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悠久異端禄<序章>
Reen


 そろそろ春なのだろうか、暖かい日が射し、山や森の木々が、やわらかい緑をつけ始めている。地面には、つぼみをつけた花々や先に春を迎えている草達が生えている。横になれそうな所があれば、昼寝でもしたいような雰囲気だ。
 そんな春を迎えようとしている森の一角に、小さな遺跡があった。
 石造の遺跡なのだが、造られてどれくらいの年月が経ったのか、あちこちが倒壊していてほとんど原型が残っていない。
 そんなボロボロの遺跡の中から、一人の青年が出てきた。
「やれやれ、やっと出られたよ…………・」
 遺跡から出てきた青年はそう言いながら、遺跡の中でついただろうと思われる埃を掃う。
 青年はかなり変わった格好をしていた。
 白で蔦のような模様が描かれている黒のローブ上から、鈍い銀色をした(灰色に近い)部分鎧を着込み、両面とも漆黒色をしたマントを羽織って、左腕に長方形をした灰色の鉄板のような物を着けている。長髪の髪と瞳まで黒いため、殆ど全身が黒と灰色で構成されている。
 はっきり言ってかなり怪しい格好なのだが、青年の持つ気の抜けた雰囲気と人懐っこい顔つきから幾らか怪しさが緩和されていた。
「さて、ここからっと……・・」
 青年は左腕に着けている灰色の鉄板を開く。
 何かの魔法装置らしい。上下に開閉する仕組みになっており、上側の板には黒いガラスの板がはめられており、下側の板にはボタンのようなものがたくさんついていた。
 青年がボタンのようなものを二,三個叩くと、
             < MAP・SYSTEM起動 >
という文字がガラス板に現れる。続けて男がボタンを叩くと、
           < 座標入力を確認・MAP表示します >
という文字が出、この周辺一帯の地図が表示される。
「ふむ、ここから北へ7kぐらいか…………・・、しばらく歩けば街道に出られるな……・・」
 青年は何か悩んだようだったが、すっと辺りを見渡し、そして、
「こんなにイイ天気なんだから、歩かないと損だよね。」
 と呟いて、魔法装置を閉じると、腕を頭の後ろで組み軽い足取りで北へ歩き始めた。

男が地図を見て呟いていた地点には、[ Enfield ]と表示されていた。


* 後書き
 ども、Reenと申します。読んでくれた方、ありがとうございます。
 文章が何か変だったり、作品が文庫の見開きみたいなモノになっていますが、自分の処女作です。続きはもう書き始めているのですが、しばらくこの状態が続くと思います。気長に待っていてくれると幸いです。
 タイトルが妖しい感じがしますが、あんまり気にしないでください。 
 最後に、投稿という機会を作ってくださった、亜村有間さん、ありがとうございます。
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