中央改札 交響曲 感想 説明

光と闇の交響曲Episode:02
刹那


悠久幻想曲SideStory
−光と闇の交響曲−

Episode:02 事件勃発

「ハァ・・・何で俺はこんな所に居るんだろうな・・・?」
シオンは自警団事務所の地下牢の中で嘆息しつつ呟いた。そしてそのまま、今日起こった出来事を回想する。
「確か今日は久しぶりの休日で、ローズレイクの辺で寝転んでたんだよな・・・」

「フゥ・・・風が気持ち良いな・・・」
ローズレイクの辺に寝転がり、呟く。シオンはアレから直ぐに動けるようになり、仕事を開始した。あの時助けてくれたアレフ達の協力や、本人の多才さもあって、順調に事を進めている。今日は久しぶりの休日なので、のんびりしているという訳だ。
「・・・ンで、一体何のようかな、アレフ?」
「何だ、気付いてたのか?寝てるから気付いてないかと思ったよ。」
そう言いながら、シオンに近づくアレフ。その顔には苦笑が浮かんでいる。
「まさか気付かれてるとはね。まぁいいや、こんな所で何してんだ?」
「昼食までの時間潰し。今日は只管休むって決めてるからな、依頼の類は受け付けないぞ。」
「別に友人の休日をふいにするような事はしないって。今からさくら亭に行くんだけど、お前も一緒にどうかと思ってな。」
「さくら亭ねぇ。今は・・・もういい時間か、ンじゃ、ご一緒しますか。」
懐中時計を見ながら答えるシオン。彼はこの地方では非常に珍しい個人用の時計を持っているのだ。
「良いよな、その時計。何処で買ったんだ?そう言うのって確かン万ゴールドもするんじゃなかったっけか?」
「いや、これは買ったんじゃなくて友人に貰ったんだ。そいつは時計職人でさ、試作品だって言ってたな。」
シオンの言葉に少し驚くアレフ。些細な事とは言え、シオンが自分の過去の事を話すのは非常に珍しいからだ。
「貰ったってんなら余計羨ましいよ。今度俺にもくれ。」
「お前にやったってどうせデートの約束が被らないようにする程度の使い道しかないだろうが。」
「うわ、それは誤解だぞ。」
そんな事を言い合いながら、シオンたちはさくら亭に向かった。

「いらっしゃーい・・・って、何だシオンとアレフじゃない。」
「パティ、何時もの事とは言え客に対してその態度は無いと思うぞ?」
「まぁいきなりにこやかに対応されても困るけどね。俺はサンドウィッチセットとミルクティね。」
「ハイハイ・・・。アレフは?」
「俺はAランチとコーヒー。当然ブラックでね。」
さっさと注文を済ませ、何時もの席に座る二人。別に指定席というわけでは無いが、何時も此処に座る為、半ば専用席になってしまっている。
「何時も思うんだが、何でお前はブラックコーヒーしか飲まないんだ?」
「決まってるだろう。格好いいからさ。」
「・・・馬鹿?」
アレフの答えに呆れるシオン。予想していたとはいえ、真顔で返されるとは思っていなかったらしい。そうこうしている内に、パティが注文の品を運んでくる。
「はい、サンドウィッチセットとミルクティ。それから、Aランチとコーヒーね。」
「お、待ってました。」
アレフが歓声を上げる。どうやら余程腹が減っていたらしい。
アレフが料理に手を伸ばした丁度その時、カウベルが鳴りシオン達の見知った客が入ってくる。
「いらっしゃい、シーラ。シェリルも一緒なのね。」
パティが声をかけ、入ってきたシーラ達を招く。そちらに向かいながら、シーラ達も挨拶を返す。
「こんにちは、パティちゃん、シオン君、アレフ君。」
「こんにちは。」
「おお、シーラ。以前の約束、考えてくれたかな?」
「え、え・・・?」
シーラを見るなり早速口説き始めるアレフ。それを呆れたように見るパティとシェリル。此処までなら何時もと変わらない光景だが、その後が違っていた。

スパァァァァンッ!!

