中央改札 交響曲 感想 説明

エンフィールド幻想譚 来訪再び
正行


エンフィールド幻想譚
来訪再び





ぱたぱた。
「えっとぉ・・・ここどこだろ」
金髪金目の少年と思われる子があたりをきょろきょろと見渡す。少年は子供特有の可愛
らしい雰囲気があった。
セリフから考えるとどうも迷子っぽい。
通行人ももの珍しそうに少年を見ている。
「うんとうんと・・・こういうときは、まわりのひとにみちをたずねるべし・・・」
ぱた・・・・ぱた・・・・
なにやら手元にある本を読み上げている。題名は『子供の一人歩きのための心得』とあ
る。
うんうんと頷いて、少年はさっそく行動に移すことにした。
そしてこの時少年の運命が決定された。
「えとえと・・・・あの〜、すいません」
「はい〜?なんでしょう〜」
少年が近くの教会にいた女性に尋ねると、女性は振り返ってやけに間延びした声で返事を
した。
「え〜と、・・・まいごになったら、じょーとしょっぷへのみちのりをたずねるんだぞ、
 ミウ・・・・」
なにやら反芻しているご様子。
「あ〜、なるほど〜。ジョートショップへ行きたいんですねぇ」
「ええ!?ど、どうしてボクが今、聞こうとしてた事が分かったんですか!?」
ぱたぱたぱたっ。
激しく狼狽している。
果たしてこの光景を見ていた周りの人の内、何人が「かわいい」と思ったことやら。
「ちょうど私もジョートショップに行くところだったんですよ〜。ミウさんも一緒に
 行きませんか?」
「ボクの名前まで!?もしかしてエスパーさんですか!?」
「あ〜、そうそう私はセリーヌと申します〜。エスパーさんじゃないですよ〜」
「うー、でも・・・よいこのちゅうい。しらないひとにあめとかもらってもついていっ
 ちゃあぶないよ・・・ってあるんですよ〜」
「はあ〜、そうなんですか〜。それでは改めまして、私セリーヌ・ホワイトスノウと申す
 者です。そこの教会の孤児院で働いています」
「あ、ボクはミウっていいます。え〜と、一応神さまに入ってます」
にっこりと笑って深々とおじぎをする。
「あら〜そうだったんですか〜。ミウさんは神さまだったんですか〜。
 でもこれでお互い知らない人じゃあなくなりましたね〜」
「え?・・・あ〜そういえばそうなりますね」
ぱたぱた。
目から鱗のミウくん。ついつい納得してしまいました。
「じゃあ、一緒に行きましょうね」
「はーい。ありがとうございます」
元気な返事だ。
『それでいいのか!?』
周りの人達のつっこみが心の中で見事一致したのだが、当然それが届くことはなかった。


少年の名前はミウ。
hiroさんの『人の領分と神の領分』で出てきた、一対の翼を持つ少年。
目的はジョートショップのルシアに会う事だ。
女性の名前はセリーヌ・ホワイトスノウ。
ある特殊な特技だか才能だかを持っている女性。
目的はジョートショップへケーキを持ってお皿を返しに行く事だ。

かくして少年と女性の長い永い放浪の旅が幕を開けようとしていた・・・・





―――ちょっと時間が経過。

ガサガサガサ・・・・
「あの〜」
いきなり何の脈絡もなく道無き密林の中を二人は進んでいた。
「こっちが近道なんですよ」
振り返らずに蒸し暑い中先頭を進んでいるセリーヌは有無を言わさない調子で説明した。
「いえ、そうじゃなくって・・・」
違うんかっ!
ミウくんは別に今の密林という状況について言うつもりじゃあなかったらしい。
もちろんエンフィールドはおろかその近辺に密林などというものは一切存在しない。
じゃあここはどこか、と聞かれると・・・・
「ここは私の秘密の近道です。決して迷ってるんじゃないんですよ」
・・・だそうな。
「?いえ、それでもなくって・・・・」
「ああ、いえいえ〜今のはこっちのことですよ」
「はあ〜・・・えっと、それでですね」
「はい?」
さっきからミウくんは何を言おうとしていたのか。
「前でおっきな蛇さんが口を大きく開けてるんですけど〜」
前を向けばおっきな蛇が虫歯の無いことを自慢してるみたいに口をあんぐりとしていた。
付け加えるなら人間一人軽々と丸呑みできるくらいおっきい。
「きゃあ〜!」
どこか危機感のない悲鳴をあげながら伝説の右フックが一閃した。
バキッ!!
セリーヌのパンチは一匹の蛇を星へと変えた。そして世界に新しい星が生まれたそうな。
いや、嘘ですよ。



