−Finale−ロンゲスト・ディー≪中編≫ |
REIM |
「…ったく…手の込んだ御挨拶だったぜ…」やっとの事でモンスターどもを倒し切ったアレフが疲れた口調で呟く…。
「…そうだね…」「…うん…」同意するシェールとシーラ…。
「貴様ら…のんびりしてるヒマなぞないぞ」これはランディ先生。
「わぁってるよ…先行きゃいいんだろ…」とやれやれと歩き始める一同…。
そして、しばらく道伝いに歩くとY字路に出たが…。
「………………なあ……どー思う…?」と目の前に現れた『もの』を指差しながら女の子達に問いかけるアレフ…。
「………なんか…どこかの小説みたいな話ですね…」とシェリル…でも、何か言えただけマシであろう…。
「……………」…見た瞬間、シーラとシェールの二人が絶句しているのだから…。
彼らの前にはでっかい看板が立っており、
『危険! 右の道に落とし穴あり! 左の道へ行くべし!』
と書かれていたりする…。
「でだ、小僧。どーする気だ?」とランディ先生。
「右行くわよ、右!」と復活したシェールがさっさと右の方に行き、残りの面々がその後を着いて行く…。
「まぁったく、だぁれがあんな子供だましな罠に引っ掛かるもんですか」と言い切るシェール。
「だよな。ったく、連中、なに考えてんだか」「そうですよね、あんなことを書いてたら誰だって怪しいと思いますよね」
と口々に同意するアレフとシェリル。
「あ、でも…本当はあの看板が正しかったとか…?」これはシーラ。
「「「まっさかぁ〜」」」…こう言い切った瞬間、彼らが歩いていた地面がいきなり…抜けた(笑)。
「どわぁぁぁっ!!?」「うそぉぉぉっ!!?」「「きゃぁぁぁっ!!!」」「ふん…『お約束』だな…」…てなワケでしっかり
落とし穴に落ちた一同であった…。
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「いててて…」…どれくらい気を失っていただろうか…したたかに腰を打ちつけたアレフが息を吹き返す…。
「あ、アレフさん…気がついたんですね…」ほっとした顔を見せるシェリル…。
「ああ、シェリルか…それで他のみんなは?」「それが…さっきの落とし穴…ワープホールだったみたいで…」と答える…。
「…はぐれてしまったのか…」「は、はい…それでどうしますか…?」不安げな顔で聞くシェリル…。
「俺達だけで先に行くしかないだろうな…」
一方…。
「…あの…ランディ先生…どうしますか…?」「わかり切ったことを聞くんじゃねぇ。先に進むぞ」とシーラに答える。
「は、はいっ」「けっ、子供騙しみてぇな罠に引っ掛かりやがってっ!」と地面を蹴りながら吐き捨てるランディ先生…。
「…あの…先生も引っ掛かってるんですけど…?」「……小娘…どうやら落第してぇみたいだな…?」「す、すみませんっ!!」
…慌てて謝るシーラちゃんである…。
しばらく歩くと…。
「……また…なの…?」心底イヤそうな顔で呟くシーラ…。
今度は…『危険! 左の道に地雷あり! 右の道へ行くべし!』とあったりする。
「…ふん、テディっ!」「ういっス!」と虚空から現れるテディ。
「左の道に行って来い!」「……ういっス…」イヤそうに左に行くテディ…。
数分後…。
ちゅっどぉ〜ん!!
