中央改札 交響曲 感想 説明

光と闇の交響曲Episode:42
刹那


悠久幻想曲SideStory
−光と闇の交響曲−

Episode:Final 最終楽章−其々の明日−


シオン達が出立してから早3ヶ月。シオンと共にジョートショップで働いたメンバー達は、其々の日常を過ごしていた。


「はい、チェックメイト。」
「あぁっ、しまった・・・」
さくら亭の一角で、エルとリサがチェスをやっている。たった今、エルの勝利で位置ゲーム終了した所のようだ。
「これでアタシの5連勝だね。まだやるのかい?」
「・・・やらせて貰おうじゃないか。負けたままだなんて、私のプライドが許さないからね。」
どうやらチェスに関しては、エルの方に一日の長があるようである。躍起になってかかってくるリサに、エルは苦笑を浮べていた。
「全く、昨日今日始めたばかりのあんたに、アタシが負ける訳無いだろ?」
「やってみなくちゃ解らないよ!」
「はいはい・・・」
二人の勝負は、リサが1勝するまでは終わりそうに無かった。


「え〜っと、次はこれを入れて・・・」
エル達がチェスに興じている頃、パティはさくら亭の厨房で新しい料理の練習をしていた。
「アリサおばさんに負けない位美味しい物を作れるようにならなきゃ。えっと、次は・・・」
料理の手順を手際良くこなしながら、ふと自分の作った料理をシオンが食べ、褒めている場面を想像してしまう。
「私の料理を食べて、美味しいよ何て微笑んで・・・それでそれで・・・見詰められちゃったりして・・・ってきゃぁっ、いっけない!」
妄想が膨らんでいる間に、フライパンの中の料理が焦げて、黒い煙を上げている。慌てて火を止め、フライパンの中身を皿にあけるが、後の祭りだ。皿に乗っているのは、真っ黒に焦げた正体不明の物体と化していた。それを見て、パティは自戒を込めた溜息を付く。
「ハァ・・・アタシもまだまだだなぁ・・・」


「えっと・・・ゴメン、もう一度言って貰えるかな・・・?」
冷や汗を浮べながら、アレフが目の前の少女に尋ねる。黒髪が白い肌に映える、中々の美少女である。その少女は、アレフに向かってきっぱりと言い放った。
「ですから、私はシオンさんが好きなんです。ですから、アレフさんとはお付き合いできません。」
「んな、馬鹿な・・・!?」
どうやらアレフは、相変わらずナンパを続けていたようである。そのナンパした相手は、シオンの方が好きだと言って、アレフをふった・・・といった展開のようだ。愕然と立ち竦むアレフを放っておいて、少女はさっさと歩き去ってしまった。暫し呆然としたままのアレフだったが、取り敢えず立ち直ると、意気消沈したまま歩き始めた。
「全く・・・まさかこんな所にまでシオンの存在が影響するなんてなぁ・・・。くそぉっ、シオンのバカヤロ〜〜!!」


「あぁ、メロディ、其処は違うよ。」
「ふみ?」
図書館の談話室の一角で、クリスはメロディに勉強を教えていた。シオンが旅立って後、急にメロディに頼まれたのだ。勉強を教えて欲しい、と。元々クリスはメロディに対して妹みたいな感情を抱いていたし、由羅から逃げ出す格好の口実になる。二つ返事で承諾した。
「これは、此処がこうなって・・・で、こっちはこう・・・だよ。」
「ふみぃ・・・こう?」
「そうそう。凄いじゃないか、メロディ。」
「ふみぃ、えへへぇ♪」
褒められ、照れるメロディ。クリスは内心驚いていた。教え始めた初期の頃こそ、読み書きさえ危うかったのだが、今ではかなり難しい問題さえ解けるようになっている。クリスの教える事を、真綿が湯水を吸い込むかのごとく、吸収し、ものにしているのだ。無邪気に喜ぶメロディを見ながら、内心自分もうかうかしていられないと思うクリスであった。


