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時と運命の織りなす螺旋 第一話
GGG


時と運命の織りなす螺旋
第一話『運命と時の邂逅』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「……どこだ?ここは……」

気がついた俺は、まだ目覚めきっていない頭を稼働させる。

辺りにはうっそうと木々、草が生い茂っており、空を見ることも難しい。

「…そうだ……旅の途中だったんだ、俺。」

あぐらをかいて自ら流した血だまりに座り込み、深く溜息を吐く。

旅…そう。

青年、タクト=エスチェードは旅をしている途中だったのだ。

その途中で少々無茶をやらかし全身傷だらけ、満身創痍だった。

「しっかし…」

微かに見える青空を見ながら、しみじみという。

「腹減った〜………」

その昔食べた秋刀魚定食を思い浮かべ、タクトは腹に手を当てる

。思えばここ1ヶ月ほど、まともに飯を食ってはいない。

どうやら彼にとっては怪我の具合より空腹のほうが気になるらしい。
「もう……限界か………」

そうつぶやくと、大の字に横たわる。

もう、一歩も歩けそうにない。というか、立てない。




………タクト=エスチェード、旅先の森にて空腹の末餓死。(出血死にあらず)




「って格好悪すぎるわっ!」

思わずがばっと起きあがり、今にも襲いかかろうとしていたオーガに痛烈なツッコミを入れる。

クラッ

それが本当に限界だった。

(ツッコミが俺の最後の力か…無念だ……)

消えゆく意識の中、ツッコミを入れたオーガの吹っ飛ぶ音を聞きながらタクトはホントにどうでもいいことを考えるのだった…。

このあとタクトはジョートショップの女主人、アリサに発見されるまでその場で地に倒れ伏していた。






〜さくら亭〜

「ねぇ、シーラ今度一緒にリヴェティス劇場に行かないかい?」
「えぇっと……あの…その……」
デートに誘われた男性が苦手なシーラは、なんとかして断ろうと必死になっている。
「アレフく〜ん、いい加減止めたほうがいいよぅ。」
アレフのナンパを誘おうとし、止めにはいったクリスの言葉を
「なにいってんだ、照れてるだけだって」
との一言で一蹴しているその横では
「こぉの爆裂無軌道自己中お嬢様がっ!」
「ぶ〜☆なによぅ、このダメエルフ!」
本人の実力はともかくとし、魔法至上主義のマリアと何故かエルフなのに魔法が使えないエル、この2人は犬猿の仲で、顔を合わせるたびに喧嘩をしており、今もその真っ最中。
さくら亭では、いつもの光景が繰り広げられていた……そのときだった。
「お―――――――――い、たいへんだあ―――――っ!!」
「たいへんなのっだあ―――――っ!!」
ピートとメロディが店の中に駆け込んでくる。ピートの頭の上にはテディが乗っかっていた。
「大変ッス!大変っス―――!森に行き倒れの人がいて御主人様が困ってるから助けて欲しいッス―――――!」
「そいつは大変だね、わかった。早く案内しな!」
最初に反応したのは傭兵のリサ、すぐにテディ達と一緒に走りだす。
つづいてアレフとクリス、シーラとシェリルがその後に続き、喧嘩をしていたマリアとエルも少し遅れてみんなのあとをついて行く。
「ちょっと!……もう!手ぶらで言ってどうするのよ」
はあっと軽く溜息をつき、最後にパティが救急箱を持ち森へ向かっていった。






〜誕生の森〜

自警団第三部隊所属のウィル=スティルックとトリーシャと途中で合流し、一同はすぐにアリサの元へと辿り着いた。すぐさまクリス、シェリル、トリーシャ、マリアの4人が回復魔法をかけ始めるが……
「ぶぅ〜、どうして魔法が効かないのよ〜」
マリアが不満を漏らすのももっともだった。どういうわけか、あまり傷がふさがる様子はない。傷が深いとかそう言うものではなく、どこか回復魔法を受け付けないと言った感じだった。それでも4人は必死に魔法をかけ続ける。
その横でアリサとリサが応急処置を施す。
(これは、まずいね……)
治療を施しながらリサはそんなことを思っていた。大小様々な傷はあるが、特に酷い傷の内、背中と肩部の傷は急所を貫き、胸部の傷からは多量の出血が起こっており、流れた血が大地を紅く染め上げていた。一刻を争う状況なのは、誰もめに見ても明らかだった。
「ふぅ、これで良しっ…」
「ふみぃ…この人大丈夫なの?」
「大丈夫だよメロディ…こいつは助かるよ…きっと…」
「アレフ、エル!」
「良し、任せろ」
二人は即席で作った担架に男を担架に乗せる。
「流石にその怪我人をおぶって行くのは辛いからな」
「それにトーヤのところに連れてくならこの方が良いしね」
「やるじゃないか、二人とも」
「まぁな。それじゃドクターの所に急ごう」






