中央改札 交響曲 感想 説明

HAPPY END! , Happy end ? (1)
辻村 貴之[HP]


 初めまして、かな? 僕の名前は久。去年めでたく存続が決まった第三部隊の隊長職に加え、人材育成担当の任を請け負っていたりする。もちろん、それなりにいろいろなことがあったんだけどね。

「はあぁ〜」

 僕の口から大きなあくびがもれる。取り敢えず今日は休日。暖かな春の日の差し込む部屋でのんびりとお茶をすすっている。いつもは激務だからなぁ。こんな日はごろごろするのが一番の幸せだね。じゃあ、眠いから。おやすみなさーい。

ドタドタドタドタ

 おや? 誰かが走り寄ってくるみたいだ。まあいいや、今日は休日だし眠いから無視しちゃえ。

「おい久いるか? 悠の奴が誘拐されたそうだ!!」




現場へ急行中−−−−−−



 半分以上寝ちゃってる姿にこのままでは埒があかないと判断されたのか、強引に運ばれている僕。まあ良いか。楽ちんだから。ついでにこのまま別のこと考えちゃえ・・・・。


 悠さんとはあのジョート・ショップの青年の名前だ。二年前に冤罪疑惑を無事晴らして『己の過去に決着をつけるため』に旅に出て、一年前帰ってきた彼はすぐにジョート・ショップの営業を再開。トリーシャを右腕に従業員の数を大幅に増やし、順風満帆な営業を続けている。
 そういえばつい先日、僅か二年でプロのピアニストとして帰ってきたシーラさんが真っ先に向かったのも、ジョート・ショップの悠さんのところだったっけ。

 今ではその力を惜しげもなく街の人々のために使い頑張っている悠さん。冤罪事件で散々苦しめられた経験がそうさせたのだろう。去年の春、ライバルの公安は消えたものの資金不足に頭を抱える自警団に「自警団が変わるのは大歓迎だ」と多額の資金を寄付してくれたのも彼だった。

 そういえば悠さんを苦しめたあの『シャドウ』とかいう神出鬼没の悪党は今ごろどうしているのだろうか?
 僕はシャドウという男は実は『悪ぶっているけど根は良い奴』だったのではないかと思っている。何故なら彼の起こした事件は『はったりばかりで実際には大した危険性はなかった』し、結末は全て『まるで謀ったように』上手くおさまったからだ。いつか何処かで出会ったのなら一度ゆっくり話してみたいものだね。

 あ、こんな事を考えている間にもどうやら現場に着いたみたいだ・・・・・・
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