いい音が響いたかと思うと、アレフが頭を抑えてうめいていた。
「飯食ってるときくらい大人しくしろ、ド阿呆。」
「・・・シオン、そのハリセン何処から出したの?」
パティがジト汗を流しながら尋ねる。因みに、この時点でシーラとシェリルは硬直している。
「いや、何となく。」
シオンの答えに、もう何も言う気を無くすパティ。シーラ達もそろそろ硬直が解けたようだ。
「あの、シオン君。有難う、助けてもらって。」
「別に助けたなんて言う程大層な事をした訳じゃない。飯食ってる隣でナンパなんてされたら鬱陶しかっただけだよ。」
シオンは素っ気無く言うが、シーラは嬉しそうだ。男性が苦手なシーラにとっては大層な事だったのだろう。
「あの、アレフさん・・・。大丈夫ですか?」
頭を抑えてうめいているのに完全に無視されているアレフが流石に哀れに思えたのか、シェリルが声をかける。すると、それまでうめいていたのが嘘のように直ぐに立ち上がると、今度はシェリルを口説きだす。
「ああシェリル、君は何て優しいんだ!俺は君のそのやさあぐっ!?」
最後の台詞は再びシオンにど突き倒された物だ。今度はシェリルも声をかけるような事はしなかった。
そんな掛け合い漫才をしていると、カウベルが鳴り客が入ってきた。
「うにゃぁ、パティちゃんいますかぁ〜?」
「あ、メロディ。いらっしゃい。今日も由羅のお酒?」
「はいです。」
「ちょっと待っててね。直ぐに用意するから。」
そう言い、店の奥の酒蔵に向かうパティ。メロディはシオン達にも挨拶していた。
「こんにちは、シオンちゃんシーラちゃんシェリルちゃん。うみゃ?アレフちゃん何やってるの〜?」
「よう、メロディ。アレフの事は気にしないでいいよ。」
「こんにちは、メロディちゃん。
「こんにちは。アレフさん、シオンさんに御仕置されちゃったの。だから、今はそっとして置いて上げましょう。」
労わってる様で以外にひどい事を言うシェリル。先程心配したのにそれをふいにするような事をされたのが腹に据えかねているらしい。内気な少女であるシェリルには珍しい事だ。
「はい、メロディ。結構重いから気を付けてね。」
「はいっ、メロディ頑張るの〜♪」
元気良く返事するメロディだが、現実はそんなに甘くない。絶対に途中で限界を迎えそうである。
「御馳走様。メロディ、途中まで俺が持っていってあげるよ。」
何時の間にやら食事を終えていたシオンが代金をパティに渡しながら言う。どうやら今日はもう帰るらしい。その様子を見たシーラとシェリルが少しだけ残念そうな顔をする。今日はどたばたしていてあまり話してないからだ。
「ふみぃ、良いの、シオンちゃん?」
「構わないよ。どれ・・・これは幾らなんでもメロディが持って行くには重過ぎるだろ。」
そう言いつつ、軽々と持ち上げるシオン。細身だが力はあるらしい。
「悪いわね、ホントはあたしが持っていければ良いんだけど。」
「良いって。流石に昼の稼ぎ時に、看板娘が居なくなる訳にもいかないだろ?」
そう言って、さっさと歩き出すシオン。メロディもそれに続く。
因みに、アレフは暫くの間蹲ったままだった。

「それにしても、今日はいい天気だな。」
「ふみゃぁ・・・お日様がポカポカで、気持ち良いの〜♪」
シオンとメロディが並んで歩いている。その様は、容姿こそ大きく違う物の、仲の良い兄妹と言ってもおかしくない雰囲気だ。事実、メロディはとてもシオンに懐いているし、シオンはシオンでメロディの事を妹のように思っているのだが。
「しかし、よくもまぁこんな昼間から酒なんぞ飲む気になるなぁ・・・。」
シオンが心底呆れたような声で言う。メロディもよく解らないが困っているようだ。
「ふみぃ・・・由羅お姉ちゃんは、メロディが何度言っても止めてくれないのです。」
「まぁ言って聞くようなら、そもそもこんなに飲まないか。」
苦笑しつつ言うシオン。その時、不意に誰かに呼び止められる。
「お〜い、シオーン!ちょっと待ってくれー!」
「ン?」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ハァ、やっと追いついた。」
息を切らしながら走ってきたのはピートだ。結構な距離を走ったのか、普段は過剰なまでに元気なピートがかなり疲れている。そんなピートにメロディが話し掛ける。
「ふみぃ、ピートちゃん如何したの〜?」
「はぁ、はぁ、はぁ、ってばててる場合じゃなかった。シオン、アリサおばちゃんが大変なんだよっ!」
ピートの台詞に顔色を変えるシオン。ピートは普段から騒がしいが、決して悪質な嘘を言うような少年ではない。それ故、シオンもピートの台詞を信じた。
「大変って、一体何があった!?」
「自警団の連中が店に来てて、盗難事件がどうとか言っておばちゃんに詰め寄ってたんだ。シオンを探してるみたいだったから、俺今までずっと探してたんだよ。」
「自警団?何だってんだ・・・。ピート、俺は直ぐに店に戻るから、悪いんだけど俺の変わりにこのお酒、由羅の家まで持っていってやってくれ。」
「解ったっ!」
ピートに荷物を渡し、すぐさま走り出す。その心中では、様々な疑念が渦巻いていた。

