エンフィールド幻想譚 クリスマスを過ごそう:前編 |
正行 |
エンフィールド幻想譚
クリスマスを過ごそう:前編
聖クリスマス。
この日は記念すべき偉人の誕生日。
信者ならばこの日は静かに祈りを捧げる日となる。
・・・・・のだが、
「ティナさん、もうプレゼントできたんだ」
「あ〜間に合わないよ〜〜」
「ああ、落ち着いてローラちゃん」
「ん?クリスマスカードか」
「ああ。今回はジョートショップでパーティを開く事にしたんだ。よければぜひ来てく
れ」
とまあ、志狼が中華店の前で久に招待状を配っている。
「あ、悠さん達にもよろしく」
「ええ。もちろん参加しますよ!」
「ほぅ、今回はプレゼント交換があるのか」
「私は・・・仕事が終わるのがちょっと遅くなりますね。アルベルトさんは?」
「俺は夜からだ」
「でもトルース隊長とかは来れるんですかね?」
「さぁな。それより仕事に戻るぞライフ」
とまあ、こんな風にみんなは集まって楽しくパーティを開こうって具合だ。
こういうのは食べるのではなく、集まって談笑するのが主な目的。
一部、紅いのとか、お子様とか、はずれに住んでるライシアンとかは他と比べて食事に比
重がおかれてそうだが。
そして、さらにしかし、
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
ここ、ジークフリード家にとって世の中の浮かれた行事など露ほどの意味もなかった。
パチパチ・・・
火のはぜる音が家の中で静かに響く。
3人(1人は蛇だが)は固まって暖をとっていた。
「はぁ、あったかいのぉ」
かなりゆるみきった顔の雅信。すでに爺と化している。
「・・・・俺はとことん寒いのだが?」
座布団の上でとぐろを巻いているアメ。
火の照り返しでゆらゆらと影がうつろう中、暖かい火の側にいるハズなのに一人、心は冬
山登山で遭難している。
「そうか?もう少し薪をくべようか」
「いや、そういう意味じゃなくてだな」
「カッセル、ほうじ茶をたてるがどうじゃ?」
「おお、それでは一服しようかの」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・ふう」
「おお、あったまるのぉ」
「いやまったく」
『・・・・・・ほぅ・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(さ、寒い。寒すぎる・・・・)
どうやら心の中では夜になって吹雪いてきたようだ。このままではペンションの中で孤立
してしまうやもしれない。
(いずれ霞だけを食べて生きていくかもな)
このままだと仙人の風格すら出てきそうだ。
・
・
・
「そろそろ大根も獲るころかな・・・・」
家庭菜園や栽培している薬草などの事を考える。
(だめだ、こいつら完全に色がない。カッセルは・・・まぁともかく、外見だけは若い
雅信もこれだと・・・・・)
絶望に一人頭を垂れるアメ。
ひゅうぅ〜〜〜。
どこからか隙間風が吹き込んでいるんだろうか。
「・・・・・クリスマスかぁ。ふぉっふぉ、カッセルよ。今ごろ若いもんはさぞかし賑
やかなことじゃろうて」
「そうよの」
「昔が懐かしいものよ。あの頃は若かった・・・・」
「とみに雅信。お主はクリスマスを共に過ごそうというような女性を見つける気はあ
るのか?」
(おおっ!)
むくりと頭をもたげる。
「儂には今のところないのぉ」
「そうか」
ズズ、と湯のみを傾ける。
(ああ、やはりか)
また突っ伏す。
まあそんなのがいるのならここにはいないだろう。
「まぁ今は偶々そういった目で見れるような人がいないだけじゃ。
ちゃんと人を好きになる時はそうなる。それに無理して探す必要もないしの」
「下手すればこの後一生結婚しそうにない言葉ともとれるのぉ」
「儂はそれでも構わんが。実を言うと自分より他のが面白い。特に志狼とヒロ
あたりが。ほんに見ていて楽しいものじゃ。他に久や総司、紅蓮もいるしの」
くっくっく、と今度は好々爺のような笑みだ。
「おお、そういうアメはどうなんじゃ?」
「俺もお前と同じく気楽な独身貴族の身よ」
「ほほぅ?儂はてっきりルミリアと仲がいいとばかり・・・・」
「ま・さ・の・ぶ?」
シャーーー、と赤い舌をチロチロと出しながらアメが威嚇する。
ルミリア・ハーヴェス。
死神と雅信は狙う者と狙われる者の関係である。その中で雅信に関する全ての事を一任
されている死神。
一応女性体ではある。
「冗談にしては笑えないぞぉ」
「ほっほっほ、アメよ。ムキになるとこが怪しいのお」
「どこをどう見たら俺とあの品のないヤツなんかと仲がいいなんて見える?」
「おうおう、そんなに照れることもあるまいに」
ミシミシミシとアメが長い体を雅信に巻きつけて締め上げる。
そんな様子に傍観を決め込むカッセル。
(まったく。せっかくの静かな隠居生活が台無しじゃのう)
しかしそれもまた良いか、とも思っているが。
「それは面白い冗談だな、雅信」
いきなり聞こえてきた四番目の声。
振り向くと入口に白色の仔犬がいた。
「ほう、これはこれは。盗み聞きとは大層ご高尚なご趣味をなさってることで」
アメが雅信から離れ、一人向かい合う。
「それに断りもなしに入ってくるとは。ルミリア様はずいぶんと礼儀をわきまえてらっ
しゃる事ですな」
「あ〜?」
コンコンと器用に前足で開いてあるドアをノックする。
「・・・・・・・・・」
「フン、これで文句ないだろ」
いかにもナメた態度だ。
「それで、今日は何の用じゃ」
「その前に上がるといい」
家主、カッセルの許可が下りて、
シュン!