「ふぅ・・・書き上がったぁ・・・」
寮の自室で、シェリルは思いっきり伸びをする。今し方まで、雑誌に投稿している小説を書いていたのだ。彼女の前の机には、書き上がったばかりの原稿が置いてある。と、遊びに来ていたマリアがそれを見遣った。
「あ、もう書き上がったんだ。マリアにも読ませてよ。」
「あぁ、駄目よマリアちゃん!」
制止するシェリルの声に耳を貸さず、マリアは原稿を読み進んでいく。それに連れて、マリアの顔が怒りに震えだした。
「しぇ〜り〜るぅ〜?」
「な、何、マリアちゃん?」
怖い目付きで迫るマリアに、冷や汗だらだらで後ずさるシェリル。マリアは原稿を突きつけながら叫んだ。
「何よ、この『自爆ばかりの魔法使い』って言うのはぁ!?」
「だ、誰もマリアちゃんの事だとは・・・」
「言ってるようなものでしょ!」
尚も叫ぶマリア。彼女も、シオンに教えられた御蔭で、大分制御力が付き、難しい上位の魔法も失敗せずに行使できるようになってきた。が、普段魔法を使おうとすると、何故か決まって暴発するのである。その事を、マリア自身もある程度自覚しているらしい。
「待ちなさ〜いっ!!」
「ゴメンナサ〜イィィィィッ!!」
寮を飛び出して逃げるシェリルと、怒りの形相でそれを追いかけるマリア。こうしてみると、シェリルも随分と明るくなったものである。尤も、それが良い事ばかりであるとは限らないのだが・・・。


「でえええいっ!!」
「甘い!」
キィンッと言う甲高い音を立て、蒼司が振り下ろした刀が弾かれる。その勢いを殺せず、蒼司自身も倒れこんでしまった。倒れた蒼司を見下ろすのは、今し方蒼司の刀を弾いた張本人、リカルドである。彼等は、剣術の訓練の真っ最中であった。
「相変わらず、力任せに刀を振るう癖は抜けんな。それでは、折角の刀の持ち味が殺されてしまっている。もっと肩の力を抜くように。」
「は、はい!」
「良し、では掛かって来たまえ。」
「行きます!せええっ」
射抜くような鋭い突き。それを体を開いてかわすリカルド。と、突きが咄嗟に横薙ぎの一撃に変化する。が、それをもリカルドは難なく受け止める。鍔迫り合いの状態になると、蒼司はあらん限りの力で押し込む。が、リカルドはびくともしない。
「力で押せば良いと言うモノでは無いぞ?」
「くぅぅっ」
大した力を込めているようには見えないのに、リカルドはピクリとも揺らがない。蒼司が押し込む力を、完全に受け流してしまっているのだ。鍔迫り合う状態でそれが出来ると言うのは、両者に大きな実力の隔たりがある証拠である。蒼司はまだまだリカルドに及ばないようであった。リカルドが蒼司の力を利用し、蒼司を軽々と吹き飛ばす。地面に受身を取る間も無く打ち付けられ、うめく蒼司。それを見下ろしながら、リカルドは溜息混じりに言う。
「全く・・・それではノイマン殿も、安心して君に任せられないではないか。」
「あうぅ・・・スミマセン・・・」


「あ、これ可愛い!」
「うん、こっちも良いと思うよ。」
アクセサリー店で、ローラとトリーシャは新商品であろうアクセサリを手に、はしゃいでいる。元々流行に敏いトリーシャと、肉体に戻ってからこっち、お洒落に余念の無いローラは、此処の所二人揃って洋服店やアクセサリ店に入り浸っていた。
「これ、私に似合うかな?」
「ん〜・・・ローラにはこっちの方が似合うと思うけどな。」
些か大人っぽいデザインのイヤリングを手に取るローラに、綺麗と言うよりは寧ろ可愛いと言った、年相応のデザインのイヤリングを示すトリーシャ。楽しげな彼女達の様子を見ていると想像も出来ないのだが、ローラはつい最近まで結構危険な状態にあったのだ。長年仮死状態にあったローラの体は、免疫系がかなり弱っていた。その為、彼女が元から患っていた病気はあっさり治ったのだが、それ以外の病気を併発してしまったのだ。体力そのものもかなり減っており、何度も通院を繰り返していたのだ。治ったのはつい最近なのだが、御蔭でシオンの見送りにいけなかった事を悔やみ、一時はかなり落ち込んだりもしていた。そんな彼女の元気を取り戻したのは、シオンが帰って来た時に、元気な笑顔で迎えてあげようと言うトリーシャの一言だった。元から仲の良かった二人だが、そんな事があってからはますます仲は深まり、今では殆どの時間を共に過ごすようになっていた。
「あ〜!こっちも可愛い!」
「もぅ・・・ローラってば、目移りしすぎ・・・あ、これ新しい奴だ!」
「・・・自分だってそうじゃない・・・」
新しく入荷した品を見つけ、ローラ以上にはしゃぐトリーシャ。その様に、かえってローラは気が削がれたらしい。複雑な視線で見遣りながら、ポツリと呟いていた。


