中央改札 交響曲 感想 説明

−Symphony−バースデー・シンフォニーREIM[HP]


 食堂感謝祭(5/15)で調子に乗り過ぎたアルベルトが妹に殴り倒されたり、修学旅行(6/5)でノゾキをしようとした
 アレフがルシードに制裁されたり、プール開き(7/17)でマリアとローラが言い争いをしたりとごくごく些細なトラブルが
 あったものの…いつも平穏な悠久学園では…。

 「…という訳なんです。お願い出来ませんか…?」「ええ、そういうことなら私もお手伝いするわ」「ありがとう御座います」
 「すいませんね、アリサさん」とリーゼとアレフ、アリサの3人が食堂で何やら深刻な表情で話をしていた…。
 「あ、リーゼさん、アレフさんっ。どうだったのっ?」と彼らに駆け寄るトリーシャ…クレアも一緒である…。
 「ああ、トリーシャか…こっちはOKだぜ。で、そっちはどーなんだ?」「私たちの方も問題はありませんわ」と答えるクレア。
 「うんうん、明後日が楽しみだね♪」と嬉しそうな顔でトリーシャ。
 すると…。
 「ねえ、何が『楽しみ』なのよ?」「「!!!!?」」後ろから聞こえて来た声で垂直に飛び上がるトリーシャとクレア…。
 「あ、あら、シェール、ど、どうしたの…?」珍しい事に少し慌てるリーゼ…。
 「あたしがここに来ちゃ悪いワケ?」「別に悪いワケじゃねぇさ。ただ、な」「『ただ』…なによ?」
 と会話するアレフとシェール…。
 「お前がいきなり声をかけたから、そこの二人、びっくりしてるぞ」と指差す…。
 「へ? なんでなんで?」「…シェール…あなたね…」…呆れるリーゼお姉さんである…。
 この状況を見ていたアリサは
 「あらあら…」と静かに微笑んでいた…。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 翌日…高等部2Cでは…。
 「…ティセちゃん…ちょっといいかな?」「はや? シェールさん、ティセに御用ですかぁ?」きょとんとするティセ。
 「うん…あのさ、ティセちゃん、あたしに隠し事してない?」とシェール…その表情は曇っていた…。
 「て、ティセっ、か、隠し事はしてませんっ!」とまあ思いっきりどもるティセ…。
 「ほんとにぃ〜?」「うぅ…」ジト目で睨むシェール…。
 丁度、その時。
 「やっほ〜、ティセぇ〜。早く…」と言いかけて……間髪を入れずに『回れ右』で逃げ出す少年体形の少女…。
 「こらっ、どーして逃げるのよっ!? ルーティちゃんっ!!」「あ、あは…シェールもいたんだ…」
 とバツの悪そうな顔をするルーティ…。
 「…で、二人して、なに隠し事してるのよ…?」…拳を握り絞める…。
 「ど、どうして、そう思うのよ…?」とじりじりと後退りしながら−ティセも一緒である−尋ねるルーティ…。
 「それよりも…どーして逃げるワケ…? あたしに言えないコトでも企んでるの…?」とシェール…ちょっと恐いかも…。
 「あ、あは…そ、そんじゃあ、まったねぇ〜っ!!」とティセを引っ張って教室から逃げ出すルーティ…。
 「あっ、こらっ!? 待ちなさいよっ!!」と言うや否や。
 「んきゃぁぁぁぁっ!!?」「あひゃあっ!!?」という悲鳴とともに…。
   ずだだだぁんっ!!
 …誰かが階段から転げ落ちたような音が聞こえて来た…。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 その翌日の放課後の体育館…。
 「はぁ…」と溜息を吐くシェール…。
 「…なんでみんな…あたしのコト、避けてんだろう…?」と力なくこぼす…。
 そして、腰を屈めて足元にあったバスケットボールを拾い上げると…。
 「みんなのばかぁーっ!!」と力一杯、あらぬ方向に投げつける。
 ちょうど、その時。
 「お〜い、シェール…」
   ずっばぁんっ!
 と紫色の銀髪の男子学生の顔面に命中する…。
 「げっ!? る、ルシードくんっ!? だ、大丈夫っ!!?」慌てて駆け寄るシェール…。
 「…っつ…オレに恨みでもあんのかよ…?」ジト目で睨むルシード…
 「そ、そーゆうつもりじゃないだってばっ」「じゃあ、どーゆうつもりだったんだよっ!?」声を荒げる…。
 「ちょ、ちょっとムシャクシャしてたから…」「ほぉ…ムシャクシャしてただけで…ボール投げつけられたのか…オレは?」
 「うぅ…ご、ごめんってばぁ…」と小さくなるシェール…。
 「でだ、なんでムシャクシャしてたんだよ?」取りあえず訳を尋ねる事にするルシード。
 「うん…実はね…」と一昨日からあった事を彼に話し始める…。

 「…というワケなの…」と話し終えるシェール…。
 「ふぅん…それでムシャクシャしてたワケか…?」「うん…家でもお姉ちゃんもあたしのコト、避けてるみたいだし…」
 「ま、仕方がねぇか…」と小声でぼそりと呟くルシード…。
 「『仕方がない』って…どーゆうコトっ!?」聞きとがめたシェールがくってかかる。
 「さあな…ほれ、行くぞ」「『行くぞ』て、ドコへよっ!?」「学食」と一言で答えるルシードである…。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「お誕生日おめでとうっ、シェールちゃんっ!!」と学食に入るや否やフローネの祝いの言葉が投げかけられる。
 「へ? 誕生日って……あたしのっ!?」目を丸くするシェール。
 「…シェール…もしかして…忘れてたの?」半ば呆れた声を出すリーゼ…。
 その横では…。
 「ルシード…ずいぶん遅かったようだが…何があったんだ?」と尋ねて来るルー。
 「んあ? なに大したコトじゃねぇ…こいつが嫌われたんじゃないって、一丁前に落ち込んでいたんだ」と答える。
 「『一丁前に』ってなによっ!?」「事実だろ?」「仲がいいのか悪いのか…」呆れるルー…。
 「そ、そんなコトよりもっ、ルシードくんっ! みんながあたしを避けてたワケ、知ってたのっ!?」とシェール。
 「ああ、パティやフローネがな…サプライズ・バースデーでやろうと言い出したからな」と裏話をばらすルシード。
 一方…パティとフローネは…。
 「こ、こらぁ〜っ!」「せ、センパイっ!?」とまあ『あたふたふぇすてぃばる』になる二人…。
 「…あのね…」こねかみをほぐすシェール…。
 「でもね、シェール…みんなにあなたのバースデーパーティをやりましょうとお話を振ったの、私なのよ」とリーゼ。
 「…お姉ちゃん…」…なんて言っていいのか判らないシェール…。
 「でもな、リーゼさん。ちょっと露骨に避けすぎたんじゃねぇか? 身内に避けられるほどイヤなものはねぇしな」とルシード。
 「…ごめんなさいね…シェール…」と謝る…。
 「ううん…もう怒ってないから気にしないで、お姉ちゃん…あたしの為に一生懸命だったんでしょ?」とシェール…。
 「あの…シェールさん、早く席に着かないと…パーティ始まらないんだけど…?」と声をかけるシーラ。
 「え、う、うん…わかったわ…」と言って主賓席に着くシェール…。
 それをきっかけに…シェール・アーキス17歳のお誕生日会が始まった…。

 後日、シェールはこの日を振り返り、こう述懐していた…『家でお姉ちゃんと二人だけの誕生日もいいけど…みんなと一緒に
 祝ってくれた誕生日もよかった』と…。
中央改札 交響曲 感想 説明