今まで白い仔犬がいた場所には肩まで伸ばした銀髪に漆黒の瞳の鋭い目をした女性がい
た。真っ黒なコートに黒いズボン。黒い手袋と見事に黒づくめだ。
これが一応の彼女の人間verらしい。
服装については本人曰く、格好は好きに変えられるが別に自分が変と思わなければあま
り気にしないとのこと。
死神は本来形を持たない。故に仮の形をとる必要があるときは自然に属するものの姿を
借りる。
大抵はより自然に近い動物の姿をとる。それは固体によって、威圧的なものなど様々だ。
彼女は仔犬だが、その理由は「警戒されにくい」とのこと。
「邪魔をする」
「・・・・・・・なら帰れ」
小さく、だがハッキリとルミリアに聞こえるように言う。
「あん?何か言ったか、そこのヘビもどき」
「い〜やべつに。空耳じゃないのか。あ、そうか。自意識過剰なんだな」
「ほ〜」
「ほらほらここでケンカはご法度だからな。で、クリスマスに何の用だ?」
死神側は一応今は様子見の状態らしい。いつ牙をむくか分からないので完全に味方とはい
えない。
「いや、たいした事じゃないんだが」
そう言いながら頭を掻き、彼女にしては少し言いにくそうだ。
「? 言いにくそうだが、じゃあこちらから先に言っていいか?ちょっとした話がある
んだが」
「あ、ああ」
「実は今日クリスマスパーティを開く旨のカードがきたんだが、ちょうどいいからお前も
来るか?」
「クリスマス・・・・ですか」
ライフは詰め所で待機中。ちょっと外に出ると風が強く体を打ってきた。
「今年は今日の日に休暇がとれなかったから明日からでもお墓参りに行きましょうかね」
ヒュオォーー
ぶるっ。
(寒い・・・・)
はぁ、と手に白い息をかけてみる。
(・・・・40まで後半分ですね)
そっと無意識に手を胸にそえてしばらく震えながら風に当たっていた。
そして、
パンパン!
両手で頬を叩いた後にはいつもの通り。
「よぉっし。今日は存分に食べましょう!そう、いっそ皆の分まで平らげよーっと」
と、いうわけで・・・・・
「これからジョートショップ主催クリスマスパーティを始める」
ジョートショップの外に出来ている野外ステージでルシアがマイクを握っている。
『お〜』
一応簡単な注意事項を説明。といってもアリサさんに迷惑をかけない、といったアバウト
なものだったが。みんなこれには一応了解する。
「みんな、クラッカーと飲み物は行き渡ったか?」
『OK!!』
パーティ会場は外と中に分かれている。今は全員外だ。
招待客の中にはいつもの仲間や特別招待のミウくんやルミリア、ファリエルとかもいる。
ミウくんは神族。ルミリア(仔犬ver)は死神。ファリエルは天使である。
「じゃあここで総司から一つ挨拶があるそうだ」
と、総司がマイクを受け取る。
ここでまず幾人かが第六感にくるものがあった。
「はい、どうもどうも」
そして手短な挨拶を述べる。
「・・・・ところで皆さんが持ってるクラッカーですが」
『?』
最初にみんなが箱から取ったヤツである。
「その中に一つだけ俺特製のクラッカーが混ざってます」
『・・・・・・・・・・・・・・』
3,2,1―――
『でええええ〜〜〜〜〜!?』
「はい静かに静かに。大丈夫ですよ、命に別状はありませんから」
それは「命以外は保証しない」と言っているのと同義である。
「ようはロシアンクラッカーですね。当たったらどうなるかはその時のお楽しみという
事で。あとそれは寸分たがわず同じですからもはや俺にも判別は不可能です。
キチンと公平を期すために俺は最後のを取りますね」
と、箱に入っていた最後のクラッカーを手にする。
「では楽しいパーティを始めましょうか」
ルシアにマイクを返す。
「ちょっと待った!!」
待ったをかけたのはヒロ。
「ふふふ・・・総司!俺のと交換しろ!!」
「何故です?」
わずかに渋い顔をする。
「なぁに、どれも同じ確率なんだろ?だったらお互い交換しても別段問題ないよな」
そこで他の全員がヒロの意図に気付いた。
≪総司なら何らかの方法で自分に被害が被らないようにしているに違いない。
ならば自分はどうやってこの場を免れるか。それは一番確実な総司のを奪えばいい≫
とまあこんな結論に至ったのである。
それに総司の顔付きからも脈有りと判断。
アルベルトが口火を切って、
「あっ!ずりぃぞ、ヒロ!総司、俺のと交換しろ!」
「あ〜、私も私もー!!」
「テメエらは引っ込んでろ!俺がそのクラッカーをもらう!」
と、何人かが総司の所へ被害を避けようと群がっていった。
それに総司はちょっと困った顔で、
「しかたないですねぇ。ここまで言われては交換するしかないですね」
『!』
「じゃあ取った者勝ちということで」
遠くに放り投げた。
『待て〜〜〜〜〜!!!』
ズドドドドドドドドドド!
