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導師長の『お仕事』ってなに…?〜第2話−そして…逆恨みのリベンジ…?〜
REIM


 「うう……塩水でべとべとだよぉ〜」と言って頭からお湯をかぶるさくら。
 今、彼女達はベルファークにある宿の大浴場で海水を洗い流していた…。
 「ええ、本当ですね。髪が傷みますものね」すました顔でウェンディ。
 「……ウェンディさん…少しは反省して下さい…」…珍しい事にティアがジト目で彼女を睨んでいたりする…。
 「…え〜とぉ…まあ、不幸な事故ってことで」とシラを切る…。
 「なぁにがっ、不幸な事故よっ!?」ぷうっと頬を膨らますマリアちゃん。
 ウェンディはというと…聞こえない振りをしてたりする…。
   ぷつん…
 「ちょっとっ、おばさんっ!!」とキレたマリアがウェンディに向かってこう言い放つ。
 「誰がおばさんですかっ!? これでも私は『永遠の17歳』ですっ!!」即座に言い返すウェンディ。
 「なによっ! 224歳のオバンでしょうがっ!!」更にこう言い返すマリア。
 一方…。
 「はあ…マリアさん、結構怒りっぽい上に負けず嫌いだから…」と溜息をつくティア…。
 「…ウェンディさんも意外と意地っ張りだし…」同じように溜息をつくさくら…。
 そして…ウェンディとマリアが低レベルな言い争いをし続けてる横で…。
 『…はあ…』とお互いの顔を見合わせ…同時に深々と溜息をついたのだった…。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「はい、ナッツくん。大変でしたね」「ありがとう、ミレナ」礼を言ってハーブティーの入ったカップを受け取るナッツ。
 「それにしても…『真の敵は味方の中にいる』とはよく言ったものだ」「そやな、ティムの言う通りやな」とティムの意見に
 同意するエルフ耳の少女。
 「ああ…オレもそれは痛感したよ…ティム、リサ」苦笑いしながらハーブティーを口に含む…。
 …あの時、ウェンディ、まさかの『誤爆』によって大海原へと投げ出された一行はナッツとウェンディの転移魔法により、全員、
 ベルファークへと引き返して来た…。
 そして、港近くの旅館に部屋を取ると…学生時代の親友−ティム、リサ、ミレナの3人−をそこに呼び出していたのだ…。
 「でだ、俺達をここに呼び出したという事は…徹底的にやるつもりか?」と問いかけるティム。
 「ああ。さっきは予想外の展開になっちまったが」と一気にハーブティーを飲み干すナッツくん。
 「で、どーすんのや?」と尋ねるリサ。
 それに対するナッツの答えは次の通りであった。
 「それは…ティアやさくら達が戻って来てから、だな」

 そして翌日。
 「突然なんですけど…わたし達、道に迷ってしまったみたいです〜」「誰のせいだと思ってんのよっ!!」とほえほえとしてる
 ミレナちゃんを怒鳴りつけるマリアちゃん。
 それを見て…。
 『はあ〜』…盛大な溜息をつくティアちゃんとさくらちゃんの二人…。
 今、彼女達はナッツの指示を受けて海賊のアジトと思われる小島に転移−ちなみにさくらが呪文を唱えた−したのだが…。
 「さくらさん…森の中に転移したのはまずかったみたいですね…」と控えめに言うティア。
 おまけに。
 (そーそー、ティアちゃんの言う通りね)と『樹の賢者』ヴァーモント−『導きの杖』の一人−にまで言われてしまう…。
 「……………えいっ!」…力一杯、『導きの杖』で手近な木を殴りつける。
   どがっ!
 (いったぁ〜いっ!!)痛がるヴァーモント…。
 「え、えと…これからのことを考えませんか…?」…ちょこっとだけビビるティアちゃん…。
 (うむ。マスターの言う通り、済んだ事を蒸し返しても何ら解決策にもなるまい)とティアに同意する『光の王者』レイアース。
 (それじゃあ、アタシの殴られ損じゃなぁい〜)文句を言うヴァーモント…。
 「でさ、どーするつもりよ?」尋ねるマリア。
 「そうですね…探索系の呪文でナッツさん達の位置を調べてみてはどうでしょうか?」と提案するティア。
 (ふむ。初歩的だが…妥当な選択だな)これはレイアース。
 「それじゃあ、ティアちゃんが…」「さくらさん、お願い出来ますか?」とさくらを遮るようにお願いするティア。
 「……なんで、さくらなの…?」首を傾げる…。
 (………マスター…探索魔法の修練を後回しにしていたツケが出て来ましたね…)呆れるレイアース…。
 「…ちょっと…意外…」…ぽつりと呟くマリア…。
 「…ごめん…さくらも出来ないの…」とさくら…。
 (はあ〜。マリアちゃんはどーなのよ?)と念話で尋ねるヴァーモント。
 「そーんなのっ、決まってんじゃないっ!」と胸を張るマリア。
 (じゃあ、探索魔法使えるんだ?)確認するようにヴァーモント。
 それに対するマリアの答えはというと。
 「マリア、そーゆう地味な呪文、覚える気ないもん☆」「………………」
   ばきぃっ!!
 ………『樹の賢者』で殴られるマリアちゃんであった……。

 一方…。
 「どんな感じだい?」「…ふむ…見張りが3人いるだけだ…」と双眼鏡を覗いていたティムがナッツの問いにこう答える。
 「ま、ナッツにしてみれば、ザコABCやな」これはリサ。
 「おいおい…」「でも、油断は禁物ですよ」苦笑するナッツと立場上たしなめるウェンディ。
 「それでどうするのだ?」と双眼鏡を覗きながらナッツに問いかけるティム。
 「そうだなぁ、差当たり……”Sleep!”
   どて…(×3)
 …容赦なく、しかもあっけなく無力化される見張り達…。
 「さて、と…先、行きますか」「ああ」「そやな」海賊のアジトに潜入するナッツ達3人。
 ちなみにナッツの意外な一面を見せ付けられたウェンディさんはというと…。
 (ところで…いつまで惚けてるつもりなの、ウェンディ?)と『水の賢者』アクエリエスに話しかけられるまで、ぽけらぁ〜と
 立ちすくしていたという…。
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 「…いたたた……うう…本気で殴ること、ないじゃなぁい…」殴られたところに手をやりながら半ベソをかくマリアちゃん…。
 (…そーよ。第一、なぁんでアタシで殴るのよぉ…?)と半泣き声で文句を言うヴァーモント…。
 「ふ〜んだっ!」どうやらご機嫌斜めらしいのさくらちゃん…。
 「あの…それよりも早くこの森から出ませんか?」と周りの面々に声をかけるティア。
 「そうですね。でもどうやってここから出るのですか?」尋ねるミレナ。
 「あ、はい。太陽を背にして歩けば、本来の目的地に辿り着けますから」答えるティア。
 『はい? なんで?』同時にきょとんとした声を上げるマリアとさくら。
 「私達の目的地は島の北の方にあります。それに今、時間はほぼ正午ですから」「ほえ〜、凄いですねぇ〜」感心するミレナ。
 「さっすがぁ、ティアっ!」と誉めるマリア。
 「あ、でも…急がなくてもいいんじゃないかな…?」これはさくらちゃん。
 「なんでよ?」「あの、どうしてですか?」「ほえ?」順にマリア、ティア、ミレナである。
 「だって…多分、ウェンディさん達が先に行ってるから…」と何か言いかけるさくら。
 だが丁度、その時に。
   どっごぉーんっ!!
 という轟音がした方を見ると…北の空にもくもく黒煙が昇っていたという…。
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