中央改札 交響曲 感想 説明

First DateREIM[HP]


 季節は9月−空に秋雲流れるの下のもと、昼過ぎの『さくら亭』では…。

 「う〜、退屈だよぉ〜」とテーブルの上に黄色のおっきなリボンが突っ伏していた…。
 今、店内には…シーラ、パティ、トリーシャ、ローラ、セリーヌ、ディアーナの6人がのんびりとくいつろいでいた…。
 但し、一人だけ除くけど……。
 「退屈ってね…こんな天気のいい………いっつも騒々しいあんたなら、しょーがないか」と急に笑いながらからかうパティ…。
 「それ、どーゆうイミなのさっ!?」とがばっと顔を上げてパティにくってかかるトリーシャ。
 「じゃあさ、たとえば…今日一日『ジっとしていなさい』と言ったら、ジっとしていられるのかなぁ〜?」「むぅ〜っ」
 事実だけに否定出来ず、むくれてしまうトリーシャ…。
 「そう言ってるパティちゃんもじっと出来ないもんね」とちょっと笑いながらシーラ。
 …それを聞いた瞬間、口の端がひくひくしているパティ…。
 「で、でも、トリーシャちゃんじゃないけど、ほっんとなぁんにもないねっ」と慌てて茶々を入れるローラ…。
 「そ、そうですね、マリアちゃんみたいにハタ迷惑な自爆もありませんし…」とこれまた慌てて話題をふるディアーナ…。
 「そうね、マリアちゃんみたいな魔法のせいでお店壊れてないしね」と思わず微笑むシーラ…。
 「あは、マリアちゃんみたいに魔法を暴発させて、道におっきな穴もあいてないしね」と合いの手を入れるローラ…。
 「ほんとほんと、マリアみたいに魔法でケガ人出してないし」とつられて笑うパティ…。
 「うんうん、マリアみたく魔法薬で不幸にした人いないし」と思わず同意するトリーシャ…。
 「それとぉ〜、マリアさんみたいに誰も喧嘩していませんしぃ〜」と締めくくるセリーヌ…。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ……良くも悪くも人気者(?)のマリアちゃんであった(笑)。ちゃんちゃん♪
 (マリア「どーしてっ、いちいちマリアを引き合いに出すわけぇーっ!!?(怒)」)

 「やっぱ…たいくつよねぇ〜」とローラ…結局、話はここに戻って来るらしい…。
 「あ、そだ。みんなでさ、『初めてのデート』っていうコトで話しない?」と今思いついた様にトリーシャ。
 『え…』と言ったきり黙りこくってしまうパティとディアーナ…。
 「そ、それは…ちょっと…」急にもじもじするシーラ…。
 「へぇ〜、おもしそう、やろやろ♪」乗り気のローラ…。
 「はあ…」なぁんも考えていないセリーヌ…。
 …と様々な反応を示している時に…。
   カララン…♪
 カウベルが鳴る…。
 「あ、いらっしゃい〜♪…あれ、アリサおばさんじゃないですか? どーしたんですか?」とアリサに声をかけるパティ。
 「ミュンさんのお手伝いなの。お一人でお花の配達してるの、大変そうだったから」と答えるアリサ。
 「一人で大丈夫ですよって、言ったんですけど…」とアリサの後ろからミュンが顔を出す。
 「ふ〜ん…あ、お花はそこのテーブルに飾っておいてくれる?」「あ、はい」とパティが指差したテーブルに花を飾るミュン。
 「それで、みんなは何のお話をしていたの?」と尋ねるアリサ。
 「えへへ…実はね…」と話し始めるトリーシャである…。

 「あら、面白そうね。私もいいかしら?」と開口一番、こう言うアリサ。
 トリーシャは『どーする?』といった表情で一同を見渡した…。
 「いいんじゃないの?」と答えるパティ。
 「そうそう、それとミュンおねえちゃんもいいでしょ?」「え? え? え?」
 と突然、ローラに話を振られて困惑するミュン…。
 「じゃ、決まりだね♪ え〜と、順番はどーしよか?」とトリーシャ。
 「あの、あの、あの…」…誰も聞いてくれなかった可哀相なミュンちゃんである…。
 「アリサおばさんのは最後に聞きたいから…ファーストネームのアルファベットの逆順ね」これはパティ。
 「ゑ…?」…ジト汗を垂らし、絶句するトリーシャちゃんである…だってねぇ…彼女のイニシャルは『T.F.』なのだから、
 当然の反応であろう…。
 ちなみに…このパティの『提案』は賛成多数、反対意見ムシ(笑)で『可決』と相成った…。

