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交響曲
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BackDraft Fighters Bible Rank15 『格闘遊戯−後編−』
regret man
「悠久幻想曲 OUTDOOR-story」
-BackDraft Fighters Bible-
Rank 15「B−1の・・・」
『
格闘遊戯
B−1グランプリ
−後編−』
闘いに理由など要らない。男の意地と意地。信念と信念。互いの力をぶつけ合い・・・
勝利とは、即ち、最後に立ちし、笑う・・・
さあ、格闘家(おとこ)たちよ、己を賭け、闘いに散れ・・・。
今年のB−1グランプリもいよいよ大詰め。
残すところあと1試合。
そう・・・この大会で最も栄えある舞台、決勝戦である。
観客は闘技場中央に注目し、司会者の
口上
・・
に聞き入っている。
「これまで
数多
あまた
の格闘家達がここでぶつかり合い、生き残った者、地を舐めた者、共に多くの感動と傷痕を生み出してきました。今年もまた然り、多くの男達の力の花弁がこの場で、荒々しくも、華麗に咲き乱れ、華々しく散り崩れ、我々に感動を与えてくれました。そして、この闘いという嵐の中、他の者をも寄せ付けぬ圧倒的な力で、生き残った2人の
格闘家
おこと
たちがついに、この決勝という舞台で、真の強者を決めようと言うのですっ!!」
興奮気味にまくし立ててるあたり、この司会者も一種のトランス状態のようなものに陥っている。どうして、こういうものの実況者や司会者と言った人間は、妙にやかましいのだろう・・・?
「さて、このラストバトル。『頂点』という栄冠を手にするのはどちらかっ?!」
わぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!!!!!
答えるかのように観客が沸き出す。
「それでは紹介いたしましょうっ!!まずは、この男。ここ数年、連戦連勝。近年の大会で、謎の出現、以来去年までずっと優勝し続け、その頂点に立つ男!!『
格闘の帝王
バトルキング
』の異名に偽りなし。『マスクマン、アァ〜ルゥゥー(R)』っ!!!」
選手入場口から落ち着いた足取りでマスクマンが出てくる。会場には割れんばかりの声援が起こった。
「きゃー!!マスクマン様ぁー!!」
「マスクマンよぉ!!今年もお前に賭けてるぞぉー!!」
聞こえなくても、叫ばずにはいられない。
だが、マスクマンはそういった声援にもちゃんと応えていた。
「次に・・・今年、初参加。一回戦からこの決勝まで、すべて
1R
ラウンド
KOという快挙を成し遂げた男。キングを引きずり降ろすのはこの男をもって他にいないであろう。自警団第5部隊、
問題不良自警団員
トラブル&バッドラックヴィギランス
、『けいぃぃ、ぃえすとぉぉぉー』っ!!!」
次に出てきたのは、なんと我らが主人公、Kei=Yestだった。
(なんだ、俺のその紹介は・・・・)
自分の紹介にいくらか不満な所があったので、ややウンザリした顔で出てくるKei。
「くぉらぁっ!!Keiィィっ!!てめー、もっとシャキッとしやがれっ!!」
「お前の『ケンカサッポウ』でマスクマンなんかぶったおしちまえぇっ!!」
「態度悪ぅ〜!」
「サイテーッ!!まけちゃえーっ!!」
妙にガラの悪い客からの声援と、ブーイング。特に、若い女性からは、かなりのバッシングを浴びせられていた。だが、一部では、
「け・い・ちゃーーん!!がんばってよぉー!!!」
「Keiー!!ヤル気出して戦いなさいよぉ!!」
「Keiさーん!!負けても、ご馳走してもらうからねー!!」
メロディのやたらと大きい声を筆頭に、Keiに声援を送るトリーシャとパティ。Keiはそれを聞き、照れくさそうに頭を掻いた。
両者とも中央まで進み、にらみ合う。達人の域になると、この時点で、相手の力量というモノが判るらしい。
Keiはマスクマンの力量を何となく感じ取り、かなり幻滅した。
(なんだ・・・準決勝のヤツとそんなに変わんねぇじゃねぇか・・・。まぁ、こんな大会だ・・・レベルから考えてこんなのがチャンプでもしょうがねぇか・・・)
「はぁっ」と溜め息をつき、目線を外した。
(・・・にしても、こいつ・・・どこかで会ったかなぁ?)