―――更に時間が経過。

今度は流氷の上に二人の姿があった。
「わ〜、どこに行くんでしょうね。なんだかわくわくします」
ぱたぱた。
ミウくんが見渡す限り流氷と水平線の中、はしゃいでいた。
「ええ。そうですね〜。どこに流れ着くんでしょうねぇ」
マテ!流れ着くってなんだ!?近道じゃなかったのか?
いや、近道って言葉を信じてるわけじゃあないが・・・・
ホッキョクグマが大儀そうに側で寝そべっている中、二人は着々と漂流しているっぽい。



―――もっと時間が経過。

ビュオオオオオオオーーーーーー・・・・
猛烈な吹雪の中、二人は頂上の見えない山を登って雪中行軍していた。
「うう・・・さむいですね」
「ええ〜。でも一面真っ白できれいですよ〜」
寒いのは当たり前。出かける時の服装は間違いなくこんな場所に適しているとはいい難
い。
しかも一面真っ白って・・・遭難してないか?
「でも変ですね〜。前に通った時はこんな所には出なかったんですけど〜」
セリーヌが不思議そうに首を捻っている。いや、今更不思議そうにされてもねぇ。
「そうだっ」
何やら思いついたのか、ポンと手をたたく。
そして次の瞬間、ミウくんからとってもつよ〜い力が放出された。
火山の怒りなど相手にならないほどの力の放出。
それは地面の雪を空高く舞い上げ、吹雪いていた雲を散り散りにしてしまいました。
さっきの猛吹雪が嘘のように清清しい空が広がり、視界がすっきりと開けてます。
「わ〜〜!すごいすごい!!セリーヌさん、すごいですよ」
さっき吹き飛ばした粉雪が空から降ってきて、それが太陽で輝きとても綺麗でした。
しかも目の前には一面銀世界。そこは誰も踏み入ってない未開の地。
というわけで、
「♪」
ぱたぱたっ。
ミウくんははしゃぎながら雪の上に自分の足跡をつけたりしてご満悦のようでした。



―――またまた時間が経過。

「わ〜〜〜〜♪」
「涼しいですね〜」
ザザザザーーーーーーー!!
二人はイカダに乗って川を下っていた。
ちなみにこの川はムーンリバーでもなく、ローズレイクにもつながってはいない。
まったく別の川だ。しかも流れは急でゴウゴウいってる。
そう、これは急流すべりだ。
それに気付いているのかいないのか、二人は楽しそうにイカダを操っていた。
実に巧みに川を進んでいる。この川結構岩とかが顔を出しているのに、うまくかわして
いる。
やがて二人と同じようにイカダに乗っている屈強そうな男性を前に捉えた。
「なっ!?何故女と子供がここにっ!?」
その男性もこちらに気付いたようだ。
「ここの急流すべりは今まで何百もの猛者達が挑戦しつつも誰も制覇し得なかったとい
 う伝説の川なんだぞ!君達には危険だ!」
説明ありがとうございます。この人は急流すべりのプロらしい。
「くっ、もう最後の難関か・・・君達は今すぐイカダを岸辺へ・・・!!」
その言葉通り前にはかなりの数の大岩が水面から顔を出して川の道筋を邪魔していた。
そして二人はこの川最大で最後の難関へ挑戦する!
次々と岩を避けながら二つのイカダは難関を破っていた。
だが―――
「ぐわぁっ!!」
前方の男のイカダが最後の最後で岩を避けられず、ぶつかってバラバラになっていた。
「く・・・くぅ。幾多の挑戦者も力尽きたという場所に俺も膝をおるのか・・・・」
男は無事だったようで別の岩にしがみついて川に流されないようにしていた。
「い、いかん!今まで誰もここを乗り越える事はできなかったんだ!そしてこれからも
 ここは誰にも乗り越えることはできないんだ・・・偶然君達はここまで無事にこれた
 ようだがこれ以上は無理だ・・・・早くイカダから・・・」
そして、数多の猛者達を沈めてきたこの急流すべり最後の難関へと二人がさしかかった
その時。
「え〜い」
ミウくんが大きくジャンプしてイカダの後ろの部分に力を乗せて着地すると、着地した
部分が川の中に沈んだ。
「な、なんだとっ!!!」
そして浮き上がったイカダの前の部分が岩の上にぶつかり―――
(ば・・・・バカな・・・)
そのままイカダは岩を滑り、壊れることなく空中へと悠然と舞った。
そして男は見届けたのだ。一つの事実を。
「は・・・ハハハハハ!すげえ、すげえぜ!!!」

