「おい、ルーティ。早くそっち持て。」
「え〜・・・」
ルシードの命令に短めの黒髪と茶色の瞳を持つ少女がごねた。白い上着と赤い帽子がトレードマークのルーティだ。本来、保安局員が上司の命令に逆らうことなど出来ないのだが、フランクな性格のせいか、上下関係の認識も結構欠落している。
もっとも、彼らの所属するシープクレスト保安局刑事調査部第四捜査室、通称ブルーフェザーではそんな事を気にする人間はいない。このへんもブルーフェザーが軽く見られる原因かもしれない。
「じゃあ、フローネ。」
「わ、わたしもちょっと。」
「あ!!てめぇら、いいかげんにしろよ!さっきはかわいそうだのなんだの言ってやがったのによ。」
「でも〜・・・」
「いつまでも、死体をほったらかしの方が可愛そうだろうが。」
「は、はい。」
「う、うん。」
ルシードの言葉にようやっと二人が動き出す。フローネはブルーフェザーの中では1番の新人で、さらさらの青い髪と茶色の瞳を持つ少女で、ブルーフェザーには高い魔力と動物と話せる特殊能力を持つという理由で、1ヶ月と少し前に配属されてきた。
彼らの行っているのは野良グリフォンの死体の後始末、工場街で暴れていると通報を受けたのだが、ブルーフェザーが駆けつけた時には、その場に居合わせた魔物ハンターよってグリフォンはすでに始末されていた。ハンターの名前はワンアイ、使い魔エンプレスを使う一匹狼の凄腕ハンターである。
ガサガサと音をたてて、野良グリフォンの死体にシートを被せながら、ついでにルシードは死体の観察をした。
「こいつ、まだ子供みたいだな。」
「え。」
「ルシード、グリフォンを見たことあるの?」
「ああ。ま、ガキの頃に住んでた、マリエーナ自然保護区で見かけた程度だけどな。」
ルシードは被せたばかりのシートをめくり、グリフォンの顔を確かめながら言った。
「ん、顔の羽毛が生え変わってない。間違いないな。」
断言すると二人は顔を歪めた。どうやら、あっさりグリフォンを殺してしまった魔物ハンターが気に入らないらしい。
「やっぱり、あの人ひどいよ。」
「それに、無理矢理エンプレスを使い魔にするなんて・・・。」
「ルシードも、ルシードだよ。ああ言われて、言い解さないなんて。」
「ああ。」
どうも、二人はグリフォンの事だけではなく、「こいつらクズども(エンプレスや魔物)は、生かしてるだけでも相当な譲歩なんだぞ?」というワンアイの考え方にも不満があるようだ。
「だから、あいつはあいつで考えがんだろ。」
「もう。」
「センパイ・・・。」
「まっ、このグリフォンに関して言えば町中で暴れたんだ、誘導に手間取るようなことがあれば俺等が相手してたかもしんねぇんだ。しょうがねぇよ。」
いいながらも、ルシードはあまりいい顔をしていない好戦的な性格にみえて、戦闘はあくまでも最終手段と考えているようだ。
「そうだけどさぁ。」
「何でも、力でねじふせるってのはいただけねぇ、とは言っておいたけどな。聞きそうにねぇな。」
「そうですね、やり過ぎです。」
ようやくルシードが二人の意見に同調したのが嬉しいのか、フローネの声がはずんだ。
「やり過ぎっつっても・・・」
ルシードは釈然としないものを感じていた。
「え、なんですか。」
「なんでもねぇよ。バーシア達が車を調達してくるまで、他の後片付でも手伝うぞ。」
「ああ、動物園がこのこ引き取ってくれるんだっけ。」
「そうだ、いいからいくぞ。」
(普通、魔物を嫌悪する奴はいても、憎むという感情は持たねぇよな。)
何か深い理由がありそうだと、ルシードは感じていた。
(ティセを見かけたら一騒動有りそうだな、早く他の町に出てかねぇかな。)
ルシードの眉間に縦皺がよった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その日の夜、ルシードはベットに横になり今日の事件を考えていた。と―
(気のせいか?物音がした?)
