中央改札 交響曲 感想 説明

Eternal Harmony−永遠の調べ…
REIM


 時は流れ…季節は夏真っ盛りの頃。

 「おめでとう、セーラ」「ありがと、アリサ」と言ってワイングラスを合わせるアリサとセーラの二人。
 今、彼女達は何か喜ばしいことがあったのか、シェフィールド邸のサロンでワインを片手にくつろいでいた…。
 「何はともあれ、今日から『お婆さん』になるのね、セーラ」「……事実だけに言い返せないのが悔しいわね…」一気にワインを
 飲み干すセーラ…。
 そう、今日の未明、めでたくシーラが無事に女の子を出産したのだ…。
 「ですが、アリサ様」「何かしら、ジュディさん?」と給仕をしていたジュディがアリサに話しかける。
 「はい、アリサ様はお嬢様やフィム様とご一緒にお暮らしているのですから奥様だけが…」この台詞に気づいたのか、
 「そうね、あなたも『お婆さん』ね、文句なく♪」と嬉しそうに告げるセーラさん。
 …今度はアリサが黙って一気にワインを飲み干した…。
 「でもまあ…なんだかんだ言いつつも結構浮かれてるわね、私達も」苦笑しながらアリサのグラスにワインを注ぐセーラ。
 「ええ、そうね。でも、まさか私が『名付け親』をお願いされるとは夢に思いませんでしたけど」と言いながらセーラの為に
 スモークサーモンを小皿に取り分るアリサ。
 「ふふ、あの子らしいわね。でも、その前に確か…?」「ええ、ミュンさんからも同じことをお願いされたわ」答えるアリサ。
 「あの、奥様、アリサ様。ミュン様のお嬢様は既に?」自分の『仕事』をアリサに取られないようにしながら尋ねるジュディ。
 「あ、ジュディさんは知らないのね。昨日、ミュンさんにも二人目が生まれているの」答えるアリサ。
 「でも、何かしら運命的なものを感じるわね」感慨深げに言うセーラ。
 『え?』この台詞に首を傾げるアリサとジュディ。
 「だってそうでしょう? ミュンさんが男の子を生んで、暫くしてからうちの娘が女の子を生んだのよ?」とセーラ。
 更に続けて、
 「その上、その子達の名付け親がアリサ、あなたなのよ?」と諭すように言う。
 ちょっと補足すると…。
 7月15日の深夜にミュンの長男が生まれ、翌16日の未明にシーラの長女が生まれたのだ。
 それだけでも『運命的』なものを感じるのにミュンやシーラ達に頼まれて、アリサが二人の子供の名前を付けたのだから…最早、
 何も言うことはないであろう…。
 「それで、うちの孫娘は分かってるからいいとして、ナッツさんやミュンさんの息子さんにはなんて名前を付けたの?」
 とアリサに問いかけるセーラ。
 すかさず、
 「あの、奥様。私、お孫様のお名前は存じておりませんが…?」とくちばしをはさむジュディ。
 「………そうだったわね……」話を腰を折られて、ちょっとだけあっけにとられるセーラさん…。
 「ふふふ、シーラちゃんの娘さんには『シャリン』と付けて、ミュンさんの息子さんには『ルイージ』と名付けたの」
 微笑みながら答えるアリサ。
 「ふぅ〜ん、そうなんだ」何か心当たりでもあるのか、こんな返事をするセーラ。
 「?? どうしたの?」と訝る顔になるアリサさん。
 「いえ、なにもないわよ。それよりも今年は色々とあったわね」さり気なく話題を変えるセーラ。
 「そうね。新年早々にパティちゃんが、春先にはトリーシャちゃんやシェリルちゃんが結婚してますしね」と合わせるアリサ。
 「それでね、そのトリーシャちゃんだけどね、今、妊娠7ヶ月ですって」と苦笑しながらセーラ。
 「……あの、奥様…そのぉ…計算が合わないのですが…?」…指を折って何かを数えていたジュディがこう呟く…。
 「ジュディ…細かいことは気にしないの、いい?」諭すようにこう告げるセーラさんである…。
 「そういえば…トリーシャちゃんと言ったら」「ああっ、結婚式の時のことね」と何かを思い出すアリサとセーラの二人。
 その時の彼女−トリーシャのこと−は薄桜色のウェディングドレスを着た上に茶色の髪にトレードマークの黄色の大きなリボンを
 付けて結婚式に臨んだのだ。
 当然、参列者は驚いたのは言うまでもない。
 その時のトリーシャの言葉は「ボクのお気に入りだからいいじゃないかっ」であったという。
 「それはトリーシャちゃんらしくてよかったんじゃないかしら?」とアリサ。
 「まあね。でも、これからもあんなリボン、着けたりするのかしら?」「さあ? それはどうかしら?」
 ちょっとだけ首を傾げるセーラさんとアリサさん。
 「それは……どちらでもいいのではないかと」とジュディ。
 更に続けて、
 「それにシャリンお嬢様がたがお生まれになられたからとしても急にこの街が退屈に埋もれるような事はないと思います」
 と妙に達観したようにこう言ったのだった…。

     ≪第1部完≫


 [あとがき]
  REIM「やっと第1部完了です」
  アレフ「しかしなんだなぁ、最終話にしちゃあ、ずいぶんとあっさりと流したみたいだけどな」
  REIM「まあ、最終話といっても第2部へのネタ振りの意味もありますから(苦笑)」
  エル「ふぅ〜ん。で、アタシが聞いた話だと第2部はクロスオーバーになるよーだけど?」
  REIM「ええ、既に第2部で登場予定のキャラも決定しています」
  アレフ「なるほどな」
  エル「それでも中心は名前だけ出たシャリンとルイージの二人だろ?」
  REIM「はい、そうです」
  エル「だったら、なぜクロスオーバーにするんだ?」
  アレフ「大方、他の面々をどーするかと悩んで他の人のキャラを借りたんだろうけど…」
  REIM「………(図星)」
  エル「ま、いいんじゃないのか。コイツの文才のなさが証明出来たんだし」
  REIM「そ、それでは第2部でまたお会いしましょう〜」
  アレフ「……逃げたな…おい…」

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