後悔と決意・プロローグ
ここ最近、エンフィールドは平和だった。毎日起こっているように感じる(実際、起こっているのだが。)爆発音もなりを潜め、事件と呼ばれるほどの事件もおきなかった。
・・・しかし、今、エンフィールドと外界をつなぐ〈祈りと灯火の門〉に立っている女性は、少なからず、この街にトラブルを呼ぶだろう。それを、例え本人が望まずとも。
「エン・・・フィールド・・・か。確かに名前は一緒だけど・・・ねえ、本当にここでいいの?」
その女性・・・腰まである紅い髪に、どこか気持ちを落ち着かせる空色の瞳を持ったその女性は、門に彫ってある文字を読みながら誰にともなく投げかけた。
(ああ・・・少し変わってはいるが、この景色は見た事がある。間違いなくここは俺の知っているエンフィールドだ。)
すると、その答えは、体の外側からではなく、頭の中に直接響いてきた。
「ふうん・・・まあ、言われてみれば少し見覚えがある気がするけど・・・なんだろ・・・なんか実感がないな・・・」
(まあ仕方あるまい?おまえ自身がここに居たわけではないのだから。)
「・・・そうね。ここに居たのは私じゃなくて、あ「あの・・・どうかしましたか?」から、・・・って、ええ!?」
突然声をかけられて驚き振り向くと、そこには槍をもった、門番らしき人がいた。
「どうかしましたか?先ほどからぼうっとしてましたが・・・」
「え・・あ・・その・・・そうです。その・・・この街に来たのが初めてなもので、宿屋とかはどこにあるのかなあって・・・」
「?ああ・・・なるほど。それならいま、この街の地図を持ってきます。ちょっと待っていて下さい。」
そう言うと、門番の人は詰め所の方に歩いていってしまった。
(ああびっくりした。いきなり話しかけるんだもんなあ。)
(気付かなかったお前が悪い。)
(うっ・・・ま、まあ、こんなとこに長い事立ってて、独り言ぶつぶつ言ってるんだもん、そりゃあ怪しいよね・・・)
(まあしかし、おかげで地図が手に入ったな。あれだ、災い転じて、福となす。ってやつだ。)
(なんか違うような・・・。でも、それ以前にあなたに地図は必要ないでしょ?)
(そうでもない。いったろう。少し変わった、と。それに、俺が覚えているのは4年も前のことだから、地図があるのはありがたいぞ?)
(・・・そうね。)
そんな会話(?)を頭のなかでしていると、さっきの門番の人が、こちらに向かってきていた。
「どうぞ。こちらがこの街の地図です。赤い丸が食堂兼宿屋の〈さくら亭〉で、青い丸が、食堂の〈ラ・ルナ〉です。この街に滞在するのでしたら、さくら亭の方に向かって下さい。」
「わざわざすいません。ありがとうございます。」
そう礼を言って、門に背を向けて歩き出す。
(さくら亭って、たしか・・・パティ・・・だっけ、の家だったよね?)
(ああ、間違いないと思う。・・・なあ、あいつらは・・・俺を恨んでるかな・・・)
(さあね?ただ、少なくともあの子は・・・あなたの妹は怒ってるんじゃない?)
(ああもう!冗談よ!冗談!!大丈夫、もし怒ってても、きっと許してくれるわよ。)
(そう・・・だろうか?・・・それでもやはり、まだ俺の事は黙っていてくれ。)
(はあ・・・わかったわ。さてそれじゃ、いきましょうか?ホウマ。)
(ああ・・・そうだな・・・楓・・・。)
そうして、楓と呼ばれた女性とホウマと呼ばれた声はさくら亭に向かい始めた。
楓は妙な違和感を・・・
ホウマは、後悔と、不安と、そして期待を胸に秘めながら・・・。
作者の後書き。
まず、一番最初に言わせてください。・・・・・ごめんなさい!!(涙)
自分で読んでいて、(おいおい、なんか文がおかしいだろ?)とか、(会話多いな!?おい!!)とか、思いましたからぁ!!
鳳にとっては、これが処女作なので、もっとうまくかきたかったのですが・・・今はこれが限界です。次からもっと精進しますぅ。(泣)
追伸
次の話をもっと良くするためにも皆さんの感想がものすごく欲しいです。
メール、掲示板、どちらでもよろしいので感想ください。お怒りのお言葉でもいいです。(泣)
以上、作者の鳳でした。