Keiは改めてマスクマンを見る。Keiよりも長身、180ぐらいであろうか・・・そして露呈した上半身は並々ならぬ鍛え方をした筋肉に覆われている。顔には、不気味な灰色と黒を基調としたマスクをかぶり、額に『R』と書かれている。
マスクマンは自分のコーナーに戻っており、すでに上のガウンを脱ぎ、幾ばくかストレッチを始めている。
(まぁ・・・・気のせいだな。ま、楽勝か・・・)
Keiは幻滅しつつも、最後の試合で苦労しないことを悟ると、気分が軽くなっていった。そして。Keiは決勝トーナメントの前の『こと』を思い出した・・・・・・・。
「ねぇ・・・Keiちゃん?」
「ん?なんだ、メロディ?」
「Keiちゃん、たたかうときってこわくないの?」
ここは選手控え室。いるのは、決勝トーナメント出場者が数人とKei、メロディ。さっきまでトリーシャとパティもいたのだが、一通りサインと握手を1流選手達に求めたあと、<いらぬ気を利かせて>メロディだけを残し、席に戻っていった。実際のところ、この控え室に選手以外の人間は入れないことになっている。トリーシャ達も係員に呼び止められたのだが、Keiを呼び、ほぼ強引に入ったのだ。
「・・・別に。こわくねぇよ。どっちかっていうと、楽しい・・・かな」
「たのしいのぉ?ぶたれたりしてぇ、いたくないのぉ?」
「まぁ・・・少しぐれぇは痛いけど。でも、痛くてもそんなもんすぐ忘れちまう。本気で戦っているときは殆ど何も感じなくなって・・・それが妙に気持ちいいんだ」
「ふみぃ・・・メロディ、よくわかんないのぉ〜・・・」
「まあ、お前にはわからなくていい世界だよ・・・」
そう言って、メロディの頭を優しく撫でる。
「ふみゃあ!」
メロディは幸せそうに笑った。
「さてと、俺はそろそろ試合だ。お前が言うとおり、ちゃんと優勝してやるから、おとなしく見てるんだぞ!賞金がでたら何かおごってやるからな!」
「うん!じゃあね、Keiちゃん!」
満面の笑顔をKeiに浮かべ、控え室をあとにするメロディ。
軽く手を振り、それを見送るKei。
(さて・・・と)
Keiの顔つきが変わった。そこには普段のやる気レスさは欠片もなかった。
Keiは決勝トーナメントでもまったく敵を寄せ付けなかった。最強の武器である『蹴り』を<ふんだん>に使い、決勝までの試合を予選同様1R中に収めてしまった。これがB−1グランプリ史上初の快挙であるという意識は本人にはない。
Keiの今回の闘いの目的は、あの控え室での会話の時から、「メロディが喜ぶ為」となっていた。
・・・・・・・・・・・・本当に、こいつの「メロディバカ」はどうしたものか・・・・・・・・・・・・・・
審判がルールの説明を終えた。会場が静まり、審判の合図を待つ。
Keiは息を吐きながら、ゆっくりとオーソドックススタイルをとる。マスクマンは両腕を肩の辺りまで持ってくる構え。レスリング系に多い構えだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「決勝戦、始めぇっ!!」
主審の声と共にゴングが鳴る。会場から一斉に歓声が起こった。
瞬間に、Keiの右足が動いた。狙いは、マスクマンの右もも。
バシンッ!!バシンッ!!!
1度蹴ると、すぐにもう1度。目にも止まらぬ速さで2回蹴る。
足を上げ、防御姿勢を取るも、威力が半端じゃないため、その巨体をぐらつかせるマスクマン。
「しゃあっ!!」
そして、左のミドルキックを脇腹にぶち込むKei。マスクマンは身体を小さく丸め、これに耐える。
(ちっ!面白くねぇ・・・。さっさと片付けてやる!)
なおも打撃を加えるKei。打たれっぱなしのマスクマンに心の中で舌打ちをする。
(くたばれっ!!)
