中央改札 交響曲 感想 説明

二人だけの秋祭り ≪後編≫REIM[HP]


 その日の真夜中…。
 「ただいま…おや、どうしたのかね?」と帰宅したリカルドが留守番をしていた唯樹に尋ねる…。
 リビングでは…まだ本を読み漁っていた唯樹と泣き疲れたのか彼のヒザを枕にして眠っているトリーシャがいた…。
 「あ、リカルドさん、お帰りなさい」「ああ、ところでこれは一体?」と訝しがるリカルドにさっきあった事を話す…。
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 「なるほど…そういう事があったのか…」と納得するとともに…何かを心に決めたような顔になるリカルド…。
 「ええ…ところで、ちょっといいですか?」「なにかね?」「この本に書かれているコトですが…」と言って一冊の本を見せる。
 「……『魔宝』…?」聞きなれない単語に首を傾げるリカルド…。
 「ええ、なんでも…これを集めて『暁の女神』のところに行けば、なんでも願いが叶うそうなのですが…」と唯樹…続けて、
 「詳しいコトは判りませんか?」と問い掛ける…。
 「…私が知らないが…ナッツくんなら知っているかもしれんな…」差し当たり、こう答えるリカルド…。
 「…そうですか…今日は遅いから昼頃にでも聞きに行ってみますか…」と唯樹。
 「聞きに行って、どうするのかね?」「ええ、探しに行きますよ。これ以上、リカルドさんには迷惑はかけられませんから」
 とリカルドの問いに答える…。
 「それは…もといた世界に戻るという事かね?」と彼に気づかれずに幸せそうに寝ているトリーシャに目を移すリカルド…。
 「ええ。元々、この世界の住人ではありませんから」と『なぜ、そんなコトを聞くんだろう?』という顔で答える唯樹…。
 「そうか…なら、ナッツくんに合うのなら朝の方がいい。彼は結構忙しいから…」とリカルド…続けて、
 「だから、もう休みなさい…」と諭すように声をかける。
 「そうですか…それではお言葉に甘えて…」とそっとトリーシャの頭をクッションに移すと…そのまま自分の部屋に戻る唯樹…。
 彼の姿が見えなくなると…。
 「…さて……トリーシャ、寝るのだったらちゃんと自分の部屋で寝なさい」と言って娘を揺さぶり起こす…。
 「…ううん……あれ? お父さん…?」と寝ぼけ眼のトリーシャ…そして、あたりを見回し…。
 「…あれ? 唯樹さんは…?…ドコにいったのっ!?」…急に不安げな顔になる…。
 「唯樹くんなら自分の部屋に戻ったよ」この父親の台詞でほっとした顔になるトリーシャ…。
 「そっかぁ…もう、一言を声をかけてくれればよかったのに…」ちょっと怒った声でトリーシャ。
 「はは、気持ちよさそうに寝ていたから起こすのも悪いと思ったのだろう…」とリカルド…続けて。
 「まあ、朝にナッツくんに尋ねたい事があるそうだから、早く休みたいと思ったのかもしれんが…」「尋ねたいこと?」
 と首を傾げる娘にさっきの本を見せる…。 
 「なにこれ…?」……読み進んでいくうちに…。
 「……ボク、そんなの許さないからっ……!」と何かを固く心に誓ったような顔になるトリーシャ…。
 「今日は遅いから…明日にしなさい…」と…朝にちょっとしたどたばたが起こる事を…予想した父親がこう諭していた…。

