−Finale−ロンゲスト・ディー≪後編≫ |
REIM |
場所は変わって、シェールはというと…。
「…もう、みんな、ドコいっちゃったのよぉ…?」とグチをこぼすシェール…。
その時に!
「Guuu!!」「うるさいっ!」「キャインキャインっ!」…バレーボールでモンスターをK.Oする…。
「はぁ〜、いつまでこんなのが続くんだろう…?」残りアイテムを確認しながら呟く…。
最初の『落とし穴』に落ちてからモンスターに襲われ続けていたのだ…。
「…残り…20か…早く、みんなと合流しないと…」
一方…。
「でだ、誰に頼まれたんだ、トリーシャ?」と詰問するアレフ。
「さ、さあ…? ボク、てっきり特別ミッションって思ってたしぃ…(汗)」…しらばっくれるトリーシャ…。
「ふぅ〜ん…(ジト目)」「あーっ!? その目は信じてないなっ!?」と怒るトリーシャ。
「トリーシャちゃん…」「な、なに…シェリル…?(大汗)」彼女の迫力に負けて後退るトリーシャ…。
「本当のこと、言ってくれないと…宿題見せてあげないわよ…?」ある意味、きっつ〜い言葉を投げかける…。
「わぁーっ!? それだけはイヤだーっ!!」というトリーシャの悲鳴に続けるように、
「あ、ランディ先生、それにリーゼさんやシーラさん…どうしたんですか?」と3人の姿を見つけたクリスの声が聞こえた。
「どーやら、そっちも無事に終わったようだな」これはランディ先生。
「あれ? シェールさんは?」と問いかけるシェリル…。
「え? シェールさんと一緒じゃなかったの…?」アレフ達4人に尋ねるシーラ。
「いや。俺達は…」とさっきあった事を説明するアレフ…。
「そ、そんな…」彼の話を聞いて、両手で口を覆うリーゼさんであった…。
ところ変わってミッション・ルームでは…。
「「「「「………………」」」」」一同、ずっと押し黙ったまま待機していた…。
その一方…。
「なんとかなりそうかね?」「ええ、ここをこうすれば…」「そうね…これでよし、と」リカルド先生が端末を操作していた
ゼファー先生とヴァネッサ先生の二人に問いかける。
「取りあえず、状況だけは確認出来るようになったわ」とモニターから顔を上げて告げるヴァネッサ先生。
「それで先生っ、シーラ達はっ!?」「ヴァネッサさん、ご主人さまは大丈夫ですかっ!?」「ヴァネッサ、ルシードは?」
「それよりもあたしのクリスくんが先よっ!?」と一斉に詰め寄る学生達。
「ちょ、ちょっとっ!? ああもうっ!! いっぺんに来ないでよっ!!!」と声を上げるヴァネッサ先生…。
でも…。
「ヴァネッサ、どーいう状況なんだいっ!?」「早く教えなさいよっ!!」…学生達と一緒になって詰めよっているリサ先生と
バーシア先生…。
「みんなっ、黙れってちゅーのっ!!!?」と上に向けて拳銃を乱射するヴァネッサ先生…。
し〜〜〜ん…
ようやく静かになる一同…。
「はあはあはあ…まったくもう…それでゼファー先生、どうかしら?」肩で息をしながらゼファー先生に尋ねる。
「ふむ…少し待っていろ…む? これは…」
仮想空間では…。
「り、リーゼ先輩〜。少し休もうよ〜」…息が切れて地面にへたり込むトリーシャ…ちなみにアレフ達からの彼女への追及が
うやむやになって、ほっとしていたりする…。
「そんな事、言っていられないのっ」「アーキス、焦ってもいい結果が出るとは限らないぞ」と言うや否や地面に腰を下ろす
ランディ先生。
「ですけど…」「そうですよ、少し休んでから行きません?」シーラにも言われ、渋々と小休止にするリーゼ…。
彼らが休憩している時に。
『ランディ先生、聞こえますか?』と空からゼファー先生の声が降って来た−あれから彼は『声』も送れるようにしたのだ…。
「ふん、あっちはあっちで何かやったらしいな。でだ、どーいう状態になっているだ、ボルティ?」声の主に問いかける。
『やっとつながったみたいですね……今、シェールがアイテムなしで紅月やシャドウと戦っています』返答するゼファー先生。
