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バースディー・フェスティバル〜プロローグ−きっかけの『手紙』〜REIM[HP]


 ここは魔法都市フィロンにある大陸魔導師協会本部では…。
 「…という事で、前回から4年過ぎています。ご裁可をお願いします」と『闇の賢者』が協会の長老達に裁可を求めている。
 「判りました。この件については至急に予算書を提出して下さい。提出とともに裁可致します」と返答するミュリエル大長老。
 「それにつきましては『水の賢者』がまとめていますので…」と言って隣に座っている女性に視線を向ける…。
 「はい、予算書は既に仕上げてあります」と言って書類を提出する『水の賢者』。
 「…早いですね…」感心しつつ呆れた声でルフィミア長老…。
 「それで…今回はどこでやるの?」と尋ねるルミナ長老。
 「はい、今回はエンフィールドになります」即答する『水の賢者』。
 「ふぅん…エンフィールドですの? 確か『理の導師』からの問い合わせがあるのではなくて?」これはダナティア長老。
 「そうですね…ではルミナさん、その回答も含めて説明に行ってもらいませんか?」と大長老。
 「え? わたし…ですか? 別に…かまいませんけど?」とちょっと困った顔で…返事する…。
 「では、よろしくお願いします…」…それで会議が終わった…。

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 「いてっ!」「どうしたんですか…?」と心配そうに声をかけて来るミュン。
 「ああ、たいしたことないよ。バラの棘が…」と刺さった方の手をぷらぷらと振る。
 しかし、それを聞いたミュンの方はというと…。
 「大変、急いでトゲを抜かなきゃ……指、見せてください」と慌ててその手を取ろうとする…。
 「えっ……! いいよ、たいしたことないし……」妻の大げさ反応に面食らうナッツ…。
 「いいから見せて下さい。あとでバイ菌が入って熱でも出たらどうするんです。私、心配です……」「わかったよ…」
 流石に心配そうな顔をされると強く出れないらしい…素直に指を見せる…。
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 「はい、とれました……あとは消毒するだけです。ちょっと待ってて下さい。今、奥から消毒液とってきます」と踵を返す…。
 「いつも気を使わせて悪いね」と心から礼を言う…。
 「そんな、これくらい奥さんとして当然です」と答えるミュン…続けて、
 「……愛してます、あなた…」とちょっと照れながらこう言う…。
 「……ミュン…」と見詰め合う二人…。
 …ちょうど…その時に…。
 「…こほん…」とワザとらしい咳払いが聞こえて来たりする(笑)。
 『えっ!?』と驚いて店の入口の方に視線を向けると……顔真っ赤にしたシーラが立っていたりする…。
 「もう…昼間から仲の良さ、見せつけなくても…」と言うけどね…シーラちゃんが言ってもね、全然説得力がないんだけど…?
 「そ、それで、な、なにかしら?」とちょっと慌てて尋ねるミュン…。
 「それよりも…消毒液取りに行かなくてもいいの?」とシーラ。
 「あ? そ、そうね」と言って慌てて奥から消毒液を取りに行く…。
 「それで、なんの用?」と尋ね返すナッツ。
 「ええ、魔術師組合からナッツさん宛てにお手紙を預かって来たんだけど」と言って一通の手紙を渡す。
 「オレ宛てに…?」と受け取ってから差出人を見ると…「ああ、協会からか…」と納得する…。
 「どうしたの?」と消毒液を手に戻って来るミュン。
 「協会からの返事だよ」と言って封を切る。
 「…………なに、これ……?」と目を通した瞬間、こう呟く…。
 手紙には…『ルミナ長老を行かせるので、詳しい事は彼女に聞いて欲しい』の一文だけが書かれていた…。
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