遠くに町が見える・・・・・・なかなか良い町だな・・・外からでもわかる
あの町には・・・・俺を理解してくれる者がいるのだろうか。
とにかく・・・・行ってみるか。
・
「きゃああああああっ」
っ悲鳴か・・・・・俺には,関係のないことだ
誰が死のうが・・・俺には、そう関係のないことだ・・・・なのに何故・・・
こんなにイラつくんだ。
複雑な心境のまま、おれは走り出すのだった
10分前・・・・・
黒い髪の少女が何かを取っているようだ・・・どうやら薬草らしい
その理由は、少女の近くに置いてある籠の中に草の束があるからだ。
普通そんなに使うのは・・・ハーブなどの薬草くらいであるからだ。
「ふう・・・こんなものかしら・・・早く、アリサおばさまに届けないと」
少女は、額についた汗をぬぐい、その場から立ち上がった。
「シ―――――――ラさー―――――――ん」
シーラと呼ばれた少女は
「テディ君・・・どうしたの?」
テディと呼ばれた・・・い(失礼ッス・・僕は魔道生物ッス)・・・失礼・・ゴホン
テディと呼ばれた魔道生物はこう返した
「早くするッス・・・みんな待ってるッス」
「ええ・・御免なさい、心配かけたでしょう」
などと話していた時
ガサ・・ガサガサ・・・
音をしたほうを見ると・・・ガサーーーーー
「GUWOOOOOO」
ピンク色の鬼・・・通称オーガと呼ばれる魔物がいた
「きゃああああああっ」
オーガは・・・・久しぶりの獲物らしく、相手を威嚇している
そして一歩、一歩、近付く
「GWOOOOO」
シーラの前まで行き、その豪腕を振り上げた
(パパ,ママ・・・助けて!!)
「シーラさん・・・逃げてッス!!」
シーラは後から来る衝撃に対し目をつぶった
・
衝撃がいくら待ってもこないので、おそるおそる目を開けてみると
「えっ」
シーラが見たものは・・オーガの豪腕を人差し指1本で止めている青年の姿だった
もっともシーラが驚いたのは・・・青年の容姿である・・・
銀の髪が腰まであるロングヘアー・・・・全てを見透かすような薄い緑の瞳
整っていて、10人中10人が美形と思える顔、黒の長ズボンと白のシャツ、そして
真っ赤な・・・まるで血に染まったような赤いコートそして刀と呼ばれる剣を背負っている。
そんな青年が、自分を助けたのだ・・・・驚くのは当然だろう。
「さがってろ」
青年はそういった・・・そうこの者こそ、紫水 想也なのである
(想也視点)
人を助けるなんて・・・・あいつらのせいか・・・・
さて・・・やるか
オーガの抑えてるほうの腕を蹴り上げる
すると腕は・・・・もげて空中に舞った・・・・次の瞬間に掌打を叩き込む。
掌打はオーガの腹に突き刺さる・・・肉が裂ける音と骨が砕ける音が響く
・・・また、殺してしまったな・・・・俺は許されざるものだと新たに認識したのであった。