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悠久の輪舞8話「お昼寝日和」
ユーイチ


悠久幻想曲「悠久の輪舞」
8話「お昼寝日和」
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くっかー―――――――――。

エンフィールドのうららかな日の曜日、
ジョートショップの屋根から虚脱感を覚える寝息が聞こえてくる。

声の主はジョートショップの住込み従業員、火傀真に、町外れの狐女、橘由羅の家に居候するメロディ・シンクレアであった。
2人は昼寝好きという共通の趣味(?) を持っている。久しぶりの休日なのだが、どこにも出かけず朝から寝てばかり、
すでに1時をまわっていた。





「うーん。」
下の階から漂う昼食のにおいを嗅ぎつけたのか、2人はほぼ同時に目覚めた。
「うみゃあ、シンちゃんオハヨウなのだ〜。いいにおいがするよ〜。」
「本当だ。冷めないうちに食べに行こう!」


そういうと2人は屋根から下に飛び降りた。
普通は2階の部屋を通って降りるのだが超人的な身体能力を誇る2人には関係のないことであった。


「あらシン君、良く起きれたわね。」
「そうッス!おどろきッス!」
普段異常なまでのシンの寝起きの悪さを見ているだけあってアリサもテディも驚きを隠せない。
ちなみにいつもシンの目覚し時計となっているミーコは近所の猫の集会に出席のため留守にしている。


「ははは、良いにおいがするから。」
「そうなのだ!早く食べようよ〜。」
2人は席に着くと手を合わせた。


「「いただきます。」」





このあと2人は5分で昼食を終えた。その間にお代わりの回数19回。



「ふう、美味しかった。アリサさんの料理は天下一品ですよ。」
爪楊枝片手にすっかりお休みモードに入ったシン。

「ところでメロディさん。今日は何でジョートショップに来たッスか?」
食事をはじめたばかりのテディが疑問を投げかける。



「うみゃあ!そうだったのだ。由羅お姉ちゃんが『二日酔い』になっちゃったの。だからお薬をもらいに良く途中だったの〜。」
すっかり忘れられていた由羅、このとき頭痛と空腹によりバテバテ・・・・。


「そうだったのか、アリサさん。オレ暇ですから一緒に行ってきます。」
「ええ、そのほうが良いわ。夕飯までには帰ってきてね。」




















「と、いうわけで来たのだが・・・・・。」
往診を終えて医院に戻ってきたエンフィールド一の名医、トーヤが目にしたものは黒焦げになった
これまたエンフィールド一の迷助手、ディアーナの姿であった。


「ディアーナ〜。」
「ひいい、ごめんなさい!二日酔いの薬の調合はこの間教わったばかりだから大丈夫だと思ったんですー。」
何故二日酔いの薬の調合で爆発が起きるのか非常に疑問だが
そんな事は元から気にしない2人は、トーヤから本当の薬を受け取り意気揚揚と歩いていった。











ガチャ
「お邪魔します。」
「ただいま〜。由羅お姉ちゃん!お薬もらってきたよ〜。」


メロディと2人で住むには大きすぎるこの屋敷には、妙な静けさが漂っていた。




「ここか?由羅?」
ふすまを開けたシンの前には由羅を袋に入れる2人の男がいた。

「!?」
「お姉ちゃん!」

異変を知ったメロディが由羅のもとに駆け出す、すると目つきの悪い男がメロディの前に立ちふさがった。

「ちっ、見つかっちまったか。まあ良い。
少しでも変な真似すりゃあこのライシアンの命はねえゼ。」
すると由羅を抱えた大男がナイフを突きつける。




「メロディ、下がっていろ。」
「シンちゃん・・・・。」
冷静な怒気を含ませたシンが男の前に立つ。

「なんだあ、土下座でもすんのか?」



次の瞬間
シンの手から放たれた御札が大男の影に張りついた。


「兄貴!体がしびれてきたよ!!」

大男がそう言い終えるか分からないうちに、シンの指が兄貴と呼ばれる男の頚動脈を押さえつけた。



ドタン

力無く男が倒れこむ。


「ひいい!助けてくれえ!」
大男が懇願するとシンの後からメロディが飛びかかってきた。


「お姉ちゃんを放せ〜!」
ポカポカポカポカポカポカ

妙な効果音を立ててメロディの連撃(?)が大男をを捉える。
3分後に大男も兄貴の上に倒れこんだ。顔中引っかき傷になっていた・・・・・。








後日自警団の調べで分かったのだが、この2人、かなり悪名高きライシアン・ハンターだった。
当然懸賞金も高値であった。




また、命を救われた由羅は、メロディの薦めもあってかシンに、さくら亭で夕食をおごることにした。
あくる日、由羅は二日酔い+精神的ショックで寝込む事になった。







ちなみに介抱もジョートショップが請け負った・・・・・・・。

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後書き
ユーイチ:いやあ、またこの落ちですねえ。
進歩が無いって言うか。
さて、次は少しシリアスに行きたいと思います。
シン:シリアス?本当か?
ユーイチ:もちろん!シャドウ初登場です!
それではまた次の機会に。
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