中央改札 交響曲 感想 説明

エンフィールド幻想譚 時を越えて:最後に
正行


エンフィールド幻想譚
時を越えて:最後に





「もうちょっと大きくなったら・・・か」
小さな迷子―――葛葉を送り帰してまた静かになった空間に雅信とアメはいた。
「あの子、大丈夫だといいんだが」
「心配か?アメ」
「そりゃあな」
「あ、そうか。アメは会ってないんだったか?」
「?」
「あの子は昔にエンフィールドに来たことがあるんだよ。
 俺達が遠い昔カッセルのところに居候していた時にな」
「お前があの街を勧めたのは・・・」
「いや、違う。思い出したのはその後だ」
「そうか・・・なるほど。面白いものだな」
「ああ」
「しかし・・・あの子の成長した姿を見れなかったとはかなり惜しい事をしたな。なんで
 俺を呼ばなかったんだ」
「そう恨みがましく言うな」
「はぁ・・・・」
「そこまで残念がるか。まあ俺ももう一度あの子が成長した時に、あの頃の皆に会えた
 らって思うがな」
「・・・・・あの子の10年後はどうなってるんだろうな」
「さて?」
10年後、俺達はどうしているんだろうな?
「儂も・・・・もう一度、会って話しをしてみたいものだな」
だが、もう会えないだろう。そもそも過ごしている時が違うのだから。
「さて、ちょっと疲れたから儂は眠ろう」
「そうだな、俺も一休みするか」
「ああ、おやすみ・・・」





     了
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