中央改札 交響曲 感想 説明

−Concerto−ディスコード・コンチェルト
REIM


 11月のある日の放課後のこと…。

 「で、今日のお夕飯、なにを作るの? お姉ちゃん?」「シェールは何がいいの?」「ん〜、なんにしようかなぁ〜」
 と学校帰り、夕暮れ時の商店街を歩くアーキス姉妹…。
 「じゃあ、お刺身っていうのはどう?」「お姉ちゃん〜、あたし、お刺身キライってこと、知ってて言ってる?」
 …姉の言葉を聞いて、イヤそぉな顔をするシェール…。
 「くす、冗談よ」「もぉ…全然、ジョーダンに聞こえなかったってばぁ…」「でも、好き嫌いはダメよ」と妹をたしなめる。
 「はぁ〜い…それでどーするの?」「そうね…」と思案顔になるリーゼ…。
 その時に…。
 「あ? あそこにいるのって、シーラさんと…フィム先生じゃあ…?」「え?」妹の指差す方向に慌てて視線を移す…。
 見ると…何かの買い物帰りだろうか、お店の名前が入った紙袋を抱きかかえているシーラと代わりに彼女のカバンを持っている
 フィム先生の二人が…反対側の歩道を仲良さそうに会話しながら歩いているのが見える…。
 「シーラさんもフィム先生も相変わらずね〜」「え? シェール、それどういう事なの?」と尋ねる。
 「あれ? お姉ちゃん、知らないんだ?」とシェール。
 更に…「シーラさんとフィム先生の二人、デキてるんじゃないかって話、高等部では結構有名だよ?」と続ける…。
 「………」…それを聞いた瞬間、心にちくりと痛みを感じるリーゼ…。
 「…お姉ちゃん? どしたの…?」「え? ううん、何でもないわ…さてと、お夕飯を買っていきましょ……」

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 11月24日、5回目のミッション授業…。

 「それでは、行って来いっ!」と授業開始を宣言するランディ先生。
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 「あら? 私、確か…」「『ヴァンパイア・ハンター』を選んだと言いたいだろうけど…」とシーラの疑問に答えるかのように
 口を開くルシード…そして、
 「…どーやら、うまく動いたみたいだな…」と呟く…。
 見ると…ルシードやシーラの他に…本来、別のミッションにいるはずのリーゼ、アルベルトがいた…。
 当然のようにパティやクレアの姿はどこにもいない…。
 「おいっ! どーゆうことだよっ!?」これはアルベルト。
 「そうね、ちゃんと説明して、ルシード」と詰問口調で問うリーゼ。
 「ああ、実はな…」

 一方、現実空間では…。
 「…ランディ先生、してやられました…」とミッションの進行状況をモニタしてたフィム先生が報告する…。
 「ルシードの仕業だな…けっ、なめたマネをしてくれるぜ」「それでどうしますか? ミッションの強制変更を行いますか?」
 とディスプレイを見ているランディ先生に問いかける…。
 「ふん、おもしれぇ…どこまで出来るかやらせてみろ」

 戻って、仮想空間では。
 「なにぃっ!? シャドウを捕まえるだぁっ!?」「そ、それでこんなことをしたのっ!?」驚くアルベルトとシーラ。
 「ああ、捕まえて正体を暴いてやるのさ」と答えるルシード。
 「オマエな…勝手にプログラム組み込んだルーやアレフ達がどーなったか、知ってるか?」「さぁ〜な」知らん顔をする…。
 「それよりも…どうやってプログラムを組み込んだの?」「ヴァネッサせんせーに頼んだ」答えるルシード。
 …彼女、射撃部の顧問の上にシステムの扱い方、知ってるしね…。
 「はあ…でも、こんなことしてもいいのかな…?」と小声で呟くシーラ…。
 「かまうもんか。それに何か起きてからじゃ、オセェんだよ。こっちで勝手にやらせてもらうぜ」ときっぱり言い捨てる。
 「ま、その意見には賛成だが…ただなぁ、やり方がなぁ…」とボヤくアルベルト…。
 「説教なら後で聞く。でだ、シャドウを捕まえる手だがな…」と3人に『捕獲作戦』を説明するルシードである…。

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 ミッション終了後、学食では…。
 「一体、どーしたんだよっ、リーゼさんっ!?」声を荒げてリーゼを問い詰めるルシード…。
 今、ここにはリーゼ、アルベルト、ルシード、シーラの4人が集まっていた…。
 「ご、ごめんなさい…急にどうしていいのか判らなくなって…」と小声で答えるリーゼ…。
 「はぁ〜、しっかりしてくれよぉ〜…くそっ、また別な手を考えねぇとな…」「まだヤル気かっ!?」「当たり前だっ!」
 これはルシードとアルベルトの会話…。
 その横では…。
 「あの、どこか具合でも悪かったのですか…?」とリーゼに尋ねるシーラ。
 「いえ、そうではないけど…ただ…ね…」「『ただ』…?」「あ、いえ…なんでもないわ…」と答えるリーゼ…。
 …ちなみにルシードが立てた『シャドウ捕獲作戦(笑)』は−−ルシードとアルベルトがシャドウをおとり役のシーラの方に
 追い立て、そして、彼女の側で待機していたリーゼが横から金属バットで殴り倒すという結構大雑把なもの。
 実際のミッションでは、シャドウを追い立てたところまでは良かったが…何を思ったのかリーゼがまったく動かなかった為、
 シャドウがシーラを捕まえてしまい、そこで…THE END…。
 結局、シーラを捕まえたシャドウの勝利でミッションが終わってしまったのだ…ルシードが怒るのも無理もない事である…。
 では、何故リーゼが動かなかったかというと…。

 その日の深夜…。
 「まったく、ルーくんやルシードくんといい…システムのセキュリティを強化する必要がありそうだな…」と自室のパソコンを
 前にして、こうぼやくフィム…。
 そして、ルシードの自作ミッションを先に解析する…すると…。
 「…なるほどね…失敗の理由はこれだったのか……さて、これからどうしたもんか…」
 ミッション中でのプレイヤー達の心情の変化を解析し終えたフィムがこう呟く…。
 …ディスプレイには…リーゼの心情の一つとして、『このままシーラが捕まって、いなくなっちゃえば…』と表示されていた…。
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