(おい)、だいたいの感覚ですが、 IE 5.01 が5-6秒、 Phoenix 0.2 が9-10秒といったところでしょうか。
ツールバーのカスタマイズ
View -> Toolbars -> Customize ( phoenix3.jpg / 800 x 576 px)
Netscape / Mozilla でも、ツールバーにどのアイコンを表示するかは設定から変更できますが、 Phoenix ではより柔軟に、かつ直感的に変更できるようになっています。それが上にリンクをはっている画面写真です。
これはもう見てのとおりですね。デフォルトで表示されているのは「戻る」、「進む」、「再読み込み」、「中止」の四つですが、カスタマイズ画面のパレット(?) にはそれ以外の「ブックマーク」や「履歴」などのアイコン、あるいは区切り線やスペースといったものも表示され、その中から使いたいものをマウスでつかんでツールバーにほうり込むだけです。
カスタマイズ後の画面1 ( phoenix4.jpg / 800 x 576 px)
で、こちらが実際にカスタマイズした後の画面です。今回は使用頻度が高いと思われる「ブックマーク( Bookmarks )」、「履歴 ( History ) 」、「ダウンロード( Downloads )」、および「ジャンプ( Go )」を追加してみました。それと区切り線ですね。
なおジャンプというのは、キーボードの Enter を押さなくてもマウスでクリックすれば、アドレス欄に貼り付けた URL にジャンプできるというものです。あとの三つはそのまんまですが、これらをツールバーから選んだ場合は、単独のウィンドウではなくサイドバーで表示されます。
画面写真では、ツールバーの Bookmarks アイコンが選択状態になっており、サイドバーに表示されているのが確認できると思います。ちなみに以下の画面写真は、 Downloads に選択を切り替えたところです。
カスタマイズ後の画面2 ( phoenix5.jpg / 380 x 350 px)
といったところでまだ続きます。
2002/10/6
ブックマークグループ
Bookmarks -> Add to Bookmarks ( phoenix6.jpg / 800 x 300 px)
今回はブックマークグループについて。現在 Mozilla や Netscape 7.0 などは、タブ式ブラウジングに対応しており、それゆえに可能な機能だと思われますが。それらのブラウザと同じく Phoenix でも、複数のタブで開いたページ群を一つのブックマークとして登録することができます。
今回はここのサイトと、ここのリンク先を例として使用させていただきました。画面写真は実際にブックマークを追加するところですが、ダイアログボックスの後ろに、いくつかのタブが確認できることと思います。
単独のページの場合はサイト名( Name )と URL ( Location ) を確認して追加するわけですが、その下の「 Bookmark this group of tabs 」にチェックを入れることで、現在タブで開いているページ全てを一つのグループとしてブックマークすることができます。その場合、当然のことながら名前はわかりやすいものにしておいたほうが良いと思われますが、今回は「 Links 」としてみました。
Bookmark -> Links ( phoenix7.jpg / 380 x 330 px)
で、実際に選択するところです。わかりやすいようにサイドバーのブックマークとメニューのブックマークを両方開いていますが、もちろんどちらも同じもので、いちばん下に先ほどの Links が追加されています。また、メニューのブックマークのほうをよく見ると、アイコンのしおり(?)が一枚ではなく三枚重なっているのがわかります(笑)。
Links ( phoenix8.jpg / 800 x 600 px)
そしてブックマークから Links を開いたところです。左端のタブは最初に開いていた空白ページですが、あとのタブはブックマークグループによって一度に開かれたものです。数が多いのでタイトルが大部分隠れていますが、まあこのくらいならまだ判別可能ですね(笑)。あとタスクバーで確認できると思いますが、もちろんウィンドウは一つしか開いていません。
たとえば定期的に必ずチェックするサイトとか、ニュース系ならニュース系といった同じジャンルのサイトなどをまとめて登録しておけば、一度にそれらのページにアクセスできるというわけです。特にブロードバンダー(何)の方は活用しがいがあるのでは。
まあウチの環境ではこれだけ一度に開くと、さすがに回線的にアレですが、それでも読み込みが完了したページから先に閲覧するといったことは可能なわけで。上の画面写真は読み込みが完了したあとなのでわかりませんけれど、読み込み中の場合はタブの左端のアイコンが、矢印がぐるぐる回っているものに変化します。ので、そこを見ればどのタブがまだ読み込み中かすぐわかるというわけですね。
2002/10/7
いろいろと Phoenix の機能について紹介してみましたが、実際にはタブブラウジングやスクリプトの制御、ブックマークグループなど、以前から Netscape / Mozilla が備えている物も多いです。ですから、そういった機能が他のブラウザからの乗り換えの動機になる(なっている)とは正直なところ考えていないです。
まあ自分はノートパソコンのほうで Phoenix や Netscape をメインに使用していますので、シェアが伸びなくても便利になっていくのならそれはそれで。本当なら HTML や CSS といった共通の規格が存在するわけですから、それらをある程度満たしているブラウザがいろいろ存在して、ある程度シェアが分散している状況のほうが理想だとは思いますがそれはさておき。
Phoenix を使用していて気になった点などを。といってもすでに 1.2 までリリースされている Mozilla が元になっているわけですから、そういくつも目に付くわけではありませんけれど。
とりあえず文字化けは起きやすいみたいです。今回使用しているのは英語版なので、まずエンコードについて設定しておく必要があり、優先順位の高いものとして Shift_JIS など日本語ページによく使われている三種類の文字コードを追加してはいるんですが 、それでも化けるときは化けます。特に HTML は Shift_JIS で CGI は EUC-JP といったサイトは多いですが、そのうえで文字コードが明示されていないと、ほぼ確実に化けるようです。
まあ文字コードについてはいろいろと難しい問題があるようで、必ずしもブラウザのほうが悪いとは言い切れない面もあるようですが。現状 HTML 中の meta 要素で指定していれば大丈夫そうにも見えますが、本来はファイル中のそれ( meta 要素 )を当てにすべきではなく、サーバーのほうで( text/html の)ファイルを送るときに、同時にどの文字コードが使われているかも送るべきものみたいですね。
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