「外か?」
ルシードが用心しながら窓を開けると、ヌッっと悪魔が姿を現す。
パッっと後ろに飛び退き、まだ脱いでいなかったコートからナイフを投げつけようとした。
「待ってください。」
ルシードの手がピタッと止まった。部屋の明かりに照らされて、悪魔の姿がはきっりと見える。悪魔は紫色の肌に長い髪をしており、光彩と口のない構造から、仮面をかぶった女性にも見えた。
「おまえは・・・昼間の・・・エンプレスだったな。」
「・・・こんな夜中に部屋に伺う無礼をお許しください。」
ルシードは警戒を弱め部屋に招いた、使い魔ならば主人の命令がない限り人間に危害を加えることは出来ないはずだった。
「で、何の用だ。・・・ま、聞かなくてもなんとなくわかるけどな。そんなにひでぇのか、あの男は?」
「はい。魔物と見れば手当たり次第に戦いを挑み、そして滅ぼしいてしまう、恐ろしい男です。およそ、慈悲という言葉とは無縁の男。綿新も命こそ奪われませんでしたが、あの男の魔力により、こうして無理やりに使い魔として使役されています・・・。」
ルシードは話ききながら、じっくりとエンプレスを観察した。ワンアンと別れたときこの悪魔がこちらの方窺っていたので、こうなるような気はしていたのだ。
「それで・・・、何させてぇんだ。グチリにきたワケじゃねぇんだろ。」
「さすがはルシード様。実は、ルシード様に・・・あの男を倒していただきたいのです。さすれば、あの男に命を奪われた同朋も浮かばれます。」
「・・
そうしておまえも、自由の身になる・・・と。」
「は・・・。さようです。」
「ふぅーん・・・。(うさんくせぇ)」
ルシードの頭の中で子供の頃面倒を見てくれた人から聞いた話や、保安学校で習った危険種族の知識が駆け抜ける。それらはあくまで人間の主観での知識で、ルシードもその話を鵜呑みにする気はなかったのだが、今目の前にいる悪魔が自分の同朋を気遣うようには見えなかった。まるっきりの勘だがルシードは自分のひらめきや勘を信じていた。
極力顔に出さないように、気をつけながら(彼にとってはかなり難しい作業だったが)返事をした。
「少し、時間くれるか。」
「は・・・。おおせのままに。」
「返事は明日だ。俺はそろそろ寝るぜ。」
「それでは、失礼します。」
窓からスルリッとエンプレスが出て行く。と―
(ガタッ)
「あ、やばっ」
「ルーティちゃん、しーっ」
ルシードは部屋のドアを開けると、ドアの外で聞き耳を立てていた二人に言った。
「ルーティ、フローネ何やってんだ。」
「エヘへ・・・」
「すいません、センパイ。盗み聞きするつもりはなかったんですけど。」
二人のイタズラが見つかった子供の顔を見て、軽くめまいを覚えた。聞き耳立てておいて、盗み聞きするつもりもなにもないだろう。
「ね。明日、エンプレス。助けにいくんでしょ。」
「あ?行かねぇよ。あんな胡散臭い話信じんなよ。」
「そんなことないです!」
「ねえ、助けてあげようよ。」
その自信の根拠はなんなんだ?と思いながら、ルシードは言い返す。
「おまえら研修期間で悪魔の習性ぐらい習っただろ。グリフォンの事はともかく、あの悪魔についてはとやかく言う必要はねぇよ。」
「だって、考えてみてよ!知らない人にずーっとこき使われて、それでもルシードは平気なの!」
「お願いします、センパイ。私、どうしても許せないんです!」
(バタン)
いいかげん二人の相手をするのがめんどくさくなったルシードは、ルーティの言葉の途中でドアを閉めた。ルーティはなおも文句を言いつづけたので、
「ギャーギャー、うるせぇぞ。とっとと部屋に帰って寝ろ。」
とだけ言い、ベットに入った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ったく、あの二人も少しは割り切れっつ―の。」
いつものようにルシードはアクビをかみ殺しながら食堂に出てきた。食堂にはビセットとゼファーの姿ある。ティセとメルフィは台所だろう、バーシアは考えるまでもない、寝坊だ。