 「とほほ…結局ボクが一番…」と溜息まじりにトリーシャ…。
 「はいはい、グチるのはあと。早く話しなさいって」これはパティ。
 「むぅ〜、じゃあボクからいくよ…今年の1月だったかな…?」
 「きゃは♪ 確か、おにいちゃんと演劇を見て『ラ・ルナ』に食事に行ったんでしょ♪」とトリーシャの代わりにローラが
 こう言い終えるや否や。
 「演劇ぃ〜? お食事ぃ〜? テェルトさんとぉ〜?」…セリーヌのジト目攻撃を受ける…。
 「わあ〜っ!? せ、セリーヌさん落ち着いてぇ〜、もう時効なんだからぁ〜っ!!」と慌ててなだめるローラ。
 「ろぉらぁ〜、時効ってどぉゆうイミぃ〜?」今度は…トリーシャに睨まれる…。
 「え〜ん、誰か助けてよぉ〜」と泣きまねをするローラちゃん…。
 「それでトリーシャちゃん、どうだったの?」このアリサさんの問いで一触即発の事態は回避された…。
 「そうそう、ティルトさんってば、コース料理のマナーも知らなかったんだよ♪」と楽しそうにティルトの失敗をしっかと
 バラしていたりする(笑)。
 「うっわぁ〜、そーゆう人ってヤダなぁ〜」と自分のように嫌がるローラ。
 「でもさぁ、フィムさんも同じ失敗をしてると思うんだけどね、ボクは」とトリーシャ。
 …ここでちょっと確認しておくと…今、彼女の右隣にシーラちゃんが座っていたりする…よって…。
 「っ!!!!?」とトリーシャちゃんのお尻に突然、つねられたような痛みが走っても別に驚くようなコトではない(笑)。
 一方、『加害者』はというと…。
 「次は私の番ね」となに食わぬ顔をして微笑んでいた…。

 「私の場合は……」…以後、シリーズ4作目『でーと・うぉーず』を参照のコト(笑)。
 (パティ「…手…抜き過ぎ…(呆)」 シーラ「…くすんくすん……(泣)」)

 「じゃあ、あたしの番か…」とシーラの話を聞き終えた後、こう呟くパティだったが…。
 「パティちゃんは彼氏いないから、飛ばしてミュンおねえちゃんの番だよね♪」と隣に座っていたローラの余計な一言…。
 その瞬間、
 「………ろぉらぁ……」ぞっとするような声とともに。
 「いしゃいっ、いしゃいよぉ〜」と頬を力いっぱい引っ張られていた…。

 「私の…ですか…?」と恥ずかしげに口を開くミュン…。
 「そうそう♪」と瞳を輝かせるトリーシャ。
 「そうですね…去年の冬、一緒に『雪の花』を探しにいった時かな…?」と話すミュン。
 「え? それってどういう花なの?」と尋ねるシーラに、
 「それ、ボクも見てみたぁい〜」興味深々の表情になるトリーシャ。
 一方、
 「…うらやましいわね…」ぽつりと呟くパティ…。
 「うわぁ〜、ロマンチックぅ〜。早く冬にならないかなぁ〜」とうっとりするローラ。
 「そうね、あたしも見てみたいし」と相づちを打つパティ。
 「…それよりもですね…一緒に見てくれる人、見つけるの先だと思うんですけどぉ…?」
 …このディアーナの当たり前すぎる指摘に対し……。
   どかっ(×2)
 「……うぅ……」…テーブルの下で両スネを思いっきり蹴られていた…。

