中央改札 交響曲 感想 説明

「序」
氷室こおり[HP]


少年は一人、月明かりに照らされながら歩く

その者、輝ける者、明けの明星と詠われし者
自ら神の座を手にいれんと天の3分の1の軍勢を率い戦う

崩れたコンクリートの欠片が散らばった
ひび割れたアスファルトの路を少年は歩く

「なぁ、守護天使」
少年は立ち止まり何時も傍らに控え、彼を見守る翼ある者に話し掛ける。
「どうして彼・・・ルシフェルは神に逆らったりしたんだろう?」
「さぁ?何故でしょうね?」
輝く霊(アストラル)光に包まれた翼を軽く振って答える。

しかし、神に敵うはずも無く、いと高き天から彼と彼に従った者は堕ちていった。
暗き地の底に封じられて彼は竜、蛇、神に敵対する者として蔑み、恐れられる。

「・・・それなら何故、聖夜(せいや)は背くのですか?」
「護りたいから、聖梨花を・・・大切な人を」
七つのラッパが鳴り響いたあの時から会っていない少女の面影が浮かぶ
「そう、ですか・・・ならば彼もそうだったのでしょう」
「彼?・・・ルシフェルか?」
「そんな所です」

少年は朝日を正面に据え、明けの明星を従えて歩く
何時か彼女に・・・聖梨花に会えると信じて

Fin
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