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バースディー・フェスティバル〜第1話−お転婆ルミナちゃん(笑)〜REIM[HP]


 それから数日後のこと…。

 「お久しぶりです、ルミナ導師」「そだね、ナッツさんとミュンさんの結婚式以来だもんね」と挨拶する師弟。
 補足しておくと…ルミナ長老−ハーフキャットの女性で、本名はルミナ・ティンカーベル−ナッツが導師として修業をしていた
 時の担当導師にあたり、彼にとっては師匠ともいえる存在である…。
 「それで…問い合わせの件ですが…?」と本題に入るナッツ。
 今、ここに−『さくら亭』である−集まっているのは…ナッツやルミナ、ミュン、リカルド、トリーシャ、唯樹の他に…パティ、
 マリア、シェリル、エル、リサの5人である…。
 「『魔宝』のこと…だよね…?」「ええ」と頷くナッツ…。
 「それなんだけど…協会が『スキル&ウィズダム』と言われてた時代にその研究をする為に5つ全部集めたことがあってね…」
 「…5つもあったんだ…」と呟く唯樹…。
 「…それでね…150年前に…」『150年前に…?』と身を乗り出すトリーシャと唯樹…。
 「…私が……………壊しちゃった……」
   ぴしっ
 …一撃で表情が壊れる唯樹…。
 「……マジックアイテムがそんなに簡単に壊れるんですか…?」と尋ねずにはいられないシェリル…。
 「…え〜と…ナッツさん、デイル・マースって人、知ってる?」と問いかける…。
 「…デイル・マースですか…200年ほど前の魔術師ですね…確か…?」と答える…。
 「うん…その人がね、酔っ払って暴れたことがあってね…それでフィロンの街が壊れたことがあったんだけど…」とルミナ…。
 「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ! 酔っ払っただけで街が壊れてたまりますかっ!?」とわめくパティ…そりゃそーだ…。
 「…デイル・マースならありそうだな…」「なんでっ!?」「その実力、神すらシバキ倒すほどだから…」絶句するパティ…。
 「それと『魔宝』が壊れたのとどう関係するのかね?」これはリカルド。
 「うん……それでね、デイルさんを取り押さえようとして私やルフィミアさん…」ここで言葉を切り、深呼吸する…。
 「…シオンさんにティーファさん、それとミュリエルさんやルーファスさん達と攻撃呪文を撃ちまくったんだけど…」
 「けど? なんだ?」と先を促すエル…。
 「……私が唱えた≪メテオロイド・ストライク≫が『魔宝』に……直撃……しちゃったの…」と恥かしそうにルミナ…。
 「…大長老やルフィミア長老だったら、わかりますけど…ルミナ導師の技量では…」とナッツ…。
 「うん、そうなんだけど…その時ね、ルーファスさんにブースト系の呪文かけてもらってたから…」「……納得…」
 「なんで?」「マリア、ルーファス・クローウンって魔術師知ってる?」「全然知らない」…身も蓋もない答えが返って来た…。
 「え〜と…確か…『付与術師』ルーファス…ですよね?」代わりにシェリルが答える…。
 「そう…デイルさんと同世代の魔術師なんだけど…ルーファスさんのブースト系の呪文って…威力、数万倍にするから…」
 と答えるルミナ…。
 『…………』…ナッツを除く一同絶句…。
 「…最も…その爆風で…デイルさんがおとなしくなったけど…」…ついでに言うと…フィロンの街も壊滅状態になったけど…。
 「…そろそろ話題変えないかい…?」と呟くように提案するリサ…なお、この提案はすんなり受け入れられた…。

 「それで…どうして、ルミナさんがわざわざ来たのですか?」と疑問に思っていた事を口にするミュン…。
 「う〜んとね…来月、ナッツさんのお誕生日でしょ?」「ええ、それがなにか?」と訝しがるナッツ…。
 「それでね、他の導師長が『お祭り』をしようって」「『お祭り』??」
 長くなるので簡単に要約すると…。
 4年に一度、24人いる導師長の誕生日の翌日に『技能大会』も含めたかたちで『お誕生日会』を開こうというものである。
 それもその人が今暮らしている街で…。
 「ふぅん、それで今年がその年に当たるんだ」とトリーシャ。
 「で、ナッツがこのエンフィールドにいるから、ここでってわけね」これはパティ。
 「うん、それで私がその準備で派遣されて来たの」とルミナ。
 一方…。
 「…ということはぁ…マリアが知らない魔法がい〜っぱい…」と碧色の瞳がきらきらと輝く…。
 「…いろんな街のお話が聞けますね…」…トリップ直前の紫色の髪の少女…。
 「…ふむ…ナッツくんの実力が判りそうだな…」と呟く街の治安責任者…。
 「…ふぅん…ま、魔法戦闘の参考になりそうだね…」これは元傭兵の台詞…。
 「……くだらん…」…魔法嫌いのエルフの台詞…。
 「……いつもこうなのか…?」この情景にボーゼンと呟く異世界の迷い人であった…。