「ドクター!」
「話は聞いている。急いで患者を手術室へ運べ」
勢い良く飛び込んできた面々にトーヤが指示を出す。
アレフとエルは急いで男を手術室へと運び込む。
「…後は俺の仕事だ。心配することはない、必ず助けてみせる」
「先生…お願いします。」
「ふみぃ…」
「ドクター…」
「頼んだよ、ドクター」
全員の不安げな声と視線を背に受けてトーヤは手術室の中へと入っていった。






それから数十分後
ガチャリ…
手術室の扉が開きトーヤが顔をだす。
「先生、彼は…」
「ドクター!」
「どうなんだいドクター!?」
詰め寄る一同にトーヤはキッパリと言い放った。
「全く異常なし。完全な健康体だ。とっとと連れて帰れ」



………………



「はぁ!?なんだいそれは!」
「どうして、回復魔法も効かなかったのに…」
詰め寄るもの、困惑するものににトーヤは冷静に言い返した。
「応急処置の時はどうだったか知らんが…、手当てをする前に傷が塞がっていく。もう一番酷かった胸、腹、背中の大きな傷すら残っていない。」
唖然とする一同。
「え〜っと……どうしよっか?」
かなり間の抜けた声を上げるトリーシャ。まぁ、無理も無いだろう。
その時…
「その人……私の家で預かっても宜しいでしょうか?」
「アリサさん?」
その言葉を発したのはアリサだった。
「だめですよアリサさん、貴方のような麗しい女性が男を引き取るなんて!」
「やっぱりあたしが引き取るべきよ、うちは宿屋でリサもいるし」
「ああ、そのほうがいい。さくら亭なら不届きなことしてもあたしがそいつをなんとできる」
「そうっス!御主人様、危険っス!」
アレフ、パティ、リサ、テディはそれはそれはもう、ものすごい剣幕でアリサに詰め寄る。
「でも……最初にこの人をみつけたのは私ですし、家なら部屋も余ってますし…最後まで面倒をみさせては頂けないでしょう?」
年上の女性+上目遣い…これ自体、かなりの凶悪コンボだ。
「ア、アリサさんがそう言うのなら…」
どうやらこの技は、その場にいた全員にも効果があったらしい。
「ありがとうございます」
そう言うとアリサは病室の中へと向かい、みんなもそれにつづく。






「………ん……」
病室ではタクトが目を覚まそうとしていた。
「あ、気が付いたのね」
「ふみぃ、よかったの〜」
ホッとした雰囲気が病室を漂う中、そこで彼が放った第一声は
「……腹減った……飯〜…」
だった。

ズルッッッ!!

アリサを覗く他の面々は、その場で転びかけた。
みんなてっきり「ここはどこ?」とか「俺は一体?」とか聞くものだと思ってたのにいきなり「腹減った」と誰が予想できよう。
「あらあら、それじゃあご飯の用意をしましょうか」
アリサはそんな中一人マイペースだった。






「………ふう。」
更に数十分後、アリサ、パティ、トリーシャ等の作った料理などを食い終え、タクトはほっと一息ついた。
「余程お腹が減ってたんいたんですね。あれだけの料理を一気に食べるなんて。」
「そ、それだけ美味しかったっていうことだよね?」
アリサは対して驚いた様子も見せず、トリーシャはちょっと顔が引きつつもなんとかそれだけ口にした。他のものは絶句している。
3人の作った料理は軽く20人前は越えていた。それを5分で間食すれば、誰でも言葉を失うだろう。
「ご馳走様でした。」
「お粗末様です。私はアリサ・アスティア。ジョートショップの主人をやってます。貴方の名前は?」
「俺ですか?俺の名前はタクト、タクト=エスチェードって言います。」
「ふみぃ、メロディなの…タクトちゃん、なんだかとってもいい匂いがするの〜♪」
かなり間延びした、舌っ足らずな声でタクトに猫のように体をすり寄せてくるメロディ。思わず力の抜ける思いを抱きつつ、タクトはメロディの頭を慣れた手つきで撫でる。