 翌朝…。
 「ふぁ〜あ…さてと…」とアクビしながら玄関に行く唯樹。
 すると。
 「唯樹さんっ! ドコに行くのっ!?」と後ろから声をかけられる…。
 「あ? トリーシャ、おはよう…?」と振り返りながら挨拶するが…。
 「………」…無言で睨まれるだけであった…。
 「…どうしたんだ? 一体…?」「ボクに黙って、自分の世界に帰るつもりなんでしょ?」と答えるトリーシャ…。
 「…なぜ、知ってるんだ…?」「昨日、お父さんから聞いた」…内心、リカルドを罵倒する唯樹…。
 「で、それを詳しく聞く為にナッツさんのトコに行くんでしょ?」「………」反論出来ない…。
 「そんなのっ、ぜぇーったいに許さないっ!」「ゆ、許さないって……?」思わず言葉に詰まる…。
 「…なんで…そこまで言われなきゃなんないんだ…?」辛うじてこう呟く…。
 それに対し、(……3度目の失恋…してたまりますかっ……!)と口の中で呟くトリーシャ…。
 「…とにかくだっ、オレは行かせてもらうよ」と強引に出かけようとする唯樹……だったが…。

 その頃、リビングでは…。
 「…ふむ、やはりな…」と呟くリカルド…。
 しばらく言い争っていたが…。
 「…トリーシャチョップ、逃げるなバージョンっ…!!」
   どごっ!!
 「…昨日、親身になってトリーシャのグチを聞いていたのが運の尽きのようだな…唯樹くんも…」と彼の悲鳴を聞きながら何か
 書類を書く父親である…。

 変わって…孤児院では…。
 「ふっふ〜ん…♪」とはちきれそうな笑みを浮かべて朝食の準備をしているセリーヌ…。
 「ふわぁ〜」「あらぁ〜、ローラさん、おはよう御座います」とアクビして食堂に入って来たローラに挨拶する…。
 「おっはよっ、セリーヌさん。なんかいいことでもあったの?」「あらぁ〜、わかりますぅ?」と答える。
 「まあね。で、なにがあったの?」とわくわくして聞き出そうとするローラ。
 「はぁい〜、実はですねぇ…」「なになに?」
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 数分後…。
 「ええーーーっ!!? き、昨日、ティルトおにいちゃんとキスしたって、ホントぉぉぉぉぉぉっ!!!?」
   ばさばさぁ〜
 …このローラの悲鳴に近い絶叫で…屋根に止まっていた鳥達が驚いて…一斉に飛び去ったという…。

 昼頃…自警団事務所では…。
 「なぜだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」
 リカルド直筆の『果し合い状』(笑)を握り絞めながら絶叫するティルトと
 「……ドクター、呼んどくか…?」「…神父さんの方が早いんじゃないの…?」
 彼にこんな突っ込みを入れるアルベルトと美穂の姿があったという…。

     ≪Fin≫


 [あとがき]
  トリーシャ「…ボクを2回も失恋させて楽しい…?(お手々ぷるぷる…)」
  REIM「……(大汗)」
  ティルト「…トリーシャはまだいいよ…俺なんざ…大変だったんぞ…」
  トリーシャ「それはとーぜんの報いだよっ! ボクのことを捨てたんだからっ!!」
  パティ「……女の敵……(ジト目でティルトを睨む…)」
  ティルト「こ、こらっ! 誤解を招くような言い方をするなっ!!」
  フィム「制裁するなら≪イフリータ・キッス≫をかけてあげるけど?」
  パティ&トリーシャ「(無言で頷く…)」
    どかばきっ!!(←ただ今、ティルトを制裁中…)
  ナッツ「…オレの予想だけど…ティルトとセリーヌとの関係を整理する為に書いた話じゃないのか? これは?」
  REIM「ええ、その通りですよ…流石にトリーシャさんをこのままにしておくのも可哀想になって来ましたからね」
  フィム「ふぅん…で、クレアの方はどーするんだ…?」
  REIM「クレアさんですか…? 彼女のEDをクリアしてから考える予定ですけど? なにか?」
  フィム「だ、そうだ…アルベルト…」
  ナッツ「≪タイムズ・ウィスパー≫でいいか?」
  アルベルト「…恩にきる………くたばれぇぇぇぇぇっ!!!!」
    ごすっ!!!(←作者が槍で叩きのめされた音…)
  アリサ「あらあら…みんな、ケンカはだめよ?」
  ローラ「…あ、アリサおばさん…それ、なんか違う……(汗)」
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