「おはよー」
「おう。・・・ん?ルーティとフローネはどうした?」
「ふたりなら、朝早くでかけたぞ。なんでも、昨日会った魔物ハンターに会いに行くといっていたが・・・」
ゼファーの答えにルシードはギョッとした。
「あのバカ共、まさか・・・。ビセット、バーシア起こして来い!」
「ど、どこいくんだよ、ルシード?」
ルシードはすでに食堂を飛び出そうとしている。
「ワンアイのところだ!あのバカ共、使い魔解放させに行きやがった!」
ルシードは怒鳴ると、昨日ワンアイに事情徴集した時に聞いた、彼が泊まっている安宿に走り出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ち、どこだあのバカ共・・・」
宿にはワンアイも二人も居らず、ルシードは宿の周辺を探すことにした。通信をしておいたので、ビセット達もそう遠くはないところで3人を探しているだろう。ある路地を通りかかったとき、言い争うような声が聞こえた。見ると案の定、ルーティとフローネがワンアイに詰め寄っている。
「おい、おまえら。」
「セ、センパイ・・・。」
「あーあ、見つかっちゃった・・・。」
「おまえか・・・。こいつらをどうにかしろ。おまえがリーダーなんだろ。」
ワンアイは心底迷惑そうな顔をしている。彼にとっては感情的になったキーキー小娘を何とかしてほしい、というのが心情だろう。
「ああ、迷惑かけたな。・・・フローネ、ルーティ。戻るぞ。」
「でも、やっぱり使い魔なんてかわいそうだよ。」
「うるせぇ!おら、帰るぞ。アンタもとっとと行け」
ルーティには取り合わずルシードは身をひるがえした。
「まってください、センパイ!まだ・・・」
「知るか。とにかく帰るぞ。」
そこにフローネが食い下がるが、ルシードは止まらない。
「なっ・・・、キ、キサマ、カードを・・・。」
ワンアイの狼狽した声でよやくと振り返った。見ると8mほど先で、ワンアイの胸ポケットに入っていたはずの使い魔のカードを、ルーティが握っている。
「ふざけたマネしてねぇ。」
「こんのもの破っちゃえばいいのよ。」
「やめろ!」
ルーティがカードをビリッと破ると光があふれ、最後にポンッとコルク栓を抜くような音がしてエンプレスが現れる。とたんあたりに悪魔の気配が充満する。エンプレスの仮面のような顔には表情はないが、ルシードにはニタリと笑っているように見えた、まんまと罠に掛かった子羊を肉食獣の笑みだ。
「礼を言うぞ、小娘。とりあえずは死ね。」
「え、え、キャーーーーーーー!」
エンプレスの炎の属性の属性をまとった攻撃がルーティを襲う。ルシードは飛び出したが、距離が離れすぎている。
(やべぇ!!)
ドカッ! と、鈍い音の後聞こえたのはルーティの悲鳴ではなかった。
「ぐぅっ・・・。」
「・・・ほう、小娘をかばうか、ワンアイ。ならば小娘ろとも・・・」
ガギィィィィン ルシードの振り下ろした剣が地面を叩いた、エンプレスは一瞬早く飛び退きそのまま間合いをとる。フローネはルーティにかけよる。
「ルーティちゃん!大丈夫!」
「あ、あたしは大丈夫だけど、この人が・・・。」
「く・・・。早く・・・エンプレスを・・・止めろ・・・。」
ワンアイは肋骨をやられたのか、途切れ途切れに言葉を繋いだ。ルシードはエンプレスを睨んで牽制しながら、ルーティとフローネに指示を出した。
「ルーティ、フローネ。自分で蒔いた種は自分で何とかしろ。二人だけでそいつを取り押さえろ。」
「バカな・・・。貴様何を考えている。」
ワイアンはエンプレスをルーティとフローネの二人だけで取り押さえられるとは、到底思えない。ルシードの無謀な命令に驚いた。
「って、師範代なら言っただろうがな。しょうがねぇ、テメェ等の尻拭いも俺の仕事だ。ヤルぞ」
と、いって剣を構えた。ルシードの口の悪さになれていないワンアンは絶句してしてしまった。
「来いよ。お子ちゃま騙すしか能のない下級魔野郎。」