犬よろしく、しっかりお互いの足を引っ張りあいながらいずこへと追いかけていった。
「連撃」
「ファイナルストライク」
「ジ・エンド・オブ・スレッド」
遠くから声が聞こえてくる。
「突風閃」
「ヴァニシング・ノヴァ」
「四穿」
「争いとはほんに見苦しいものだな」
その言葉にこっそりため息を吐く数名。
「謀ったな、シャア!」
「煌流弐の奥義・白虎連武」
中にはワケわからん言葉や奥義まで出してるヤツもいる始末。
幾つかの喜怒哀楽の声が交じり合っているのを聞きつつしばし待つ。
『なんじゃこりゃーーーー!!』
嵐のように去った連中が再び嵐のように戻ってきた。
「おいコラ総司!これは一体なんだ!?」
ズズイと突き出したのは彼らが取り合っていた物。
すなわち『ほねっこ』と呼ばれる犬用の骨型チューインガムであった。
「ああ、すいません。どうも間違えたみたいでして。じゃあ今度こそ」
今度はしっかりクラッカーを見せて、また遠くに放り投げた。
『うおおおおおお〜〜〜〜〜!!』
ズドドドドドドドドドド・・・・・
完全に総司に遊ばれている。
「2人は取り合いに参加しないのか?」
会場に残っている雅信がアインとメルクに声をかけた。
「僕はいいよ。どうせ『確率的には』一緒だからね」
「私も隣に同じくです」
「なるほど」
「取ったああっ!!」
どうやら誰かが見事クラッカーを手に入れたらしい。
「おーし!じゃあ始めようじゃないか」
なんとアルベルトだった!
これで自分だけは高みの見物だという余裕からか、それとも競争で1番になったからか、
満面に喜色を浮かべて有頂天になっている。
なんか輝羅がそのアルベルトをどついてたりもしていた。
ルシアが前に出てきて、
「よし。いいかげん始めるぞ」
これでようやくパーティが始められる。
「じゃあアリサさんに音頭をとってもらおう」
そして・・・・一部を除いて緊張の糸が張り詰めていって、
「それでは皆さん今日は楽しんでくださいね。メリークリスマス」
『メリークリスマス!!!!』
パン!パパン!!パパパン!
ズドム!!