なでなでなでなで なでなでなでなで………

そのメロディは、というと、目を細め気持ちよさそうにしている。
なんとなく、女性陣が羨ましそうにメロディを見ている。

さて、ここでタクトの容姿を説明しておこう。さっきまでは皆焦っていて気が付かなかったが、灰色の長い髪は適当に縛っており、灰色の瞳は鋭く少々キツイ印象を与えるが、顔は良い。10人に聞けば15人が美形と答えるぐらいの、それこそ絶世の美形だろう。声もいい。服の下に隠れているが、体は引き締まっていて指もしなやかだ。もっとも本人にとってはどうでも良いことらしいが。

「え〜っと、そっちにいる人全員が俺を助けてくれた人か?」
「えっ?」
メロディを撫でていたとタクトの口から漏れた言葉で全員現世に戻ってくる。
「あ、うん。そうだよ」
「そうか、ありがとな、ホント助かったよ(にこっ)」
タクトはその場にいた全員に対して微笑んだ。

ズキュゥゥゥゥン!!!!

そう!タクトが使った微笑みはタクト最強の必殺技(爆)
女性の99.99%を魅了する『タクト・スマイル』である(笑)
その威力は凄まじく、男性陣とリサ、アリサを除いた女性陣はその笑顔を見た瞬間、天使が矢を胸に射していった。

(綺麗……だけどなんだか悲しい笑顔……この人から悲しみを取り除きたい。)

トリーシャは顔を赤らめつつそう思いながら、その笑顔に堕ちた。

(な、なに、この胸のドキドキは!)

パティは、顔を真っ赤にしながらソッポを向いた。
手をまだ高鳴っている胸におきながら。

(タクトか…ちょっといいかもね)

(あぅ………)

エル、マリアともに撃沈。

(………(真っ赤)

シーラ、シェリルにいたってはは真っ赤になってうつむいている。

ついでにタクトはそんなこと全く気付いていない。せいぜい

(何だ、風邪か?)

ぐらいにしか思っていない。鈍感もここに極まり、かんじである。
そしていつの間にかタクトがジートショップに住み込みで働くことになり、時間はどんどん過ぎていき………。
「じゃ、俺はこの町に住むのに必要な書類を持ってくるわ」
「サンキュー、ウィル。」
「いいって、気にするな。」
タクトとウィルは短い時間の間で、すっかりうち解、親友となっていた。性格が似ているとうこともあった。
「これで貴方もこの町の住民よ。」
そして皆にパティが目配せすると全員でこう言った

『ようこそ、エンフィールドへ!!』

と…




あとがき
GGG:ども、始めまして。SS初投稿のGGGです。まあどうぞよろしくお願いします。あ、ちなみに主人公最強主義です。
タクト:おい、初心者の無茶無理無謀は事故の元だぞ。だいたい、先のこと考えてんのか?行き当たりばったりじゃねぇのか?
GGG:お、おや主人公のタクトくん。はっ、ははは、なかなかキツイ意見、ごっ、ごもっともで。
タクト:飽きっぽくてめんどくさがりのお前がSS何て書けるのか?ええっ?
GGG:うぅっ!ま、まあいいじゃないか、なるようにさ!
タクト:なんか他のSS作家さんのパクリっぽいしよぉ。妹にもそう言われただろ?
GGG:な、なぜそんなことまで!しょ、しょうがないだろう、どうせ私に文才なんて無いし、どうしても最初は似てくるんだよ!悪いかこのやろう!
タクト:うわっ、開き直りやがった、最悪だな。
GGG:くっ…じ、次回はオリキャラ登場予定です。それでは皆さん今日はこの辺で〜(汗
タクト:ちっ、逃げやがったか。
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