 「え〜と、次はあたしよねぇ…昔ね、サーカス団にティリーくんというコがいてね…」といつもの彼女には似つかわしくない
 しんみりした声で話し始める…結論から言うと…そのコとは…永遠の別れと相成ったが…。(←詳しくは小説版を参照のこと。)
 …とまあ、ローラの話を聞き終えた後に…。
 「あのぉ〜、ローラさん、ティリーさんって、どなたのことでしょうかぁ〜」とのんびりとした声で尋ねるセリーヌ…。
 間髪を入れず、
   どがたぁんっ!!
 と…椅子ごとひっくり返ったローラちゃんであった…。

 次はディアーナであったが…。
 「ディアーナさんも彼氏いないから、セリーヌさん、どーぞ」「うぅ…」
 トリーシャの無情な指摘に滂沱の涙を流すディアーナであった…。

 開口一番、セリーヌは…。
 「え〜とぉ〜、私、デートしたことがないんですぅ〜」と意外すぎる言葉をつむいでいた…。
 『ゑ…?』瞬時に固まるシーラ、パティ、ローラの3人…。
 「あの、どうしたのですか?」3人を見て首を傾げるミュン…。
 「だってだって、おにいちゃんと…」真っ先に復活したローラが言い掛けるが、
 「ティルトさんとデートしているとぉ、いつもトリーシャさんとクレアさんに邪魔されるんですぅ…」かなり寂しげな口調で
 答えるセリーヌ…。
 …この瞬間、シーラとミュンにジト目で睨まれるトリーシャ…。
 「そんなの当たり前じゃないかぁ〜っ」…ねえ、なんか開き直ってない? トリーシャちゃん?
 「でも、そんな事したら駄目よ、トリーシャちゃん?」とやんわりと注意するアリサ。
 「うぅ…」…こうなっては反論の『は』の字も出来ないトリーシャであった…。

 「さて、ラストはアリサおばさんだね」とわくわくするトリーシャ…他の面々も興味津々な表情をしている…。
 「それでアリサおばさんのは…」と口を開くパティの前に、
   どんっ
 と大きめな岡持ちが置かれる…。
 「…なに、コレ…?」「出前。場所は自警団だ」と父親のそっけない一言…。
 「なんでぇ〜っ!?」…なんでって…あんた、『さくら亭』の看板娘でしょ…?
 すると…。
 「あら、それでしたら私が行って来ますわ」と岡持ちを手にするアリサ。
 「そうですか…なら、手間賃はコイツから取ってやって下さい」と言って一人娘を指差す…。
 「それじゃあ…続きはまた別な日にね…」と言い残して『さくら亭』を出るアリサ…。
 その間…頭の中が白くなっていたのか…何も出来なかったパティ…。
   じぃ〜っ
 という5対の視線を感じて…正気に戻るパティ…
 「な、なに…?」『パティ(ちゃんorさん)…どうしてくれるんですか…?』
 ……罰として…他の5人に定食をおごるハメになったパティであった…。

     ≪Fin≫


 [あとがき]
  トリーシャ「なぁんか、アリサおばさんだけ得したって感じぃ…」
  ローラ「…言われてみれば…」
  ディアーナ「一番の不幸な人は…パティさんだと思うんですけどぉ〜」
  パティ「…ディアーナ…あんたもタカったんでしょーがっ!」
  ディアーナ「…あは…あははは…」
    ごちんっ!
  パティ「笑ってゴマかす気かっ!?」
  トリーシャ「でも、やっぱアリサおばさんの『初デート』っていうのは…」
  REIM「書きづらかった…というよりも、書くのが恐かったというのが正解ですね…」
  ローラ「『恐かった』って…ファンの視線が…?」
  REIM「ええ、まあ」
  パティ「(深呼吸してから…)どーせ、暇つぶしに書いたもんでしょーけど…なさけないわねぇ」
  REIM「…否定出来ない…」
  セリーヌ「それでぇ〜、次回作はどうするのですかぁ〜」
  REIM「色々と書くネタがあり過ぎてね…まだ決めてないんです…」
  パティ「それはいーけどさ…そろそろ気をつけたほーがいいわよ…」
  REIM「?? 何故です?」
  ミュン「2話連続、フィムさんが出てませんよ…?」
  REIM「(やばっ)」

   この後、どうなったかは…みなさんのご想像にお任せします…。
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