それと同時に。
「ま、待って下さいっ! 今、どこにいるかも分らないんですよっ!?」と慌ててリーゼを止めるシェリルの声が聞こえた。
「でもっ!!」「なあ、俺達をシェールのところまで転送出来ないのかよ?」とランディ先生とゼファー先生にに尋ねるアレフ。
「ふん、そんなもんはヴァロリーにでも聞け」面倒くさそうに答えるランディ先生。
「…だ、そうだ。ハメット先生、お願いする」と場所を変わるゼファー先生。
「はあっ!? 何をバカなことを…っ!?」…学生達の無言の圧力によって無理矢理、端末の前に座らされる…。
「な、なぜ、私が…あれ?」…急に頭の中に何かが浮かんで来る…。
「…え〜と、こうやって、と…」その通りにキーボードを叩くと…。
その時、シェールはというと。
「ひゃっひゃひゃひゃっ! 他愛もねぇなっ」と勝ち誇った笑いをあげるシャドウ。
「娘、無駄だ。もう諦めろ」「まだまだぁっ!」と紅月に掴みかかるシェールだが。
ばきっ! ずしゃあっ
「うっ!?」肩に木刀をくらう…。
「娘、もう一度言う。諦めろ」「そうだぜ、そーした方が楽だぜ」紅月ばかりか、シャドウまでもが『降伏勧告』をする。
「…アイテムがあれば…ルシードくんを助けられるのに…」ルシードが拉致されている方を見ながら悔しがるシェール…ここへ
辿り着くまでにモンスター達の襲撃を受けてしまい、アイテムを全て使い尽くしてしまったのだ。
「貴様ら、いい加減にしやが…ぐわっ!?」「ちょっとぉっ!? ルシードくんになにをしたのよっ!?」とシェール。
「んあ? なぁに一歩でも動いたら600mA(ミリ・アンペア)の電撃が飛ぶのさ」答えるシャドウ…しかし。
「電圧は2GV(ギガ・ボルト)だがな」と要らん事を補足する紅月…なお、ギガ(G)は10の9乗倍である…。
(ちなみにミリ(m)とは10のマイナス3乗倍の事である)
「なっ!? ルシードくんが死んじゃうじゃないっ!!?」大声を出すシェール。
「心配するな。人間は1A以上の電流が流れない限り死なない」淡々と答える紅月…理論上はその通りである…。
「こ、このぉーっ!!」今度は目の前にいるシャドウ−一本道で挟み撃ちにされていた−に飛びかかる…が。
ずごっ!
「…く、くっそぉ…」と殴られたあたりを押さえてうめく…。
「だぁかぁらぁ〜、さっさと負けを見とめちまえ…んあ?」急に上を向くシャドウ…ちょうどその時!
ぐっしゃあっ!!
「うごっ!!?」…いきなり、空から降って来た『なにか』に押し潰されるシャドウ…。
「!? お、お姉ちゃんっ!?」シャドウを押し潰した『なにか』の中からに姉の姿を確認する。
「シェールっ、大丈夫なのっ!?」「う、うん、あたしは大丈夫…でも、なんでお姉ちゃんがここに?」「よかったぁ…」
「詳しいお話はあとですっ! はいっ、シェールさんっ!」とアイテム−他の学生達から贈られたもの−を渡すシェリル。
「あ、ありがとう…」「小娘っ、そんな事をしてるヒマがあったら、さっさとルシードのボケを助けに行って来いっ!」
「は、はいっ!」ランディ先生の言う通りにするシェール。
「んあんだとぉ…ぐわっ!」「る、ルシードくんっ、今、行くからねっ!!」とシャドウの横を走り去る。
「ま、待ちやがれ…」「あ? ごめんなさい」「…あんた、重いぞ…」「…………」
どかっ!!
…シャドウの顔面にシーラちゃんの踵落としが炸裂する…(怖)。
「私、太ってなんかいないもんっ!!」「…こわ…」…ちょっと怯えるアレフ…。
「待つんだ」「ふんっ」紅月に刀を振るうランディ先生。
ばきっ!
「…先生…弱いすぎです…」「…言うな、小僧…」…以上、クリスとランディ先生の会話…。
一方。
「ここから先には行かせないよっ」「どけ、娘」「私達を倒してから行きなさいっ」と紅月の前に立ちはだかるトリーシャと
リーゼの二人。
そして…。
「ルシードくん…よかったぁっ!!」とようやく彼のもとに辿り着いたシェール…。
この瞬間、ハプニング続きのミッションがようやく終了した…。