左でローキックを打ったあとに、右足を大きく振りかぶり、強烈なハイキックをマスクマンに喰らわせる・・・
ドブォゴッ!!
マスクマンの体が、Keiの懐深く潜り込んだ・・・そして、グラリと崩れるKei。
どしゃ・・・
そのままうつ伏せに、ダウンしてしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
またも静まり返る会場。マスクマンはゆっくりとその身を起こす。
「ダ・・・ダウンッ!!カウント!1、2、3・・・・」
主審が慌ててカウントを取る。それに合わせるように会場が騒然となった。
『ああっーと!Kei選手ダウンっ!!試合開始僅か1分っ!一撃必殺の男が・・・皮肉にも一撃でたおされてしまったぁ!!さあ、立てるかKei=Yest!?』
実況係が息もつかぬ早口でまくし立てる。興奮のあまり言ってることが無茶苦茶になってくるのだが、この実況の男はそれなりに試合を把握していた。
今のは、Keiがハイキックを喰らわせる前に、マスクマンがKeiの懐に凄まじいスピードで入り込み、右フックをKeiの顎に叩き込んだのだ。ということは、さっきの打撃音は、Keiの蹴りではなく、マスクマンのフックによるのもであったのだ。
「5、6、7・・・・」
カウントが後半に入る。Keiはまだ起きない。
「Keiちゃーん!!頑張ってよぉ〜!」
メロディが涙目になりながら、Keiに声を掛ける。
「8、9・・・・」
ムク!
Keiが何事もなかったかのように立ち上がる。
Keiがファイティングポーズを軽く作ると、主審が頷き、カウントを止める。
「ファイトッ!!」
試合が再開された。Keiは少し距離を取り、マスクマンを警戒しだした。
(・・・ちっ、何なんだ、コイツは?!さっきの感じからこんな力があるなんて・・・わかんなかったぞ・・・ちくしょうめ!)
やや距離を置きながら、出方を考えるためステップで時間を稼ごうと思ったKei。だが、
ぐらっ・・・・・
(・・・あ?!)
視界が揺らぎ、足に重みを感じた。どうやら脳しんとうを起こしているらしい。
(クソがッ!!)
頭を抑え、2、3度軽く振る。
「それがキミの『油断』した結果だ・・・。闘いにおいて、一瞬の油断は『死』に。格闘家たるもの、常に命を背に闘っていると言うことを忘れてはならない・・・」
「なに?」
マスクマンがKeiに聞こえる声で語った。Keiがマスクマンを見る。その視界の中で、マスクマンの巨体が揺らぐ。
ゴッ!!
Keiの下半身にその巨体があたった。タックルでKeiを後ろに倒そうとするが・・・
ドゴォッ!!!
「倒す」なんて生やさしいレベルではなく、そのまま全体重を乗せ、押しつぶした。
「ぐぼっ!」
その重みを全て下腹部に受け、吐き出すような声を上げるKei。
そのまま、引き起こされ胸板への膝蹴り。これには呼吸が詰まる。そして、後ろに回る、マスクマン。後ろから、Keiの腰回りをガチンと硬く掴む。
(ちょ・・・と・・・ま、て・・・)
朦朧とする意識の中、Keiには思い当たる技があった。敵を後ろから掴み、頭から叩き落とす、超凶悪かつ強力技・・・
『バック・ドロップッ!!』
ズゴムッ!!!!!
