P テ ニプリかきさんに50のお題

033:ゲームセンター


050125

男子禁制の看板には、気が付かなかったということにしておこう。
全員で一緒に帰宅するなんて珍しいから、記念にプリクラ。
全員で一枚のプリクラに収まろうと考えているあたり、なんだかんだで皆馴れ合ってるな・・・と、日吉はゲーセンで先輩方(と鳳)がギャァギャァやってるの を見ながら思った。

「でもカップルならOKて書いてあるよ」
「男女カップルじゃないと駄目とは書いてないな」
「うん」

これはイけるぞ。ニヤリと笑った忍足と向日を宍戸が一笑した。

「おまえら、ムリヤリだなぁ〜」




「で、撮るのか、やめとくのか」
「撮る撮る!」
「ししししし宍戸さんのカップル相手は俺で!」

誰もが鳳を無視したが、日吉は他人を哀れむ心を持っているので、小声で

「"カップル相手"って日本語はなんか変だ」

と突っ込んであげた。
そんな日吉に気付いた滝は、心の中で『やっぱ日吉って優しい』と、なごんだ。




400円で6枚違うのが撮れる。

「オイ。俺様が入ってねーじゃねぇか・・・」

モニターを見れば、ジローが画面のほぼ半分を使っている。

「ジローッ。お前だ!!お前が下がれ!はやくっ!」
「キツイ、これはキツイって」
「なんぼ何でも全員はムリやろ」
「何人だ?オイ、9人だぞ?」

「あれっ?てゆーか樺地は?」
「あっちでUFOキャッチャーやってる」
「かわいい〜」

いやいやいや、全員で撮るんじゃなかったのか?と日吉は思った。
樺地は本当にUFOキャッチャーをやっていた。

「・・・」

日吉に発せられる言葉は 何もなかった。
樺地をよそに、先輩方(と鳳)は相変わらず騒がしい。
鳳はなんとか宍戸にくっ付こうとしては、みぞおちにエルボーを食らっている。

先輩方(と鳳)が大人数で暴れるので、いたたまれなくなった日吉はプリクラ機のカーテンの外に出ていたが、誰も気付かなかった。
跡部先輩を除く全員は、なんとか面白いプリクラにするのい一生懸命で、最後には鳳さえ蹴りだされてしまった。
ジローに。

「陰謀だ」

鳳の淡い恋心を、解ってやらないでもないので、やはり小声で突っ込んであげた。








-終-