中央改札 悠久鉄道 交響曲

「雪の中のメロディ」 亜村有間  (MAIL)
メロディ「ふみぃ、つめたくって、やわらかくっておもしろいですぅ!」
シーラ「メロディちゃーん! どこにいるのー!?」
メロディ「ふみぃ? ここですよー!」
シーラ(嬉し泣きしながら倒れ込む)「…はあはあ…あ…もうだめ…。でも、よかった…もう遭難しちゃったかと思って…ひっく…」
パティ「…そりゃ、シーラの方だって。でも、よかったわ」
アレフ「シーラ、大丈夫か? よし、俺が背負っていってやる!」
シーラ「ううん…はあはあ…それより…それよりメロディちゃんの方を…」
メロディ「はいっ! メロディ、シーラちゃんをおぶっていきます!」
シーラ「…はあはあ…そ…そうじゃなくって…」
パティ(笑って)「説得力がないわよ。ほら! つかまって! 全くもう少しで行き倒れるところだったじゃない」
アレフ「いやー、初詣で行き倒れたくはないなー」
ヒュー【主人公】「ふむ…雪の中でゆき倒れ…か」
シーラ「…」
アレフ「うーむ…ここは大負けに負けて、11点!」
ヒュー「アレフぅ! お前、ちょっと点が辛いぞぉ!」
パティ「バカ?」
ヒュー「ふっ、たとえ氷のハート女が相手であろうと、俺のダイヤのハートは、このカードと同じく最強なのさ!」
アレフ「そのしょうもないことばかり言ってる元気をもう少し有効に使えばだな」
パティ「ガールハントとか?」
シーラ「はあはあ…トランプの最強って…スペードじゃ…なかったかしら…」
パティ「…元気ね、シーラ…」
ヒュー「ま、そーいう話はおいといて」
メロディ「あーっ!」
ヒュー「な、なんだ!?」
シーラ「どうしたの? まさか、怪我を!? だいじょうぶ、メロディ!?」
メロディ「わかりましたー! 『ゆき』と『ゆき』をかけてたんですねー!」
シーラ「…」
メロディ「あははははー! おもしろいですう!」
ヒュー「…」
メロディ「そうだったんですか! 『ゆき』と『ゆき』だったんですねー!」
ヒュー「…うごうっ! 繰り返さないでくれー! 頼む! いっそ殺してくれー!」
メロディ「ふみぃ?」
パティ「ダイヤのハートはどうしたの?」
アレフ「模造品のガラスのハートだったんじゃないのか?」
シーラ(フォロー)「…で…でもこの雪の中で見つかってよかったわ。メロディちゃんたら全身にすっぽり白いコート被っていくんだもの…」
メロディ「ふみぃ? ぜんしんじゃないですよー? みみとてとしっぽはだしてましたよ?」
パティ「だってあんた、しっぽ白いじゃん」
メロディ「あ、そーでしたー。あはは」
ヒュー「お、そう言えば『面白い話』知ってるか? あのな、しっぽもしろくて…」
アレフ「やっぱ20カラットはあるな。こいつのダイヤのハート」


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