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剣鬼の少女 第三話(後編)


剣鬼の少女 第三話 「冤罪〜ジョートショップ本格始動〜(後編)」

 ジョートショップに帰ろうとするサガ達にカインは声をかけた。

「すいません、アリサさんひとつお聞きしたいことがあるのですが。」

「はい、なんでしょうか?カインさん?」

「これからどうするつもりなんですか?10万ゴールドもの金額を返せるあてはあるんですか?それに借金の期限はいつまでなんですか?」

「お金は一年待ってくれるそうです。」

「そんな!一年なんて無茶よ!」

 サガが悲鳴に近い声を上げる。

「大丈夫。それですけど、さっきお役所の人に聞いてきたんですけど…一年以内に住民の大多数の支持を集めると審議のやり直しを請求できるそうですね。」

「再審請求ですか!?たしかにありますが…」

「それで無罪になれば保釈金が返還されるそうですし…」

「さすがご主人様頭いいッス!」

「ですが、もし支持を集められなかったら!いえ、集められたとしても無実と証明されるとは限らないんですよ!」

「ど、どーするんッスか、ご主人様!」

「あら?カインさんはサガがこんなことする子だと思ってるんですか?」

「しかし…!」

  むにゅっ!

 サガがカインの頬をひぱった。

「しゃが?」

「ぐだぐだいわない!もう済んでしまったことなんだから!大切なのはこれからどうするか!…よ!」

「具体的にはどうするんだ?」

「新しい店員でも雇って街の問題をいろいろ解決して支持を得る…かな?」

「まぁ妥当なとこだが、誰を?」

「少なくとも一人は心当たりあるかな。」

「誰?」

「カイン。」

「あ!いいアイディアっス!カインさんだったら安心っス!」

「あのなぁ…俺は自警団員だぞ?」

「いいじゃん、これを機会に自警団なんてぱ〜っとやめちゃえ!」

「いい加減にしろ!まぁいい、俺も自警団に長期休暇を認められたから手伝ってやる。」

「え、いいの!?ありがとっ!」

「じゃあ、頼りになる人も協力してくれるそうだから、いったんお店に帰りましょうか。」

「ういっス帰るっス〜!」


  〜ジョートショップ〜

 ジョートショップに帰ったサガ達を出迎えたのはアレフ、クリス、ピート、シェリル、シーラ、マリア、パティ、エル、メロディ、リサ、トリーシャといった親しい友人たちだった。

「アレ、皆?どうしたの?」

「皆キミの事を心配してアリサさんに聞きに来たんだよ、サガ。」

 と、アレフがさりげなくサガの肩に手を回す。

「そうなんだ…ありがと、皆。」

 肩に置かれた手を気にした様子も無くサガが礼を言う。

「でもどうしたの?さっきサガちゃんが捕まったってアレフクンから聞いたんだけど?」

 シーラがサガに訊ねる。

「それなんだけど…かくかくしかじかで皆に手伝ってもらいたいの。もちろん時間があるときでかまわないし、お給料も出すわ。」

 無論皆から返ってきた答えは了解を示すものだっただった。(何人か勘違いしているのもいたが…)

「で、悪いんだけどこれを見て。」

 とサガは依頼書をとりあえずすぐ近くにいたアレフに見せた。

「ん〜と、なになに?モンスター退治、護衛、闘技場の闘士、警備…荒事ばかりだな…でこっちがモデル?『なおこの依頼はサガさんを指定します』…これと同じのが5枚…」

「この間の闘技場の一件依頼こんな感じの依頼ばっかで皆がどれだけ動けるかみせてもらっていい?というか見せて、とりあえず街中じゃなんだから街の外でって事で。」

 ほんの少し温度が下がった気がする店内でサガの言葉が響いた。


  〜街道沿い〜

「じゃあ各人この練習用ダミーに向かってそれぞれが得意としている攻撃をして。」

 とマーシャル武器店おすすめの軽くてやたら丈夫、さらにバランスがとれていて生半可な攻撃じゃあ吹き飛ばない傑作訓練用マジックアイテム『もくじんくん』(1個200ゴールド、マーシャルから借りた。)をサガが指差す。

「あの…サガちゃん、私とかパティちゃんやメロディちゃんはそういうの出来ないと思うんだけど…。」

「うーん、シーラはともかくパティとメロディはエルとリサに指導してもらった方がいいかな?」

「え?私はともかくって…」

 サガはカラカラと笑って、

「またまたぁ、この前絡んできた酔っ払い一撃でのしたじゃない。あれはちゃんと訓練された動きだったわよ〜。」

「あ、あれはその〜ゴニョゴニョ…」

 シーラが真っ赤になってもごもごと何か言う。

「へ〜そうだったんだ、人は見かけによらないねぇ、見せて欲しいもんだ。」

 とエルがちゃかす。一方アレフやパティは昔のこと(ドラマCD)を思い出していた…。

「ほーら、シーラ諦めて練習したら〜」

「うぅ…わかりました〜」

 諦めたシーラがダミーに攻撃を仕掛けた…

  ドスッドスッ!ガスッ!!…ズシャァァ!!