「あいててててっ、ドクター、もうちょっと優しくやってくれよ!」
「何を言う。この程度の事で、大の男が悲鳴を上げるな。」
「だから、痛いって!」
クラウド医院の診療室で、満身創痍のアルベルトはトーヤの治療を受けている。実は、先程までアルベルトもリカルドや蒼司と共に訓練を行っていたのだが、怪我が多かった為、一足先にリタイアしたのだ。
「全くもって、情けないな。しかし・・・何だって急にこんなハードな訓練をするようになったのだ?」
治療の手を全く休める事無く、ふと気になった事を尋ねるトーヤ。その手際は一切の無駄が無く、惚れ惚れする位鮮やかであった。尋ねられたアルベルトは、些かバツが悪そうにしながらも、質問には答えた。
「いや・・・俺等から志願したんだよ。強くしてくれって。」
「?何故急に?」
「・・・あいつに追いつく為、だな。あいつが戻ってくるまでに、少しでも強くなりたいからさ。」
真剣な表情で言うアルベルト。それを見たトーヤは、呆れともつかない溜息を漏らす。
「フゥ・・・目標を高く持つのは構わんがな。一足飛びには高みに到達する事は出来んだろう。ましてや、こんな怪我を負っているようでは尚更な。もう少し、ゆっくり進んでいく事だ。」
「うぐ・・・。肝に銘じておくよ・・・って、だから痛いっての!」
痛いところを突かれ、うめくアルベルト。が、直ぐにそのうめきは悲鳴に変わる。これから暫くの間、クラウド医院からは悲鳴が絶えなかったと言う・・・。


「おばちゃん、おかわり!」
「はいはい、ちょっと待っててね。」
ピートが勢い良く突き出したスープ皿を受け取り、其処にシチューを盛る。それをピートの前に置くと、ピートは凄まじい勢いで平らげ始める。
「・・・ピートさん、前にも増して食べるようになったっス・・・」
呆れ顔で呟くテディと、ニコニコと嬉しそうにしているアリサ。彼女からすれば、ピートのように本当に美味しそうに食べてくれる人がいると、無条件に嬉しくなってしまうのだ。尤も、ピートからすれば本当に美味しいから食べているのであって、アリサを喜ばせようなどと言う打算は一切無いのだが。
「そう言えば、今頃シオンさん達は如何してるっスかね?」
「そうね・・・。」
ふと思い出したように尋ねるテディに、アリサは思案顔になる。それを見て取ったピートが、慌てて口の中のものを飲み込んでから、アリサを元気付けるように言った。
「ングング・・・あ、アリサおばちゃん!大丈夫だって、シオン達はきっと元気でやってるよ!」
「ピート君・・・。そうね・・・きっと、元気でやっているわよね・・・。」
遠い場所に居るであろうシオン達に思いを馳せ、空を見遣るアリサ。勿論そんな訳は無いのだが、こうしていると、今にもシオン達が元気でやっている姿が、目に浮かぶような気がするのであった。