 時は過ぎ…ナッツの誕生日の朝…。
 「でもさ、意外と気をつかってるんだね」とルミナに問いかけるトリーシャ。
 「うんうん、お誕生日当日は身内でお誕生日会させておいて、『お祭り』はその翌日だなんてね」とローラ。
 「うん。でもこれって、ウェンディさんが決めたことなんだけど」と答えるルミナ−既に準備は一通り終えている。
 「ウェンディさん? 誰なの?」「えと、ナッツさんと同じ導師長の人だよ」「へぇ〜」感心するトリーシャとローラ。
 「ところでさ、その『お祭り』ってさ、ティアも出るの?」とくちばしをはさむパティ。
 「うん、そうだけど?」「大丈夫なの…?」とティアのことを実の妹のように心配するパティ…。
 「うん、でも最後のプログラム以外は絶対ってわけじゃないから」とルミナ。
 「ほんとにぃ〜?」疑わしげなパティ…。
 「あのさ、『最後のプログラム』ってなに?」と問うトリーシャ。
 「それはね………あっ!?」「??? どしたの?」これはローラ…。
 「パティさんっ! あとお願いっ!!」と言い残して裏口から逃げるルミナ…。
 「あーはいはい。がんばって逃げなさいよ」とパティ…。
 『???』…疑問に思うトリーシャとローラ…でも答えはすぐにわかった…。
   カララン…♪
 「ねえ、パティちゃぁん〜。ルミナちゃん、どこにいったのかしらぁ〜」と由羅…。
 「ん、出かけたわよ」…少なくともウソはついていない…理由は別にして…。
 「う〜、またなのぉ〜」と踵を返すが…。
 「由羅、ツケ払ってくれない?」「う……き、昨日払ったわよぉ〜」と抗議する由羅…でも…。
 「あんたのじゃなくて…メロディの分よ」「パティちゃんのおごりで…ダメぇ〜?」それ対するパティの答えは…。
 「あたしだって、お小遣いピンチなんだからね」「うぅ〜、由羅ちゃんってば…不幸…」泣きながら財布を取り出す…。
 一方…トリーシャとローラは…。
 「な、なるほどね…」「ゆ、由羅さんってば、カワイイものに目がないから…」と思わず納得してしまう二人である…が…。
 『さくら亭』の裏口の方から…。
 「うっわ〜いっ! ルミナちゃん、みっけっ!!」「ふにゃぁぁぁぁぁっ!!?」…メロディに捕まっていたりする…。
 ………この後、どうなったかは…………書くまでもないだろう…。

 ところ変わって…ジョートショップでは…
 「ふう…やっと終わったな…2、3日、ぼぉ〜としていたい気分だな…」とハーブティーを口に含むフィム…。
 何しろ、昨日まで『お祭り』の準備に狩り出されていたのだ…こういう台詞が口から出ても誰も非難は出来ないはずだ…。
 「すまんな、巻き込んじまって」「いや、いいって。おかげでウチも結構助かったしな」…協会から提示された報酬は全て正規の
 料金の3割増しだったのだ…昨日時点では大幅な黒字となっていた…そう、昨日までは…。
 「でもすごいですね」「アリサおばさまですもの」と素直に感心するミュンと自分の事のように微笑むシーラ。
 というのも…昨日、その3割分の利益を全て孤児院に寄付したから。
 「でも、アリサ。少しは欲を持ちなさいな。今はあなた一人じゃないんだから」とセーラ−シーラの母親である−が諭す…。
 …娘からこの話を聞いて…フィム以上に驚いていたのだから…ちなみにその時のフィムの反応は…『そうですか』である(笑)。
 今ここにいるのは…アリサ、セーラ、フィム、シーラ、ナッツ、ミュン、テディの6人+1匹である…。
 「でも、私はフィムクンやテディと暮らせるだけの蓄えがあればいいから…」と幼馴染−セーラのこと−に答えるアリサ。
 「はぁ〜、そういうところ、昔のままね、あなたは…」溜息交じりに言う…続けて…。
 「シーラもフィムくんもね、アリサの性格、全部見習ったらダメよ…?」と諭した…つもりだったが…。
 「それで、明日はどうするの?」「ええ、司会はトリーシャちゃんとマリアちゃん、瑞穂ちゃんがやるって言ってたわ」
 とミュンに答えるシーラ。
 「ふぅん…マリアや瑞穂はともかく、トリーシャは盛り上げるのがうまいからなぁ…でだ、ドクターに話はしてあるのか?」
 「ああ、ディアーナと一緒に詰めると言ってるよ」「あと、美穂さんも手伝うって」順にナッツ、フィム、シーラ。
 「あ、審判とかは?」「アルベルトやティルト、あと、ロビンやおっさんがやってくれるってさ」
 …明日の確認に余念がなかったりする…。
 「あ、あのね…シーラ、フィムくん、聞いてるの?」「え? なにか言ったの、ママ?」きょとんとした顔になるシーラ…。
 「うぅ…実の娘にまで無視されちゃうなんて…ママ悲しいわ…」とウソ泣きをするセーラ…。
 「くす、セーラもそういうところ、昔のままね」と微笑むアリサ…。
 ちょうど、その時。
   からんからん♪
 「こんにちは、アリサおばさん」と店番をしていたティアはジョートショップに入って来る。
 その後ろには…長い水色の髪を三つ編みにした女性が立っている…。
 「あ、ごめんね…ちょっと長居しすぎちゃった…」と悪戯が見つかったような顔をして小さく舌を出すミュン…。
 「でも、大丈夫だよ。『準備中』の札をかけて来たし、戸締りもして来たから」とティア…結構しっかり者である。
 「ところで…そちらの人は…?」と尋ねるナッツ。
 「あ、はいっ、え〜と…」「申し遅れました。私、『水の賢者』アクエリエスに導かれし者、ウェンディ・ミゼリアと申します」
 とティアに代わり、自分で正式な名乗りを上げるウェンディ−外見年齢19歳頃…実年齢200歳以上…。
 「私は『理の導師』エイザードに導かれし者、ナッツ・ティアンズです」と挨拶を返すナッツ。
 それから、その場にいた面々をウェンディに紹介するナッツくんである…。
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