 シーラの攻撃によってダミーは吹き飛んでいった…生半可な攻撃では吹き飛ばないダミーが、である。
 皆呆然としている。サガもここまでやれるとは思っていなかった。

「うぅ…恥ずかしい…」

 シーラは照れてる中他の者達は同じ事を考えていた。

(シーラを怒らすのはやめよう…)


  〜1時間後〜

 訓練は順調に進みサガも皆がどれだけ出来るか理解しそれなりに満足していた。

(皆いい感じね後はチームワークだけかな?)

「なぁなぁ、サガ!」

「なに?ピート?」

「さっきから見てばっかしだけどよサガもなんかやってくれよ〜!」

「そうだね、マスクマンを倒したサガの実力にも興味があるからね。」

 皆が口々に乗ってきて最後には。

『やーれやーれ!』

 の大合唱になった。ノリのいい奴らだ。

「しょうがないなぁ。」

 渋々といった感じでサガがダミーに向かって刃も無いし先端も丸い訓練用の剣を構える突きの体制だ。

  −サガの感じている世界が変わる−

 マスクマンとの闘いで遣った神速の動き、サガはこれに『飛竜』と名前を付けた。それにより一気に間合いをつめ…
 次の技−こちらもマスクマンとの闘いで遣った全体重を一点に集中させる技、こちらは『荒竜』と付けた−で一気に突き刺した!
 突きにおける破壊力というものはスピード×鋭さ×力だと私は思っている。つまりこの場合は常識はずれなスピードと先が少々丸いものの全体重が一点にかかった先端、オーガを吹き飛ばすほどの力。この三つの組み合わせの破壊力は桁違いである。
 結果どうなったかというと、全力疾走する馬車のまえに投げてもヒビ一つ入らないほど頑丈なはずのダミーを訓練用の剣で貫通させるという非常識な光景が出来ていた。

 誰も声を上げられないシンと静まり返っている。

 とそこに…!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

という絹を引き裂くような女性の悲鳴と、

「おたすけぇぇぇぇぇぇ!!」

という雑巾を引き裂くような野太いおっさんの悲鳴(笑)が響いた。

「むっ!これは青い髪に茶色の目少々きつそうだが良家のお嬢様といった感じの美少女の悲鳴!!」

 男は無視かアレフ(笑)。

「美少女が俺の助けを待っている!行くぞ皆!!」

 と皆で声のしたほうに走っていく。しかし襲撃者の方も運が無い、近くにこんな強い奴らが来ているのだから。
 

 走っていった先には腰を抜かした中年の男性とアレフが叫んだ通りの美少女がゴブリンの群れに襲われていた、少女も懸命に戦っていたが数も多い上に武器らしい武器も無い状況では時間の問題だろう。

 といった所にサガ達が間に合った。サガが一番速く着いた、他のメンバーは置いてけぼりだ。

(アレフが言ったのと同じねぇ凄いかも。…じゃなくて!助けないと!)

 サガがゴブリンの群れに殴りかかった(剣はダミーに刺さったまま)十数秒後、ゴブリンの群れは逃げ去った。敵うワケないってモンだ。

「大丈夫ですか?」

 サガが訊ねた瞬間少女の体が崩れる緊張の糸が切れたのだろう。サガが少女を支えるが少女の意識は闇に沈んでいった。最後に、

(殿方に抱き抱えられるなんてなんてはしたないことを…)

 などと凄い勘違いをしながら少女は気絶した(笑)。


                               つづく

 あとがき

焔(以下H):はい前回から少々時間がたちましたが『剣鬼の少女』第三話後編おとどけいたしました。
サガ:…(ずーん)
H:どうした?
サガ:こんな美少女捕まえて殿方…
H:自分で言うか?でもお前背高いし、胸だって無い…(ざしゅ!)
サガ:やかましい、今回のゲストはシーラ・シェフィールドさんです!
シーラ(以下S):あの…サガちゃん大丈夫なのあの人?
サガ:大丈夫。すぐ復活するから。
S:そ、そうなの?
H:あ〜死ぬかと思った。
S:きゃぁぁぁぁ!!(どがしゃぁ!)
H:ぐぇぇぇぇぇぇ。
サガ:じゃ、質問行くわね。『ゲームと違うところがあれば教えてください。』だって。
S:ドラマCDを基にしているからなんか強くなってる、らしいけどどういう意味かしら?
サガ:さぁ?そこに転がってるのなら知ってるかもしれないけど…
S:ドラマCDってことはギャグ?
サガ:それ風味ってことね。
S:そういえば最後に出てきた人ってやっぱりあの人?
サガ:これ読んでる人でわかんない人はいないでしょうね。
S:えーと次回「煩悩と女装」でお会い…できるのかしら?
サガ:それ以前にタイトル気にしなさい…あれね。
S:これとアレフ君のイベントのためにサガちゃんが作られたらしいし。
サガ:ムカッ!『飛竜』『荒竜』突き〜!
H:ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!
S&サガ:ではまたお会いしましょう!

もごもごと再生する焔をおいたままさくら亭に行く二人。

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