鈍い音がした。その技をまともに喰らったKeiは目を開いたまま、気絶しかけていた。Keiの体を放し、腰の反動を使い起きあがるマスクマン。今度は仰向けに、ダウンするKei。
『そ、壮絶っ!!圧倒っ!!やはりキングの力は凄いっ!!あのKeiが、ヤクザ公務員と言われてい るKei=Yestが・・・反撃も出来ずに地べたに這いつくばる姿は誰が想像出来たでしょうか・・・さぁ、マスクマンの必勝コンボを喰らってしまったKei。もはや復活は絶望的ぃぃっ!!』
「け・・・Kei・・・」
「Keiさん・・・」
「やはり、マスクマンが・・・」
パティ、トリーシャ、リサが心配そうに、そして絶望的な表情でKeiを見つめていた。
「・・・Keiちゃん・・・」
メロディは目を両手で覆っていた。メロディにとってこれ以上Keiが傷つくのは耐えられなかった。
「Keiちゃん・・・もうやめてよう・・・もう、いいよぉ・・・」
「メロディ?」
メロディの様子がおかしいのに3人が気付く。
「メロディ、Keiちゃんがぶたれるの、見たくないのぉ・・・」
「メロディ・・・」
『5、6、7・・・』
Keiの意識は今だはっきりとしない。このままずっと寝ている様子だ。
「Keiちゃん、ゆうしょうなんてしなくていいから、もうやめてよぉ!!」
ひときわメロディの大きな声。その悲痛な叫びも絶好調に盛り上がった観衆にかき消されてしまった・・・はずだが、
ピクッ・・・
Keiがその声に応えたのか、体が僅かに動き、両の瞳に光が戻る。歯を食いしばり。片膝をつくと、一気に立ち上がった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
肩で荒い息をし、フラフラと体を揺らす。ダメージは回復せずにKeiの体を蝕んでいた。
「やれるか?」と主審が聞いてきたのを、Keiは軽く構えて応える。その瞬間、会場は割れんばかりの声援で覆われた。マスクマンの壮絶な攻撃の前に、大抵の相手はここまででノックアウトしてしまう。だが、バックドロップを喰らってもまだ立ち上がり、続行の意志を示したのだから、これでもう燃えてこない格闘ファンはいないだろう・・・。
「ファイッ!!」
再開の合図。2人とも攻撃に出ることはなく、暫く間合いの取り合いをした。
「・・・確かに、アンタの言うとおりだ・・・。俺は、真に強いヤツを表層だけで計ろうとした・・・油断しまくっちまったわけだ・・・」
Keiが僅かに口を開く。マスクマンは構えたまま黙ってそれを聞いていた。
「まさか、この街で・・・こんな『闘い』が出来るとは思わんかったよ。
本気
マジ
で・・・行かしてもらうぜ・・・」
Keiは、左半身を後ろに引き、構えを取り直した。さっきの構えとは逆の左利き用の構え・・・『サウスポースタイル』と言うヤツだ。
トッとKeiが地面を蹴り、マスクマンに肉薄した。
ドドウッ!!
目にも止まらぬ、パンチのワンツー。右構えの時とは、比べものにならない速さだ。
「ぐっ!!」
両手でガードするも、その速さと衝撃に呻きを上げる、マスクマン。
「ぉらあっ!!」
ゴッ!!!
そして、左拳。これにはなんと、180あるマスクマンの巨体が浮いた。更に、
がががんッ!!!
その勢いを殺さず、左の回し蹴りを3連打。空中に浮いているため、まともな防御姿勢がとれない。マスクマンは、何とか両手でこれを受けていた。だが、着地体勢がうまくとれず、降りたときにふらついた。
「死ねぇっ!!」
そして・・・トドメの言葉を吐き、がら空きになった頭部へ右のハイキックを当てにいった。
ばきゃぁぁっ!!!!!
決まった・・・・・・・・・・・かのように、思えたのだが・・・・
マスクマンは、その蹴りを、なんと右腕一本で止めていた。止めたマスクマンの右前腕が一回り太くなっていた。折れたのではない・・・筋肉を膨張させ、Keiの蹴りの衝撃を押し返したのだ。
「っ!!!」
蹴った体勢のまま、呆然とするKei。そして・・・勝負がこの瞬間に決まった。
ゴキィィッ!!!!
その右腕で、Keiにボディアッパーを喰らわす。そのまま、なんと突き上げ、まるで串刺しにしたかのようにKeiを持ち上げる。
「が・・・ぼっ・・・・」
突き上げられたまま、胃液を吐き出すKei。意識はこの時、
とんだ
・・・
。更に・・・
「ふんっ!!」
Keiの体は、マスクマンの頭上で両手に持ち換えられた。この技は・・・『
神の鉄槌
パワーボム
』!!
ズドゴガッ!!!!
