中央改札 交響曲 感想 説明

悠久の刻 第参話
らむだ?


第三話 

「う、頭が・・・、マジで割れそうだ。ここに来た時の影響か?クソ・・・。」
凌斗は頭を押さえてうずくまると、そのまま気絶してしまった。


「けッ、だらしねえな。ま、そのおかげでこうして俺が外に出られたわけだ。」
何処から表れたのか、気絶している凌斗の隣に銀髪の男が立っていた。

「ん、誰か来やがった。下手に騒がれても面倒だ。後は頃合を待つか。」
そう言うと男はどこかへ消えてしまった。


〜クラウド医院〜

やがて凌斗が目を覚まし、あたりを見るとベッドの脇にシーラが座っていた。

「目が覚めたんですね、良かった。」
よく見ると目が少し赤くなっている。

「ここは?なんで俺はここにいるんだ?」
(確か頭痛が激しくなって、それから・・・。)

「ここはクラウド医院です。あなたが道に倒れててそれをアリサおばさまが見つけて、ここまで運んでくれたんです。」

「そう、か。」
(どうしたもんかな。ここから帰る方法が見つかれば良いけど見つからない場合ここに住むことになるし、今持ってる金は使えないと思って間違いないだろうな・・・、
とりあえず住み込みで働ける場所を探してみるか。)

コンコン ガチャ

「入るぞ。」
白衣の男が入ってきた。
〔トーヤ・クラウド、自他ともに認める天才医師で町の人からの信頼は厚い。〕

「医者か。先に言っとくが俺は金を持ってないぞ。」

「何を言っている、特に異常が無いのにベッドをいつまでも占領されたら迷惑だから言いに来ただけだ。」

「それもそうだな。じゃ、さっさと行くとしよう。」
そういえば彼の頭痛は治まっていた。

「世話になったな。」
そう行って彼は出ていった。

「さて、行くあてもないしどうしようか。」
と街道を見渡し、煙草をつけた。

「あの、」
後ろからシーラが話し掛けてきた。

「ん?えっと?」

「私はシーラ、シーラシェフィールドです。先程は助けて頂いてありがとうございました。」
と深々と頭を下げた。

「俺は葉崎凌斗。気にするな、ただのうさ晴らしだ。」
この男、実は感謝されるのに慣れてなかったりする。

「そうは言っても・・・、何かお礼をさせてください」

「いや、俺は・・・、」
グゥゥゥーと凌斗のおなかが激しく鳴った。

「うふふ、ご飯でもどうですか?」
とシーラが笑いながら言った。

「やれやれ、そうさせて貰うわ。」

「それじゃさくら亭に行きましょう。」

「シーラ、敬語を使わなくていいし、呼び捨てでいい。」

「あ・・・、うん。」
そうして二人はさくら亭に向かった。

                                                          続く
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