カランカラン

「アリサさんっ!」
ドアベルを鳴らしながら、シオンが店の中に駆け込む。其処には5人程度の自警団員とリカルドがいて、アリサに話を聞いているところだった。
「あ、シオン君・・・。」
「けっ、漸く帰ってきたな犯罪者。」
シオンに声をかけようとしたアリサを遮るように、アルベルトが声を上げる。そんなアルベルトを完全に無視し、シオンはリカルドに話し掛ける。
「リカルド、これは一体どういう事だ?返答次第では、自警団だからって容赦はしないぜ?」
明らかに殺気とわかる気を纏わせながら、リカルドを睨みつける。その威圧感は凄まじく、歴戦の戦士であるリカルドでさえ僅かながら圧倒されていた。
「落ち着けシオン君。別にジョートショップやアリサさんに何かをしようと言うわけではない。我々が用があるのは君なんだよ。」
「俺に?」
リカルドの台詞に怪訝そうな顔をするシオン。当然ながら、自警団ににらまれるような事をした覚えは無い。
「テメェすっ呆ける気か!?」
アルベルトが声を荒げるが、これは当然無視。リカルドに目線で説明を促す。
「アル、少し黙っていろ。・・・昨日の深夜、フェニックス美術館にて大規模な盗難事件があったのは知っているか?その件について捜査を進めていたところ、君に良く似た人物を見たと証言する人物が複数人現れた。そこでアリサさん立会いの下、失礼かも知れんが君の部屋を家宅捜索させて貰った。そして・・・」
「俺の部屋から盗まれた美術品が出てきた・・・そんな所だろう?」
呆れたような声で言うシオン。あまりにもお決まりなパターンである。
「まさかそれだけの事で、俺が犯人だとでもいう気か?だとしたら、此処の自警団の程度が知れるぞ?」
「その通りではあるがな。一応他に容疑者が居ない以上、君には一度自警団事務所まで来てもらう事になる。二、三訊きたい事もあるしな。」
リカルドの台詞に諦めたように溜息をつくシオン。どうやらつき合わざるを得ないらしい。
「・・・ったく、解ったよ。ンで、これは任意同行って形で解釈していいのかな?」
「構わんよ。」
そのリカルドの台詞で、取り敢えず従う事にするシオン。その様子を見ていたアリサが、堪らず声をかける。
「シオン君、大丈夫なの・・・?」
「大丈夫ですよ、アリサさん。この程度の証拠じゃ少なくともいきなり有罪、何て事にはなりませんから。」
そう言って、促すリカルドに従って店を出て行くシオン。シオンの姿が外に消えても、アリサは不安そうな顔をし続けていた。