それを聞いたエンプレスの気配がゴゴゴッと膨れ上がる。
「・・・まずは貴様から始末してやろう。」
ルシードはエンプレスが言い終わるのを待たず、剣を大きく振りかぶり投げつけ、その後を追うように突進する。いつの間に取り出したのか手にはナイフが握られている。
(重い武器じゃ捉えきれねぇ。)
先ほど不意打ちをかわされた事で、予想以上にエンプレスが素早い悪魔であることが分っている。エンプレスの体勢を崩して、本命の攻撃に繋げようという作戦だった。
「フフフ。」
「なに!」
驚いたことにエンプレスは片手で剣を撥ね退けると、そのまま反撃してきた。腕には裂傷が走り紫色の血が出ているが、気にもかけていない。驚きながらも何とか攻撃を防ぐルシードだか、エンプレスの素早い攻撃の前に他の二人に指示を出すヒマがない。
「地とに眠る精霊たちよ、選ばれし者にのみ恩恵を。シャックルズ」
エンプレスにルーティの魔法の抵抗がかかり、少しだけ動きがぎこちなくなる。その隙にルシードは地面を強く踏むと、エンプレスのスネを蹴飛ばす。靴の先から飛び出した刃が突き刺さると、流石のエンプレスも体勢を崩した。すかさず、手に持ったナイフで目を狙い切りつける。
「ギッ!」
右目を切り裂かれエンプレスが悲鳴をあげた。そこに―
「やーーー!」
ガツン とルーティが折畳式の警棒で一撃する。警棒は至急品でいつも使っている武器ではないが、流石に出動の時でもない限りハンマーは持ち歩く気のはなかったようだ。が、エンプレスに効果的なダメージを与えるには軽すぎた。
「貴様等〜、§ΛΦξδ牆ÅΩΣΨΓΩδ∴ΨΓωΘτΠ」
「呪文!気合入れろおまえ等!」
怒鳴りながらルシードが顔かばった瞬間、灼熱のドームがルシード達を覆う。
(トリディティか!)
呪文の効果が終わると、ドサッと音を立ててフローネが座り込んだ。舌打ちしながらも、フローネをかばえる位置に立つと、エンプレスと目が合った。これからどうなぶり殺しにしようか考えているのかもしれない、残った左眼を憎悪をたぎらせながらも、悦に入っている。その顔にピタッっと護符が飛んできた。エンプレスの右から飛んできたので気付かなかったらしい。バチッと護符にこめられた魔力がはじけ、一瞬視界を奪う。
「おのれ、小娘!」
護符を投げたのがルーティだと気付き、エンプレスがそちらを向こうとしたときには、すでに目の前にルシードがいた。手に持つナイフには気と魔力が込められ、バチバチと放電している。エンプレスは逃れようとしたが手遅れだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「くぅ・・・。こんなガキ共に負けるとはまだ拘束の後遺症が残っていたのか。」
「うるせぇよ。ワンアイもう一度封印できるか?」
「ああ。予備のカードがある。」
そう言ってワンアイは片面が無地のカードを出した。
「見ていろ・・・。今に殺してやる。」
「まあ、せいぜいがんばりな。 キエロン・フェンイン・・・キエロン・フェンイン」
ワンアイの呪文によって光とともにエンプレスが封印される。封印を確認し一息ついたワンアイにルーティとフローネが近寄った。
「あの・・・、すみませんですた。」
「ごめんなさい・・・。」
「ふっ・・・。まぁ、そう落ち込むな。」
「さて、後はこいつ等処分するかだな。」
ルシードが言うとルーティとフローネがうなだれた。さすがに凶暴な悪魔の封印を解き人にケガをさせたとなれば、お咎め無しというワケには行かないだろう。ルシードできるだけ弁護してやりたいとは思っていたが、ワンアイが強く訴えればかなりマズイ事になりそうだった。
「そう責めてやるな。」
「いいのか?俺たちのせいであんたにはケガまでさせちまったのによ・・・。」
「気にするな。こいつは俺が倒した魔物の中でも特に狡猾なヤツでな。そっちのお嬢ちゃん方がダマされるのも無理はない。」
そういうと、ワンアイはふっ・・・と軽く笑ったが、それも一瞬のことですぐにいつもの鋭い顔に戻り。ルシードの赤い目をじっと見た。