エンフィールドから遠く離れた場所にある、音楽の都ローレンシュタイン。都に無数に点在する音楽学校の中で最も大きな学校。その学生寮の一室で、シーラは譜面を埋めていく作業に没頭していた。それが一段落すると、コリを解すかのように、思いっきり伸びをする。そんなシーラの前に、湯気の立つコーヒーが差し出された。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう、マドカちゃん。」
同室のマドカが差し出したコーヒーをありがたく受け取り、渇いた喉を潤すシーラ。そんな彼女の様子に、マドカは僅かな苦笑を浮べる。
「もぅ・・・シーラさん、少し根詰め過ぎですよ?もう少し体を休めないと・・・」
「ん・・・解っては居るんだけどね」
自覚はしているのか、些かバツが悪そうに苦笑するシーラ。彼女はこのローレンシュタインに来てからというもの、周囲の人が驚くほど、勉強に熱中していた。休日など、一日中譜面に噛り付いていた時もあった位である。最早熱心というレベルを超え、些か無理し過ぎというレベルに達していた。一度など、無理が祟って熱を出してしまった事さえあるのだ。同室のマドカは、シーラの体調を心配し幾度と無く注意しているのだが、シーラの無理は直らなかった。本来、此処まで無理に詰め込んだ場合、大抵の場合はモノにならず、かえって余計な手間を増やしてしまう。だが、シーラは詰め込めば詰め込むだけ、その知識をモノにしていった。今では、彼女は真の天才として、ローレンシュタインでも知らぬ者は居ないほどになっていた。
「そう言えば、また告白されたんですって?」
「うぅ・・・そうなの。一応、断ってはいるんだけど・・・」
思い出したように聞くマドカに、心底ウンザリしたような表情を浮べるシーラ。そう、有名になった副産物なのか、シーラは男子からの告白数でも、並ぶ者は居なくなっているのである。美少女であると言う事だけなら、目の前に居るマドカもそうなのだが、彼女には盲目と言うハンデがある。その為、中途半端な覚悟の者では、彼女に声をかける事さえ出来ないのだ。
「ふふ、はっきり言っちゃったら如何ですか?自分には心に決めた人が居るって。結構有効ですよ?」
「ま、マドカちゃん!?」
「いえ、ホントに。そう言った事をするだけでかなり違いが出ますから。」
「うぅぅ・・・」
マドカの言葉に、思わず考え込むシーラ。自分の想いを口にするのは、まだ些か恥ずかしい。だが、このまま何度となく告白されては、それを断って周ると言うのも煩わしい。シーラとしては、かなりの迷い所であった。うんうん唸っているシーラに苦笑しつつ、マドカは遠い空の下にいる人に、想いを馳せた。
「・・・今頃如何してるんでしょうね、シオンさんは・・・」


「リイム!」
イシュトバーン王城『シュターレンバーグ』の渡り廊下を歩くリイムを、後ろから誰かが呼び止める。振り向くと、其処には走ってきたのか息を切らせたエスナが居た。
「・・・如何したの、そんなに慌てて?」
「はぁ・・・はぁ・・・へ、陛下が呼んでるんです。大至急、陛下の私室に来るように、と・・・」
息を切らせながらも、何とか話をするエスナ。それを聞いたリイムは、なんとも言えない顔をした。
「私室に・・・って事は、またシオンの事を聞かれるのかな?」
「はぁ・・・多分、そうだと思います。陛下の御顔が、本当に嬉しそうでしたから・・・」
そう言うと、二人は揃って思い溜息をつく。実は、こうして国王の私室に呼ばれ、シオンの事を聞かれるのは初めての事ではない。彼等が帰って来てからと言うもの、幾度となく繰り返している事なのだ。シオンが逗留していた一週間程は、シオンから直接話していたのだが、シオンが旅立ってからは、矛先がリイム達に向くようになった。
「全く、陛下もシオン贔屓が凄いと言うか何と言うか・・・」
「陛下も結構ミーハーですからね・・・」
リイム達とて、シオンの事は尊敬しているし、エスナに至っては好意すら抱いている。彼等だけではない。この国の人間は、殆どの者がシオンを尊敬している。それは良い。だが、国政の頂点に居る者が、たった一人の人間に感けると言うのも、如何かとは思う。これでしっかり仕事はこなしているから問題無いものの、もし国政を疎かにしているようなら、今頃この国は瓦解しているだろう。それを考えれば、国王もそれ程無茶な事をしていると言う訳ではないのだが・・・。
「仕方が無い、出来るだけ手早く済ませよう・・・」
「そうですね・・・」
重苦しい雰囲気を纏ったまま、二人は歩き出す。二人の様子は、傍から見るとまるで刑場へと赴く死刑囚のようであったと言う・・・。