「ンで、何で俺はいきなり牢屋に入れられているのかな?」
かなり険悪な雰囲気を漂わせながら鉄格子の直ぐ前に居るリカルドに尋ねる。因みに、先程までアルベルトも居たのだが、あまりに五月蝿かったため、シオンが例のハリセンでど突いて気絶させてしまった後、他の団員の手で運び出されている。
「まぁそう怒らんでくれ、と言うのも無理な話か。スマンな、本来は事情聴取の後、裁判までは拘留、と言う事になる筈だったんだがな。つい先程君の逮捕命令が出された。」
「これって詐欺じゃないか?俺は任意同行だとしか聞いてないぞ。」
「ホントにスマンな。取り敢えず、判決が下されるまで其処にいて貰う事になる。」
申し訳無さそうに言うリカルド。その様子を見て起こる気をなくしたのか、深い溜息をつくシオン。
「ハァ・・・もうどうでもいいや。悪いが寝かせて貰うよ。」
そう言ってさっさとベッドに横になるシオン。かたいベッドではやや寝苦しいが、眠れないほどでは無い。
「コラコラ、一応取調べをしたいのだが?」
「俺のアリバイが立証されるのは昨夜の9時までだよ。これは自分の時計で確認した。最後に会っていたのはアリサさん。夕食後、お茶を飲みながら雑談してて、それを切り上げて二階の部屋に戻ったのがさっき言った9時だ。その後は本を読みながら時間を潰した。読んでたのはエンフィールドの法律書と俺が持ってる魔道書。それから図書館で借りた小説だな。後は話す事無いよ。ンじゃお休み。」
言いたい事だけ言ってさっさと寝てしまうシオン。暫くは呆れたような顔でそれを見ていたリカルドだが、ホントに寝てしまったのを悟ると、牢屋を出て行った。