今、この瞬間二人はこの急流すべりの伝説となったのだ・・・



―――溜息を吐くほど時間が経過。

「え〜と、こっちでしたね」
今二人はとある家の中をさ迷っている。
「失礼ですねぇ。迷ってませんよ、近道なんです」
「あれ、セリーヌじゃない。何してんのこんなトコで〜」
マリアちゃんです。どうやらこの家はショート家だったみたいですね。
ということはエンフィールドに戻ってきたってことになりますねぇ。
・・・・・その前に不法侵入じゃねえかっ!
「ああ、マリアさん。いえ、今ジョートショップにお皿を返しに行く途中なんですよ〜」
「へえ〜、じゃあマリアが二人共魔法で送ったげるね☆」
言ったそばから呪文を唱え始めてます。
ぽん。
なんと二人の姿が消えてしまいました。
「やったぁ〜マリア大成功☆」
もちろん、んなわきゃありません。

「これはいい眺めですね」
「わ〜こんなトコ初めてです」
ぱたぱた。
二人はマンモスカンガルーという、未だ誰も踏み入ったことのない未開の奥地に生息
するという伝説のカンガルーのもうすぐそばにいた。
なんとこの有袋類は全長10m前後。そのお腹からそのカンガルーの子供が何匹か顔を
出している。なんだかツバメとか鳥の巣にいるひなを思い浮かべてしまう。
二人はその中にまぎれこんで、ちょこんと顔を袋から出してました。
突然同じ袋の中に現れた二人にカンガルーの子供達は、
「誰だコイツ?」
って顔して、でっかい汗を貼り付けて二人を見てました。



―――もう嫌になる程時間が経過。

「あら〜、困りましたね。ちょっと迷ったみたいです」
・・・もう何も言うまい。
「ふわぁ〜、何も見えません〜」
ぱたぱた。
「ミウさん〜、しっかりついてきてくださいねぇ」
二人は1m先も見えない濃霧の中を進んでいた。
「ああ、翼が濡れちゃうなぁ」
ちょっと困ったような表情だ。
「あぁ、そうです」
ぱた?
「ミウさん、先に言っておきますけれど〜」
ぱたぱた。
「もうすぐ〜」
ぱた・・・
「結構深い裂け目がありますから〜」
ぱたーーーーーー・・・・・・
「うひゃあ〜〜〜〜〜〜・・・・」
お約束というか、やっぱり間に合わなかったようだ。ミウくんの体は真っ黒い口の中に
消えてしまいました。
「あれ〜?ミウさん〜」
突然いなくなったミウくんを探してキョロキョロ。しかしこの濃霧の中ほぼ視界は0に
近い。
「ああ〜、びっくりしたな〜」
ぱたぱた。
でもその必要はなかったようで、すぐに現れました。