「うわぁぁぁっ!!?」「…テディくん…あなたの犠牲はムダにしないから…」と思わず十字を切るシーラちゃん…。
そして、右の道に行くシーラ達だったが…。
「どぉしてぇぇぇぇっ!!?」「…………覚えてやがれ……」…また…落とし穴に落ちていたりするのだった…。
(テディ「ボクを人柱にした報いっス」 ヘキサ「……オマエ、人間じゃねぇだろう…?」)
変わってアレフとシェリルはというと…。
「…洞窟…だよな…」「…洞窟…ですよね…?」…洞窟を目の前にして、こう呟く二人…そして。
「「あやしいよね」」と顔を見合わせて同時にこう言う。
「それで…どうしますか?」「もぐってみるしかないだろうな…」…洞窟にもぐるアレフと慌ててその後を追うシェリル…。
しばらく洞窟を進むと…やがて広目の場所に出た…。
「あれは……クリスっ!? 大丈夫かっ!?」と猿ぐつわをかまされ後ろ手に縛られたクリスの元に駆け寄るアレフ…しかし…。
「これから先には行かせないよっ!」という娘の声が聞こえて…。
「クリス、今、ほどいてやるからな」その声をきっちり無視するアレフくん。
「人の話を聞けぇぇぇっ!!」「…で、なんだよ…?」と面倒くさそうに尋ねるアレフ。
「はあはあ……呼ばれて飛び出て…」「…呼んでなんかいませんけど…?」と突っ込みをいれるシェリル…。
「…………と、とにかくっ、美少女戦士リボンエンジェル参上ッ!」と言ってコスプレした少女が一人現れる。
「と、トリーシャちゃんっ!?」「ぎ、ぎくっ。ボ、ボクは…もとい、私はトリーシャではないっ!」と慌てて言いつくろうが…
でもバレバレであったりする(笑)。
「大丈夫か、クリス?」「う、うん、ありがと、アレフくん」その間にクリスを助け出すアレフ。
「あーっ!? こらっ!! 勝手に助け出さないでよっ!!」…場違いな文句を言う…。
「…シェリル…トリーシャの方、よろしく…」「はあ…トリーシャちゃん…」「だぁかぁらぁ〜、ボ…私はトリーシャじゃあ…」
「あっ、あそこにかわいい小物っ!」「えっ!? どこどこっ!?……はっ!?」…あっさり引っ掛かるトリーシャちゃん…。
「…トリーシャちゃん…いい加減にしないと…もうノート見せてあげないから…」…きっつぅ〜いシェリルの一言…。
…この後、トリーシャちゃんがどうなったかは…みなさんのご想像にお任せする…。
場面は更に変わって…。
「…いたたた…」…あの後、両手では数え切れない程、落とし穴に落ちたシーラが腰のあたりを押さえながらうめく…。
「……どうやら目的地に近いらしいな……」と周りを見渡しながら呟くランディ先生。
彼らの目の前には…緩やかな上り坂が続いていた…。
「それで…どうしますか…?」「行くしかあるまい…」「そうですか…」道なりに前に進む二人…。
あと少しで頂上に着くその時に!
「ひゃぁはっはっはっ!! 待ちくた……」「邪魔だ」
ごすっ!! ばたっ
…ランディ先生の刀の一閃で地面に倒れるシャドウ…。
「小娘、先に行け」「は、はいっ。お願いですから…そのまま寝てて下さいね…」とシャドウの横を通って頂上に行くシーラ…。
そして、頂上に登りつめると…。
「リーゼさんっ!? 大丈夫ですかっ!?」そこには猿ぐつわをかまされ簀巻きにされたリーゼが転がっていた…。
そればかりか…。
「ふふふっ、どーやらオレ様はいい実験台に巡り合えたようだな」目の前には…怪しさ大爆発の黒グラサン野郎がいたりする…。
「…あの…どちら様ですか?」「なぁんの実験をしようかなぁ〜?」「ですから」「おおっ、新作魔法の実験もいいではないか」
「…はあ……≪メテオ・スマッシュ≫…」…魔導書を取り出して呪文を唱えるシーラちゃん…。
ずっどぉぉぉぉぉんっ!!!
「ちょっと待たんかぁぁぁぁっ!!?」…いきなり、お星さまになる黒グラサン野郎…。
「…ふう…あっ、リーゼさん、大丈夫ですか?」と駆け寄ってリーゼの縛めをほどくシーラ。
「…ええ…おかげで助かったわ…ありがとう、助けに来てくれて」礼を言うリーゼ。
「そんなの当たり前じゃないですか、同じ授業を受ける『仲間』なんですから」と答える。
「…くす、そうね、シーラ。あなたの言う通りね…」と何故か嬉しそうに微笑むリーゼさんであった…。