軽快な音の中に鈍い音が混じる。一箇所煙を噴いている。
どうやらロシアンクラッカーの犠牲者が判明したらしい。
確率的には数十分の1である当たりを引いたその人物は輝羅の横―――
総司と交換したアルベルトであった。
総司がにこにことして、
「いやー、まさか最後に残っていたのが当たりだったとは」
(何を白々しい事を)
幾名かが心の中で呟く。
「それでアルベルト、調子はどうですか?」
「にゃぁ」
『はい?』
およそアルベルトとは思えない声。
「にゃにゃにゃ〜」
「ふむ。あれから薬を改良してみたのですが・・・・」
鰹節やらでっかいネコジャラシやらをアルベルトの前にぶら下げている総司。
「にゃっにゃっ!」
その巨体がじゃれついている光景は・・・・・・アルベルトが完全にネコ化していた。
凍りついている一堂をほっぽってネコジャラシに突撃をしている。
はっきりいって不気味である。
なんかネコヒゲとかついて顔が漫画風に変わってるし。
「どうやらネコ化はしたものの、今度はチビ化と耳、尻尾は失敗のようですね」
ペロペロと手で顔を洗っている。
「む。明日は雨かのぉ」
「ネコじゃねーだろ」
雅信に志狼の突っ込みが入る。
四つん這いのまま、うなぁ〜と欠伸をしていた。
「おい誰かフォートかせ、フォート。この姿を撮って後で遊んでやる」
ケケケと意地の悪い紅蓮の笑み。
フォートとは一個につき一回だけ絵を撮れるマジックアイテムだ。
だが、期間付きで数日しかその絵はもたないが。
しかし最近では進歩して数年はもつようになっている。(という事にしてください)
「さあ、これを。できたら俺にも」
「おうよ!もちろんだとも、我が心友ヒロ」
「くくく。これでアルベルトを脅してやれば・・・・」
「「やめなさい」」
こっちではヒロと紅蓮がパティと輝羅にどつかれていた。
「アインもスケッチをしない!」
「いや中々創作意欲を刺激されるものだから」
いつの間にか道具一式を取り出して構造を練っている。
アルベルトは体をくねくねと地面にこすりつけていた。
「いくらなんでも可哀想でしょ」
確かにプライドの高いアルベルトの事だ。果たしてこの事を後で知ったらどうなるやら。
しかしもっと彼にとって屈辱なのは輝羅に庇われた事ではなかろうか。
「大丈夫?アルベルトさん」
と、ここでアリサさんがやって来る。
「ふにゃあ」
「きゃ」
『ああっ!』
いい匂いでもしたのか、それとも本能か。アルベルトが抱きついてきた。
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
「おお?変な音が聞こえるの。ナマズが地底で暴れているのかのぉ」
雅信は離れた所で見て見ぬフリ。現実逃避ともいう。
生で、歴代の神様とかをまとめて一掃できる般若を見ることもない。
もはや殺気だけでここら一帯が呪いで腐っていきそうだ。
「にゅあ〜」
「あらあら」
しかも胸に頬擦りまで。
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
更にUP。もはや世界すら滅ぼせそうだ。というか急に空が雷雲で覆われてるし。
「ふむ。これは1匹でなく数匹は暴れてそうじゃのう。なんまいだぶ、なんまいだぶ」
極点ではなんか空間が歪みつつある。
「同情の余地及び」
「弁解、謝罪の発言権一切なし」
「ですね」
スピード裁判終了。
「というわけで俺達も色々思うところはありますが」
「代表、星守輝羅さん。どうぞ」
「にゃ?」
まだ抱きついているネコベルトの前に厳かに進み出る。
片手には古来よりこういう状況で使用される「∞t」と殴り書きされたハンマーが。
ピシャン!!ゴロゴロゴロ・・・・
稲光で照らされた彼女の顔は、そりゃあもう描写が不可能なほどに『キテ』いた。
今回、アリサさんが弱視なのは天に感謝すべきだろう。
「ほらメロディ、桃はどうだい」
「おさかなもあるぞ〜」
後ろで雅信が必死にアインと共にメロディの注意を逸らそうとしているのが涙ぐましい。
「アリサさん。アルベルトをちょっと借りますね」
ひょい、と輝羅がまんま猫の持ち方でひっぺがす。
そしてアリサさんに気付かれる事無くどうとでも料理できるくらいの距離をとる。
「さて、どう料理しましょうか」
そのまま材料を顔の前にぶらさげる。
「にゃあ」
ペロン。
『!!!』
今度は輝羅の唇を舐めた。
しかも皆の目の前で、だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「にゃ〜」
「・・・・ふ、ふふふ、ふふふふふふふふふふおほほほほほほほほほほほほほほほ」
「にゃ、にゃにゃ!?」
「この・・・・・・」
ぺいっ、と上に放り投げてハンマーをバットよろしく構える。
(こ、これは一本足打法!)
「いっぺん死んできなさいっ!!」
カキーン!!
ってホントはそんな可愛げのある擬音じゃなかったけどそういう事にしといてください。
まあともかくもこれでオイシイ・・・・じゃなくて、不運なヤツは星となった。
「あら今の音は何かしら」
「ああ、パーティの祝砲ですよ。気にしないでください」
のんびりとメルクがアリサさんの相手をして談笑している。
そのおかげで彼女がそれに気付く事はなかった。
ちなみにしっかり今までのをフォートに撮って子悪魔的な笑みを浮かべていた紅蓮・ヒロ
のコンビも輝羅によってしっかりノされていた。
あの時渋い顔をしたのも演技。誰か取り替えろと言い出すだろうとするのも計算ずく。
クラッカーの取り合いをさせたのも自分が遊ぶため。
全て総司に遊ばれただけ。
第一回ロシアンクラッカー。犠牲者はアルベルトで幕を閉じた。
ある意味必然の結果といえよう。
合掌。
他にヒロとかだったらどうなるか見てみたいとも思ったがまあそれはそれで。
「じゃあ改めて始めるか」
そのルシアの一声でようやくぼちぼちデンジャラスなクリスマスが始まった。
続く