中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲

「事件」 久遠の月  (MAIL)
   悠久幻想曲   龍の戦史   第3幕   事件

もうあれからどれくらい経ったのだろうか・・・。
圧政から人々を解放するための戦争・・・。
だが、権力者たちは己の利益とエゴを追及していた哀しい戦争・・・。
自らの理想である不平等のない世界を造ろうと悲劇を繰り返し帝国の実験を握った老将。
狭量な王国の第2王子は兄を殺す情報を敵国へ送り、自らの野心を実現させようとした。
国と心に絶望した第1王子は故国を自らの力で支配しようと、帝国の武将となる。
権力者たちの心も知らず、ただひたすら王国を解放するために戦っていた兵士たち。
もう、あんな悲劇は起こしちゃいけない。そう、決して!



牢屋の中をゆったりしたメロディが流れていた。牢屋の中にもかかわらず、彼の周囲は真昼の太陽のように眩しかった。たくさんの光球が彼の周りに浮かんでいたからだ。
常日頃からやっている魔法の訓練だ。剣の鍛錬は剣がないので、できはしない。

牢屋に入れられた瞬間、頭には事件の疑問を質問するという行為が消えた。理由としてあげれば、自分に対する復讐としてはこの程度何ともないといっていいし、でなければ逃げ出す必要はない。死刑に決まったら全力で逃げ出してやるし、追放ならまた旅の生活に戻るだけだ。彼の持っているペンダントと彼の3ヶ月で作った蓄えがあれば、2万ゴールドにはなってくれる。恩返しといえば上々であろう。仮に釈放ならとりあえず問題はない。
いままでどうりの生活だ。とまあ、こんなところであろう。だからアルベルトに、

「おい、釈放だ!」

といわれてもとくに気にしなかった。だが、

「アリサさんに感謝しろよ。」

の一言に疑問を持った・・・。


ジョートショップに戻ったヒビキは、アリサとテディに迎えられた。その後アルベルトのセリフがどう言う意味かアリサに聞いたのだった。
要約するとお店を担保にして彼の保釈金である10万ゴールドを借りたのだそうだ。
聞いた瞬間ヒビキの頭は真っ白になったのだった。初対面のときといい、つくづくお人好しな性格のようだ。彼をここまで翻弄するのはさすがの一言だ。開いた口がふさがらない。それで放心している間に会話?は続く。
「それで1年後の再審請求までお店をやりながら街の人たちの信頼を得るの」
まだ放心している・・。テディに頭にのられてもきづいていない。
「大丈夫よ。お金のほうも街の人たちもきっとどうにかなるわ」
再起動中・・。
「がんばりましょ、ヒビキ君」
起動
「なんだって俺なんかにそこまでしてくれるんですか?」
その表情は今まで見たどんな彼の表情よりも曇っていた。
「だって、家族でしょ?私たち。」
「なに言ってるんすか!御主人様のゆうとうりッス!」
「ありがとうございます・・。」
そう言うヒビキの目には光るものがあった・・。


「さて話しを戻しますね。10万ゴールドについては問題ないです。俺そんだけ現時点で持ってますし」
「ええ〜〜っ!!ヒビキさんお金持ちだったッスか!?」
「俺の持っているもので質に入れれば軽く十万はいくな」
「じゃあお金に関しては問題ないわね」
「でも再審請求は当てにならないと思います・・。時間の経過とともに真犯人逮捕も難しくなりますね。」
「そうね」
アリサが相槌を打つ。
「自警団は当てにならないと考えていいでしょうね。犯人は俺だってタカをくくっていますから。あと、情報は、アリサさんに金を貸した人物が怪しいな。俺が捕まってそう経っていないうちにそれだけのまとまった金額が出るわきゃないね。もしくは、ショート財閥かシェフィールド家かな?それだけの金額がポントだせるのは」
ヒビキは一気にまくし立てた。ヒビキの様子にアリサとテディが驚いている。
「シーラとマリアにあたってみるかな?俺を敵に回したことを公開させてやろう・・。」

アリサとテディの驚いた目を他所にヒビキは自分の置かれている困難な状況を最大限に楽しんでいたのだった・・・。


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