「で、今に至る、か・・・。」
昨日の事を思い出し終わり、やる事がなくなったシオンが二度寝でもしようかとしたところで、アルベルトが牢屋に近づいてきた。
「おい犯罪者。出ろ、釈放だ。」
忌々しげに言いながら牢屋の鍵を開けるアルベルト。その様子を驚きながら見ていたシオンだが、ふと我に帰ってアルベルトに質問する。
「おい、釈放ってどういう事だ?昨日の様子じゃそんな簡単に釈放されるとは思えないが?」
「保釈金が10万ゴールドが払われたんだ!・・・ったく、アリサさんも何でこんな奴の為に・・・」
アルベルトの忌々しげな呟きを耳にしたシオンは嫌な予感に囚われた。そして、直ぐにアルベルトの横をすり抜け、自警団事務所の外で待っているであろう人物の下へ急ぐ。
「あ、シオンさん。出てこれたんっスね。良かったっス〜。」
先に気付いたテディが話し掛けてくる。遅れてアリサもシオンに話し掛ける。
「シオン君、大丈夫?いきなり牢屋に入れられたなんて聞いたから、凄く心配したのよ?」
ホントに自分の事を心配してくれた事は嬉しいが、その前に確認しなければならない事がある。
「アリサさん、保釈金なんて一体どうやって払ったんです?ジョートショップには保釈金を払うほどのお金は無いはずです。」
「それがね、10万ゴールド貸してくれるって言う優しい方がいらしてね、それで保釈金を払う事が出来たの。」
詰め寄るシオンに、訳を話すアリサ。そのあまりにあっけらかんとした物言いに、暫し呆然とするシオン。やがて我に返ると、再びアリサに詰め寄る。
「貸してくれるって・・・幾らなんでも唯でそんな大金貸してくれる人は居ないでしょう?どんな無理難題を押し付けてきたんですか?」
「それは・・・。」
「ご主人様は、ジョートショップの土地と建物を担保にしたっス。」
言葉に詰まるアリサに代わり、テディが教える。シオンはそれを聞き、見る見る顔色を変えた。どうやら本気で怒ったらしい。
「い、一体何を考えてるんですか、貴方はっ!?ジョートショップは貴方の、いや貴方達の大切な思い出の詰まった場所でしょう!?それなのに、何で赤の他人の俺なんかの為に・・・」
「シオン君。」
尚も言い募ろうとするシオンを穏やかに遮るアリサ。その顔には、何時もの優しい微笑が浮かんでいた。
「赤の他人なんかじゃないわ。シオン君は私にとって大切な家族よ。・・・確かに、あそこには沢山の思い出があるわ。でもね、思い出よりも、今此処に居る家族もまた同じ位、私にとっては大切なの。だから、他人だなんて悲しい事を言わないで。ね?」
アリサの台詞を聞き、俯くシオン。アリサに家族だと言われた事は嬉しい。だが、それならば尚更悔しい。その様子を見かねて、アリサが声をかける。
「シオン君、そんなに落ち込まないで。まだ望みが無い訳じゃないのよ?」
その台詞に顔を上げるシオン。アリサが台詞を続ける。
「保釈金はね、一年の猶予を貰っているの。だから、1年以内に返せば、利子その他は無しで良いんですって。それと、再審請求制度と言うのがこの街にはあるの。それで住民の過半数の支持を得る事が出来れば、裁判はやり直される。そしてそこで無罪を証明できれば、保釈金も戻ってくるわ。幸い、再審請求締め切りは保釈から一年だから、一年間頑張れば何とかなるわ。」
アリサの説明を暫し吟味するシオン。やがて結論が出たのか、顔を上げ話し始める。
「一年の猶予つきということであれば、10万ゴールドの方は何とかなります。俺の持ってるマジックアイテムを売れば、少なくとも5万ゴールド程度にはなりますから。再審の方ですが、支持を得る事自体は問題じゃないです。真面目にやってれば、結果は自ずとついてくるものですから。問題は、再審に持ち込んだとして、無罪を証明できるか如何かと言う事ですね。」
「無理・・・かしら?」
心配そうな顔で尋ねるアリサに、更に説明するシオン。
「絶対に無理、とは言いません。唯、かなりきつい状態になるでしょうね。支持を得る為と金を稼ぐのに通常業務は減らせませんし、中途半端な捜査じゃ、精々俺が犯人ではない事を証明する事が出来るかどうかといったレベルにしかならないでしょうし・・・。」
そう言った後、やや間を置いて結論を言う。
「はっきり言って人手不足ですね。通常業務をこなせる人間が後2、3人居れば、俺が業務の傍ら捜査を進める事が出来るんですが・・・。」
その台詞に落ち込むアリサ。テディも同様だ。その様を見て、取り敢えず保釈金に関してだけでも何とかしようとシオンが考えた時、ふいに声をかけられる。
「人手が要るんなら、俺も手伝うぜ。」
「アレフ!?それに皆も・・・。」
シオンが声に向くと、其処にはアレフやクリス、ピート、パティ、シーラ、シェリル、エル、マリア、リサ、メロディ、トリーシャが居た。
「ボクもお手伝いしますっ・・・どれだけ出来るか解りませんが・・・。」
自信無さげに、それでもしっかりと言うクリス。
「俺も手伝うぜ!おばちゃんには何時もお世話になってるし、面白そうだしな。」
ホントに面白そうに言うピート。
「まぁ仕方ないわよね。言っておくけど、あくまでおばさまの為に手伝うんだからね!」
少し照れ臭そうに言うパティ。
「おばさまやシオン君の力になってあげたいから・・・。私も手伝うわ。」
あまりこういった経験は無いだろうに、それでも精一杯の思いを込めて言うシーラ。
「私で出来る事があるなら、何でも言ってください。頑張りますから。」
内気さゆえか真っ赤になりながらも、真摯な表情で言うシェリル。
「暇つぶしにもなるだろうし、まぁ放っておくのも気が引けるしね。」
ぶっきらぼうな中に労わりを込めていうエル。
「シオンは心配しなくていいよ。どんな依頼だって、マリアの魔法でいちころなんだから☆」
何時もの調子で、それでもシオンの事を気遣いながら言うマリア。
「アリサさんや坊やには結構世話になってるからね。此処らで恩返しさせて貰うよ。」
頼もしい調子で言うリサ。
「ふみぃ、メロディも頑張るの〜。だからシオンちゃん、笑って欲しいの〜。」
純粋な思いを込めて言うメロディ。
「ボクには噂を集めるくらいの事しか出来ないけど、一生懸命頑張るよ!」
父親が自警団員だと言うのに、手伝うと言うトリーシャ。
「皆・・・。」
呆然と呟くシオン。そんなシオンに、アリサが話し掛ける。
「シオン君、これならきっと・・・」
「・・・そうですね。きっと、何とかなる。いや、何とかしてみせるっ!」
自分の中に渦巻く不安を打ち消すように、強く宣言する。
「これから一年間、皆、宜しく!」

そして、ジョートショップの新たなる一年が始まりを告げる・・・。

Episode:02・・・Fin

〜後書き〜
どうも、刹那です。悠久幻想曲SS−光と闇の交響曲−Episode:02、如何でしたでしょうか?取り敢えず次回から本編スタートです。
一応原作のイベントを元にしたものと、オリジナルのイベントを絡めながら進めて行く予定です。
批判その他何でもいいので、感想下さると嬉しいです。
それでは、Episode:03でお会いしましょう。
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