中央改札
交響曲
感想
説明
雫の6:ヘリオス<3> 〜カッセルさん家の家庭の事情〜
正行
雫の6:ヘリオス<3> 〜カッセルさん家の家庭の事情〜
麗らかな日差し。そっと頬を撫でる風。
「いい天気だ……………」
少年、ヘリオスは家の屋根でお日様の光を全身に浴びていた。
一方、その屋根一枚隔てた部屋では重苦しい雰囲気で座る3人+1匹。
「今年もこの時期になったか…」
年の割にはやや老け顔となった男性。
「ふ〜ん、なるほどな」
まったく姿が変わらない死神、今は彼女の人間verで漆黒の瞳に肩まである銀の髪。
「そっかぁ。ヘリオスくん、週末に授業参観なんだ」
月のような金色の髪と目の女性。
そう。雅信、ルミリア、ミーシャ、アメの中心にあるのは一枚の紙。そこの見出しに
は大きく『授業参観のお知らせ』とあった。
『…………………………』
沈黙。そして口火を切ったのは雅信。
「まあ、俺が行くのが当然だな」
「いや、お前には仕事があるだろう。オレが行ってやる」
「そういうルミリアこそ『死神』としてやるべき事があるんじゃないかしら。
その点、私はフリーだし」
「ミーシャ、お前ヘリオスに恥をかかせる気か? 社会的地位がないやつが行くなんて…。
それに、オレはたった1日くらいどうにでもなるさ」
死神としての種やアイデンティティを捻じ曲げる驚異の発言だ。というか、世界の機能の
一部をマヒさせる事になるのだが……一部地域で霊関係の問題が多発するぞ、オイ。
「ふむ。では中間をとってこの俺が……」
「「「 却下 」」」
「なにぃ!?」
「蛇畜生に参観してもらっちゃぁヘリオスが可哀想だ」
「学校はペット持込禁止じゃないかしら?」
「というか何の中間だ、何の」
上からルミリア、ミーシャ、雅信。何気にミーシャがキツイ。
「ぐ……そもそもなんで今日に限ってお前がいる!」
「うっせぇ。いちゃ悪ぃか」
ぎゃーぎゃーわーわー
そんな騒ぎを知らないヘリオスくん。
「あ……カッセルお爺様」
「ん? なんじゃ」
「………これを」
「おお、授業参観か。……ん? 儂でいいのか?」
ヘリオスは無言で首肯。
カッセルはそれに「むぅ」とちょっと思案顔で渋い顔をする。
それを見たヘリオスは途端に不安顔になった。
「……失礼しました」
「おお、いやいや。お主が考えてるような事ではない」
カッセルの手から紙を取ろうとしたヘリオスの手にカッセルはやんわりと自分の手を
重ねる。
「?」
「いや、お主の参観にはぜひ儂も行きたいところじゃが……」
「??」
そこでチラと家の方を見やる。
その顔は「ここで儂がヘリオスに頼まれたとなると、あやつらが拗ねるじゃろうな」、
ありありとそう語っていた。
一方・・・
「よし、ドロツーー!」
「甘いわね、虎の子のドロフォー返しよ!」
「あああああ!? そんなっ!」
「ケケケ。ほら、蛇。6枚とれよ」
「ぐぬぬぬぬ……負けはせん、負けはせんぞ。ヘリオスの為にもっ!」
いーちまい、にーまい、さんまーい・・・・・
「あん? だーれがヘリオスのためだってぇ?」
「そうだ。ヘリオスは俺に来て欲しいんだっ! へリオス、俺に力、をををーー!?」
「悪いな、スキップだ」
「くうぅっ! せっかくウノだったのに!」
「ああ、そこで色変えるんじゃないわよっ!」
UNOで熱く盛り上がる四人。
まあ………こんなんではヘリオスがカッセルに頼んだのも頷けるのではないかと。
>
うむ。何が言いたいかというと・・・カッセル家親バカ四人衆?
ヘリオスくんもさぞかし頭が痛い事だろう。うん。
家庭訪問とかでも同じような騒ぎになってるし。
ちなみに、ここ10数年ローズレイクで勃発する無駄に人外なバトルの6,7割が
この4人で起こってたり(爆)
中央改札
交響曲
感想
説明