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剣鬼の少女 第一話


第一話 「〜彼女の名は…〜」

 その日、彼、自警団第三部隊隊員、カイン・ノクターンは部隊は違うが親しい同僚アルベルト・コーレインと共に見回りをしていた。
「おい、カイン。今日はルクス通りの方の見回りに行かないか?」
「ルクス通り…か。ジョートショップがあるとこだな。」
 ちなみにアルベルトはジョートショップの女主人アリサ・アスティアに惚れているのだ。(彼女の方は友人以上の感情は持ち合わせていないが…)
「(ぼそっ)いい加減にあきらめろよ…」
「何か言ったか?カイン君?」
「いや、な〜んにも…ん?あっちから来るのは…?」
 彼が見たのはよくトラブルに巻き込まれる(トラブルを起こす)10人と1匹の姿だった。
「お〜い!皆どうしたんだ〜!」
「アリサおばさまが行き倒れを見つけたって!」
とパティが答えてくれた。
「ぬぁにぃぃぃぃ!アリサさんを危険人物と二人きりにしてるだと〜!!」
 …馬鹿につける薬は無いのか?
「馬鹿なことを言ってる暇があったらお前も一緒に来な、アルベルト!」
 その馬鹿がエルにどやされる。
「で、どこにいるんだその行き倒れってのは?」
「誕生の森にいるっス!」

 〜誕生の森〜

 彼女、アリサ・アスティアは倒れている少女を介抱していた、少女は気絶していてアリサやテディではとても運ぶことができない、少女だけなら何とかなるかもしれないが少女が握っている少女の身長を超える大剣は重すぎて非力なアリサには持ち上げられないし、少女がその剣をしっかりと握っているためその剣を置いて少女だけを運ぶこともできない。
(でも、これだけしっかり握っているのだからとても大切な物でしょうね…)
だからアリサにはテディが誰かを呼んでくるまで少女を見てることしかできなかった。とそこへ、
「ご主人様〜!連れて来たっス〜!」
「アリサさぁぁぁぁん!!」
(この声はアルベルトさんね、良かったテディちゃんと力が強い人を呼んできてくれたのね。)
しかしテディ達が来る方向とは別の方向から来るものもいた。
それは…オーガ、どんな生き物でも自分のエサにしようとする凶暴なモンスターである、無論非力なアリサならばエサとしては申し分ない。
「!!アリサさん!」
 アルベルトが走る速度を上げる。だが間に合いそうも無い。
「クソッ!させるかっ!」
 リサがナイフを投げる、しかしそれより速くオーガが…

             吹き飛んだ

倒れていた少女が目を覚まし、信じられない速さで−オーガが反応する暇が無いほどの−オーガを剣の腹で叩き飛ばしたのだ。その太刀筋を見ることができたのは一流の傭兵であるリサ、そして超一流の戦士、リカルド・フォスターやカール・ノイマンを師とし自警団でもトップクラスの実力を持つアルベルトやカインのみだった。見れるとできるにはかなりの違いがあるが…
「大丈夫ですか?」
 少女が口を開いた。美声である。直前の行動が無ければこの少女がオーガを叩き飛ばしたとは信じがたいだろう、
「…なにもんだ、てめぇ?」
 真っ先に正気に戻ったアルベルトが質問する。
「…シューティングスター…?」
 リサが少女を凝視しながらつぶやく、いや、正確には少女の手にした大剣に視線は注がれてる。
少女が口を開く、
「すいません、質問を質問で返しますが。」
アルベルトが嫌そうな顔をする。当然かも知れないが。
「私は何者なんでしょう?」
 その場にどうしていいかわからない空気が流れる。
「えぇっと…」
カインが口を開く。
「まず場所を変えないか?さっきのオーガに仲間がいないとは限らないし。」