―――これでもかってぐらい時間が経過。

「うわ〜、お花畑ですね」
「ええ、綺麗ですね〜。ああ、ミウさん。また先に言っておきますけど、川には近づか
 ないでくださいね」
「は〜い。でもあっちで誰か手招きしてますけど?」
ぱたぱた・・・?
「それでもダメですよ〜。渡ったら二度と戻れなくなりますから」
マテマテマテ!もしかして二人がいる所ってもしや、さん・・・・
「あら〜?あそこにいるのは久さんじゃないですか〜」
確かに。一応川の手前だが、なにやら体育座りでぼんやりと向こう岸を眺めている。
「おひ!?な、何でセリーヌがここに・・・?」
「ええ〜。実はこれからジョートショップに用事がありまして〜近道してるんです」
・・・まだ近道と言うか。
「ん?ミウも一緒か」
「え〜と。こんにちわ、久さん!」
ぺこりと元気よくお辞儀をする。
「ああ。・・・しかしこっちとあっちのSSじゃあ俺の設定に違いがあるんだが、大丈
 夫なのか?」
「確か〜、あっちの設定だと久さんはジョートショップに住んでいて、こっちだと御兄弟
 と料理店を開いてるんでしたよね〜」
「ああ。まあ『人と神』でミウがジョートショップにお世話になった時、遊びに来たか
 なんかで俺と会っていたことにしておこう、ってこの作者が言ってるぞ」
いい加減にヤバイ話はやめてくれ。お願い。
「ところで久さんはなんでこんな所にいるんですか〜?」
別の意味でヤバイ話に戻ったな。
「う・・・・・いや、それが」
「あ〜、こんな所にいたのね」
「げぇ!?」
なんと久の視線の先には彼のお姉さんである悠さんがいた。
「まったく、こんなトコで油売って。さあ早く現実に戻りましょうね〜。まだ実験が
 残ってるんだから」
「・・・・・・・・・・・・・」
あっさり久は嬉々とした悠お姉さんにズルズルと引きずられていきました。
もはやここすらも久にとって安息の地ではなかった。というかここがダメならもう安住
の地はないのでは?一応最後の手段としてアッチの世界というイッちゃった人専用の世
界があるのだが。あまり、いや激しくおすすめできない。
「最近の人間さんってこんな所まで自由に行き来できるようになったんですね〜」
ミウくんが何やら深く感動している。
・・・いずれ悠お姉さんや一部の変態(キワモノ)ならイッちゃった世界にも土足で上
がりこんできそうな気がするのは気のせいだろうか?
「あ〜、今度は雅信さんだ!」
ミウくんが指差した先には渋面の雅信・ノウスがいた。
「・・・・・ミウか!?セリーヌも!!」
「は〜い。こんにちわ、雅信さん」
あくまでのんびりと挨拶するセリーヌ。
「セリーヌ・・・ここがどこだか知ってるのか?」
ちょっと引きつってるねぇ。
「そうかぁ、セリーヌの迷子はとうとうここまでいったのか」
「雅信さん、どこ見てるんですか?」
ミウくんが尋ねても雅信は遠くを見るばかり。つってもここにはお花畑と川しかないが。
雅信はセリーヌを見て、大体の状況を察したようだ。
「もう俺の手の届かないはるか高みへ行ってしまったんだな・・・・・」
「なんだか失礼な事言ってませんかぁ?」
「ここにまた一人、人間の領域をぶっ飛んだ人間が、か」
「ところで雅信さんはなんでここにいるんですか?」
ぱた?
「いい質問だな、ミウ。・・・・アメと総司にやられた」
「何をやられたんですか?」
「今、実験台として色々データやらを採られてるだろうな。もっとも俺の体で一般的な
 データがとれるかは怪しいところだが」
これに関して思い当たる要因は二つ。
それとアメこと天津彦根は時々突発の思いつきで俺をその実験台にする時があるのだ。
しかしお前らこんな所で談笑するなよ。
「二人はどうしたんだ?」
「えとえと、ボクはルシアさんと遊ぼうとジョートショップへ行く途中なんです」
「ええ。そこで私に道を尋ねられたので、一緒に行きましょう、となったんです。
 私もジョートショップに用事がありましたので」
人選ミス。
雅信の頭でそんな言葉が虚しく反響する。
「そうか、二人はジョートショップに向かってるのか。なら俺も後でジョートショップ
 に行くか」
「はい!今日は一緒に遊びましょうね!」
ぱたぱた。
「ああ、そうだな・・・・」
しかしそれにはまず総司とアメの手という高い高い壁を越えなくてはならない。
はたして俺は脱出できるのだろうか。あの要塞(クレイジーラボ)から。
そんな悲愴な現実を胸にしまいこむ。
「さて、いつまでもここにいてもしょうがない。そろそろ俺は戻らねばな」
「あ、は〜い。じゃあまた後で会いましょうねぇ!」
眩しいほどの笑顔。
ぽん、ミウの頭に手を置いて優しくなでてから雅信は地獄の現実へと何処ともなく
去っていった。
「さあ〜私達も先に進みましょう」
これ以上あんたらはどこに行くつもりだ。