再び、頭から落とされるKei。今度は悲鳴すら上げずにその大地に叩き付けられた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
Keiは沈黙した。審判がカウントを取ろうとするが、マスクマンがそれを止め、首を振る。
「あぁ・・・」
悲痛に呻く、メロディ達。
やがて、マスクマンの優勝が高らかに宣言された・・・。
このあと、Keiは医務室に運ばれ、2時間後に意識を取り戻した。
メロディ達がお見舞いに来たのだが、その時まだKeiは目が覚めていなかった。
そして、今年のB−1グランプリはマスクマンが初めて、グランプリに登場したとき以来の盛り上がりを見せ、その華やかなフィナーレを飾ることが出来た。
それから、2週間・・・
「パティちゃ〜ん、こっちお酒追加ねぇ♪」
「ボクはチーズケーキ!!」
「あたしも、同じヤツ!!」
「え〜と・・・メロディはねぇ・・・」
日曜の丁度食事時・・・さくら亭の中に妙に騒がしいテーブルがあった。
「て、てめーら・・・す、少しは遠慮ってモンを・・・」
Keiは困り果てて、そのテーブルに着いていた。その原因となるのは・・・さっきから、好き勝手に注文を出してる、由羅、トリーシャ、ローラ、そしてメロディであった。
「なぁ〜に男の子が細かいこと言ってんの?それとも、なに?メロディだけしかおごらないわけ?それ とも、メロディにだけおごりたかったのかなぁ〜?」
由羅が意地悪くKeiに絡みだした。
「ふ〜ん、やっぱ、Keiさんってメロディだけ特別なんだ〜?」
「きゃー!!なんか、アツアツって感じ〜!」
トリーシャとローラが騒ぎ出す。今度は、焦りあたふたするKei。
「お、オメー等!!なんちゅうことを・・・」
どうしてこんなことになったかというと・・・Keiは、負けたとはいえ準優勝したのでそれ相応の賞金が出た。それで一応約束したこともあり、メロディに飯をおごってやると言った。ただ、これがまずかった。このことは、メロディの口から、由羅に伝わり、トリーシャやローラにまで広がった。
あとは、「お約束」。メロディがさくら亭に3人を連れて、やってきたのだった。
「ふみ〜?Keiちゃん。メロディ、桃のケーキをたのんでもいいですか?」
「あ・・・あぁ。いいぜ・・・」
「う・わーいっ!Keiちゃん、ありがとうございます〜」
メロディに満面の笑顔でお礼を言われると、何故かしら、3人のことはどうでも良くなってしまうKei。
(しゃあねぇか・・・)
そう思い、一度賞金の入った袋を確認すると、冷めかけたコンソメスープを一気に飲み干した。
そして、その夜・・・とあるコンドミニアムの一部屋。
「すまんな、リッキー・・・あんなことを頼んで・・・」
「いや、私自身、彼の力を知りたかったのでな・・・。実際、あれ以上やっていたらこっちが危なかった」
「その右腕・・・結構痛むのか?」
「まぁ・・・ずいぶん痛みはひいてきているが・・・恐ろしい威力だが、あれでもまだ『全力』というわけではないだろう・・・」
「へぇ・・・あのバカが・・・リッキーにそこまで言わせるなんて・・・」
「ジャン・・・今度は自分で試してみたらどうだ?」
「いや・・・俺はまだ、遠慮しておくよ・・・とりあえず、今日はお前のおごりだろ?」
「ああ。私としても、あれほど莫大な金を持ってても困るのでな・・・」
「じゃあ・・・B−1最強の
格闘家
おとこ
に、乾杯!」
キンッ・・・
格闘家
おとこ
達は、子の代わりに
命を背負い、命を賭ける賭場に立つ。
ALL OR NOTHING?
生か死か?
最後に笑え、『
格闘遊戯
かくとうゆうぎ
』。
(つづく)
(作者より)
長い・・・。
一応、B−1GP編、完結です。戦闘シーンって書いてると・・・キリがないような。
でも、書いてて一番楽しいのも、これなんだけど・・・(次はメロディ×Keiのシーン♪)
次回は・・・まだ決まってません。
一度、ギャグを書いてから・・・新キャラを出そうと思ってます。その時は一応、シリアスで・・・。
では、また・・・。
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