 〜ジョートショップ〜

少女は困っていた、なぜなら…
「本当に記憶が無いんですか?」「この間読んだ小説みたい…」「なーなー記憶が無いってどんな感じなんだ?」「魔法の知識も無いの?」「大丈夫ですか?(おどおど)」「ふみゃ〜きおくってなに〜」「そんなっ!名前も好みのタイプも覚えてないのかい?」「アレフ、そ〜ゆ〜こと言ってるとチョップするよ。でも旅して来た所の流行とか覚えてないの?」
と質問攻め(?)にされていた、ちなみに最後に発言したのは途中で合流したトリーシャ・フォスター、流行物を追い求めるミーハー少女でエルとシェリルの親友である。この娘に秘密が知られると3日で街中に秘密が知れ渡る(当然尾ひれがついて)と奥様方(?)に有名である。
「…結局私のことを知ってる人はいないんですね。」
 少女がなにやら悟ったような表情でため息をついた。
「アタシが知ってるよ。」
 皆の視線が発言者−リサ−に集まる。
「アンタの名前はサガ、サガ・シューティングスター。アタシと同じ傭兵。それ以上のことは知らないけどね。」
「サガ・シューティングスター!?あの『剣鬼』サガがこんな少女なのか?」
カインが信じられないという顔で叫ぶ。
「あの…『剣鬼』サガって何ですか?」
 シェリルが皆に先んじてリサに質問したさすが小説家志望。
「『剣鬼』サガってのはね、小さな国の軍隊位だったら一人で渡り合えるの実力の持ち主…って噂の女剣士まぁ話半分だろうけど、そんな話ができるくらいの力を持った傭兵だよ。リカルド並の強さはあると思うけどね」
「私がそんなすごい人なんですか?」
「多分…ね、その剣が何よりの証拠さ。」
「剣…これですか?」
 少女、いやサガがそばに置いていた大剣を持ち上げる…店の中で…あ、天井に刺さりかけた。記憶と共に常識も無くしたらしい。
「あ、あぁそんな馬鹿でかい剣をあそこまで遣える奴はそうそういても困るからね、それにその剣の模様、流星みたいだろ?だからシューティングスターって言うのさ。」
 サガが剣をまじまじと見て…
「私の素性はわかりましたけど、私、これからどうしたら?」
 再び皆が沈黙する。
「もし良かったら…」
今まで沈黙していたアリサが発言する。
「もし良かったらこの店で住み込みで働いてみる気は無いかしら。私一人じゃできることに限りがあるから、人手があって困ることはないし。」
「ア、アリサさん!?こんな怪しい輩をここに住まわせるんですか?人手が必要なら俺が手伝います!」
「自警団はどうすんだよ?」
「うっ!」
「アルベルトさん、私仕事柄人を見る目はある、と思いますの。この娘は悪い人には見えません。」
 アルベルトが悩みまくってるが放っておいて。
「い、いいんですか?私なんかが。」
「えぇ、さっきオーガを殺そうとすればできたのにしなかったでしょ?だから私はあなたを信用するわ、あなたは優しいんだって。」
 アルベルトが黙ったところでカインが口を開く。
「決まりだな。じゃあ俺は必要な書類を持ってくるぞ」
「カインさんありがとうございます。」
「いえ、気にしないでください。」
 と、カインがサガの方を向き、
「これでもうすぐ君もこの町の住民だよろしくたのむよ。」
 そして皆(アルベルトを除く)に目配せすると「せーの」といい、

      『ようこそ、エンフィールドへ!!』

この数日後エンフィールドに新たな住人サガ・シューティングスターが登録された。

あとがき
焔(以下H):はーい、本日から私の相方となるサガさんでーす!
サガ:えぇ?じゃあ毎回ここに出んの!?
H:本編ではこの娘、猫をかぶってます。口調が違うのはそのせいです。
サガ:うるさい!質問コーナーいくわよ。今回は私に対する質問ね。
H:う〜い。じゃあA・Cさんからの質問。「あなたはレズですか。」と「スリーサイズと好みのタイプを教えてください。」の二つ。
サガ:…筆跡が違うわね、この2枚…
H:いいから答えろ。
サガ:1枚目はNo!2枚目は(測定中)…のーこめんと。
H:身長175cm体重58kg上から…(ごすっ!)
サガ:黙れ、好みはとりあえず私より強い人。
H:行き遅れ確定…(ぐちゃっ!)
サガ:作者が急病のためここでおしまい!次回「エンフィールド〜マスクマンの恐怖〜」でお会いしましょう!さよーならー!…さてっと。
次の日路上にて某自警団員と某ナンパ師が血まみれで発見された…
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