―――もう帰りたいってぐらい時間が経過。

またまた山に登っている。
「地元の人に聞いたんですけど〜、この山は何でも仙人様が住んでらっしゃるそうなん
 ですよ。一度会ってみたいですね〜、ミウさん」
しかし仙人には会えずとも神さまには会っているという事に気付いてるのか?
いや、それどころかエンフィールドに住んでて運がよければ天使や神さま、死神、変態、
化け物、不老不死など普通の人間が一生かけても滅多に見ることのできない存在と出会
えるのだ。命の保証はしないが。
「あ、すごい滝ですね」
これは瀑布という。
「あら〜?人がいますね〜。何してるんでしょうかぁ」
セリーヌさんが瀑布の前で佇んでいる男性を見つけた。
「どうしたんですか?」
「ん?いや、この瀑布を素手で逆流させろと老師が・・・」
「? こうですか?」
ミウくんが無造作に右手一本でアッパーを放つ。
すると瀑布は一瞬で吹っ飛んだ。これでもまだ全力には程遠い。
「な・・・・・」
(ろ・・・○山昇龍波)
彼には確かに瀑布を吹き飛ばす昇龍が見えたことだろう。
「それでは私達はこれで失礼しますね〜」
セリーヌさんがぺこりと一礼して二人は去っていった。
つーか聖闘○星矢か?





そんなこんなでやっと、やっと二人はジョートショップまで辿り着きました。
「こんにちわぁ!ルシアさぁん!!」
ぱたぱた。
「ミウか。なんだ、遊びに来たのか?」
「はい!」
そしてジョートショップの中に入って時計を見ると・・・・・
「やっぱり近道でしたよ」
確かにセリーヌの言う通り、近道だった。
なにしろ出かけて10分しか経ってないのだから。普通に歩いていったら教会からここ
まで20分はかかるだろう。
しかし、素直に納得できないのは何故?
恐るべし!セリーヌ・ホワイトスノウ。
「そうそうこの間は御馳走をありがとうございました。それとこれ、私達で作りました
 のでぜひいただいてください」
そう言ってケーキや皿を出しました。ちゃんと両方とも無事です。
あんだけふざけた目にあったのにケーキはまったく形が崩れてません。
魔法を使用した形跡もありません。これぞ真の『魔法』なのかも。
「ああ、これはちゃんとコツがあるんですよ」
「セリーヌ、狸の置物に向かって何を話してるんだ?」
形のいい眉をひそめてルシアさん。
まあそれはともかく、せっかくというわけで今いる皆でケーキを食べることになった。
そして後からどこか精神的にボロボロになってやって来た雅信を加え、この店に来る
までに体験した数々の話をミウくんが身振り手振りを交えて話してくれた。
ただ、三途の川辺りの話になるとルシアが呆れた様子だったが。
その後、約束通り日が暮れるまで遊んだのだがそれはいつか別の機会にでも話そう。
いつかは未定だが。
そしてミウくんは来たときと同じく、元気に帰っていった。
「今日のことをニル様にも話してみようっと」
ぱたぱた。
果たして彼はこんな話を聞いてどう思うのだろうか・・・・
まあ何はともあれ面白い体験を一杯した一日だったので十分楽しんだようでした。





『来訪再び』、改め『ミウくんの冒険記』へと題名を変更します。



     了


>あとがき

すいません。まず謝っておきます。
実は悠久2のセリーヌは一度もパーティに入れたことないのでどういうキャラか
わかりませんでした。というわけで性格等で違う部分があるやもしれません。
というか電波系?アンテナ付きか?

近道の途中でクリシード家に迷い込んでアンナさんに会って道を尋ねさせようとする場
面も浮かんだんですが、あえなくボツに。

最後に、これって某HPの火元さんのあるSSの一つと似てるという事に気付きました。
最もあちらの方がよりスゴイですが。
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