「だが、これでわかったろう。魔物なんかに心を許しちゃいけない。そうだろう・・・?」
ルーティとフローネは何もいえずにいたが、ルシードはいつもと変わらぬ口調で、答えた。
「ま、相手にもよるだろ。」
「おいおい。しっかりしろよ、あんたらがやらなきゃ、この町は守れないんだぞ。」
「大丈夫だろ。俺は見る目があるし、それにこの町じゃ大した事件はおきねぇっつってんじゃねぇか。」
「ハハハ!そうだったか。」
そう言うとワンアイはケガが治るまではしばらくシープクレストに滞在すると言い残し、いってしまった。
(魔物を信じるな、か・・・。)
ルシードにはその言葉だけが残った。<<つづく>>
――――――――――――――――――――――――
あとがき
「皆様最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。蟲田です。前回より約一ヶ月、ちょっと時間掛かりましたが後2回ほどメインイベント2A編をやる予定です。それにつきまして・・・」
「手加減なしよ!」
「・・・痛い。何するんですか?バーシアさん」
「本編を読み直して見なさい。ワタシの出番が全くないじゃないのよ。PBのメインキャラよ、ワタシは!!」
「あ〜、登場キャラ増やすと大変だからです。だからこうして後書きに登場してもらったわけですよ。」
「そこをガンバリなさいよアンタ。」
「無理です。ちょっと忙しい時期に入ってしまったので、時間がありません。」
「普段サボっているせいね・・・。」
「あなたに言われたくありません。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
「ま、まあ、ともかく。やっとこのSS全体のタイトルつけたわね、アンタ。」
「ええ、悠久自由曲PBと名づけてみました。私的設定のオンパレードですからこんなの名前がいいんのでは、と。」
「私的設定といえば、主人公最強主義者のアンタがルシードの設定をいじるのはわかるとして、ワタシのことをローレン近郊の町が出身という設定にしてるわよね。」
「ええ、まあ、組曲のドラマでヴァニシング・ノヴァとか使っているのでエンフィールドと同じ魔法の形態を持つところの出身じゃないかと。」
「ふーん、でもアンタの悠久自由曲の中じゃ地理的に離れてるのよね?」
「ええ、シープクレストとエンフィールドの間だには海があります。あなたは海を船で渡ってきたってわけです。」
「シープクレストがある大陸にはWHの舞台、Skill&Wisdomがあるから魔法の属性がハッキリしていて、エンフィールドにはそれがないってワケね?」
「そういうことです。ちなみに、EMの舞台は先ほどでた海の同じ半球の裏側、もう一つのシープクレストとエンフィールドの中間あたりでのお話しになり、EM主人公達はややエンフィールドよりで旅をしていたことになります。」
「ちなみに他の連中の出身地はどの辺になるの?」
「シープクレストから、そう離れていません。あなたの次に遠くから来たのは、ルシードとゼファーです。」
「そう言えば、列車で来たっていってたっけ。」
「街とはいえないが、町としては大きいほうのマリエーナ共和国のはずれの町にあたります。」
「EMの時代は小国でしかなかったマリエーナ王国が、大きくなって何回かの改革の末に、共和国なったってわけね。」
「そうです。その辺の時代の流れなんかは、次回の後書きで書こうと思ってます。」
「後書きもいいけどさ。あたしの出番も書いてよ。」
「・・・多分、大丈夫。」
「デリャァァァッ!!」
「いた!大丈夫ちゃんと出します。」
「ま、いいでしょう。」
「それではまた、機会がありましたら私の駄文にお付き合いください。最後にもう一度、皆さんありがとうございました。」
「じゃあね〜。」
2004年 11月8日 原作 悠久幻想曲3 PerpetualBlueより 「悠久自由曲PB 魔物ハンター」 蟲田