決して地図に載る事も無く、世界の何処にあるのかさえ定かではない神秘の地『静寂の森』。その吹き抜ける風の音さえ聞こえない森を抜けた所に、広大な花畑が広がっている。色とりどりの無数の花々が咲き誇り、異世界に迷い込んだかのような感じさえする。まるで幻想の世界と見紛うばかりの光景の中央に、4つの墓がある。墓といっても、木の枝を2本、十字に結び、地に突き立てただけの質素過ぎる物だ。だが、無数の花々に囲まれたその墓は、何処か優しささえ感じさせた。そんな墓の前に、シオンは立っていた。エンフィールドに居た頃から着ている漆黒のコートの上に、やはり闇色の旅用のマントを羽織っている。今から旅に出る、そんな装束だ。時折花畑に吹く優しい風が、何を言うでもなく立ち尽くすシオンの長い髪を凪ぎ、なびかせて行く。どれ位そうしていただろうか、不意にシオンはポツリと漏らす。
「・・・さようなら・・・父さん、母さん、シエラ・・・ルーシア・・・」
一時黙祷を捧げると、シオンはそれ以降振り返る事は無く、花畑を歩み去っていった。

静寂の森の中心部に程近い場所に、シオンが嘗て暮らしていた家がある。木造の、質素な家だ。その家の壁に手を当て、シオンは感慨深げな表情を浮べる。
「・・・もう此処に帰ってくる事も無いと思うと、些か寂しいものだな・・・」
シオンは暫し生家を見遣った後、その場を立ち去った。

森を抜け出たシオンは、今出てきたばかりの森に向き直る。目を瞑り、言葉を紡ぐ。
「・・・万物の根源たる虚無を司りし我、シオン=ライクバーンの名に於いて・・・今此処に・・・時の結界を紡がん・・・」
シオンの言葉に応じ、静寂の森とその先にある花畑を、不可視の結界が包み込んでいく。
「・・・永久に・・・安らかに眠ってくれ・・・・・・優しき思い出と共に・・・」
結界が、完成する。如何なる者も決して踏み入る事の許されぬ聖域が、此処に生み出された。それを確認すると、シオンは足元に置いた旅用のナップザックを背負い、歩き出した。晴れやかに澄み渡った空を見上げ、シオンは一人呟く。
「さて・・・先ずは何処に行こうか・・・。」


彼等は歩き出す。其々の道を、其々の未来へ向かって。
道の先に何があるのか、その先はどうなっているのか、それは解らない。未来を見通せる者など、何処にも居はしないのだから。
だが、彼等に不安は無い。彼等には、信じ合える仲間が居るから。
今は遠く離れていようとも、違う道を歩んでいようとも、何時か必ず彼等が歩む道は重なるのだから。
今は唯、歩き続けるだけ。必ず、光溢れる未来に辿り着けると信じて・・・。


Episode:Final・・・Fin


悠久幻想曲SideStory
−光と闇の交響曲−

DAS ENDE



〜後書き〜
どうも、刹那です。Episode:Final、如何でしたでしょうか?
この話は、ゲームなどで良くある後日談みたいなものです。本来は前話で終わりになる筈だったんですが、41と言うきりの悪い数字になってしまった為、急遽最終話を考え、このような話になった、と言う訳です。
この話をもちまして、光と闇の交響曲シリーズは閉幕となります。読んで下さった皆様、そして感想を下さった皆様、本当にありがとう御座いました。稚作ではありますが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
投稿の機会を与えて下さった亜村有間様にも、この場を借りてお礼申し上げます。
それでは、何時かまた何処かで会える事を願って・・・。
2002/Feb/1 Written by 刹那
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