中央改札 悠久鉄道 交響曲 感想 交響曲

「でーと・うぉーず〜エピローグ−ジョートショップにて〜」 REIM  (MAIL)
 「…まだ、だるいなあ…」俺はベッドの上で上体を起こし、こう呟いた…。
 「そりゃそうっス、まだ38度もあるんっス。だるくて当然っス」とテディがこう言ってくれる…。
 「やっぱ、ムーンリバーに落とされたのが効いたな…」
 「…何しみじみ言ってるんっスか? ご主人様やシーラさんに心配かけているんっスよ」
 とテディが怒った口調で言う。
 「それについては、あとであやまるよ…でもな、俺が悪いワケじゃないぞ…」

 …あの時、確かにセリーヌはトリーシャを思いっきり突き飛ばした−まあ、これは自体は正当防衛になるけど…。
 問題はその後だ…突き飛ばされたトリーシャがどうなったかというと、だ…ご丁寧に俺にぶつかってくれたのだ…
 突き飛ばされた時の勢いを保ったまま…。
 その結果、彼女のかわりに俺が『玉突き』みたいにムーンリバーへ突き落とされるコトになったというワケだ…。
 その時はなんともなかったけど…翌日−一昨日のコト−に40度近い熱を出して寝込むハメになった…。
 …昨日もなかなか熱が下がらず、アリサさんもシーラも心配してたらしい…特にシーラなんかはこの世の不幸を
 全て背負ったみたいな顔をしてた…とテディが言っていたが…。
 ん? その後、トリーシャとセリーヌはどうなったかって? そいつは…当人達にでも聞いてくれ…。

 「気分どう?って、あんた、起きてて大丈夫なの?」パティが部屋に入るなり、こう言ってくる。
 彼女の後ろには…シェリルだな…あの髪の色からすると…。
 「まあ、少しくらいなら大丈夫だろうさ」「ほんとにぃ…?」ジト目で睨むな…ジト目で…。
 「でも、ほんとによかったです…もしフィムさんにもしものコトがあったら…恋愛小説のネタが……あっ!」
 ……結構正直なんだ…シェリルって…。
 「でもまあ、これでフツーの人だってコトは証明出来たね」どーゆう意味だよ? パティ?
 「『何とかはカゼひかない』って言うじゃない」「…お前ら…俺の血圧を上げに来たのか…?」
 「普段から血の気が多いから、今更気にしても遅いっス」…テディ…お前なぁ…。
 「フィムくん、お雑炊持って…起きてて大丈夫なの!?」「大丈夫なんじゃないの?」トレイを持ったシーラに
 こう答えるパティ。
 「…さっきと随分態度が違うぞ…」「…パティさんだから…」このシェリルの台詞に思わず納得…。
   ごちん
 「……シェリルぅ…随分言うようになったわねぇ」「ボク、何も言ってないっス〜」…なぜテディを殴る??
 「パティさん、テディくんは関係ないんじゃあ…?」「あははは、フィムとテディってさあ、殴りやす…うっ!?」
 「パティちゃん…」パティのヤツ、シーラに睨まれてやんの…。
 「あ、あは…二人のジャマしちゃ悪いから…あたしはこれで」あ、逃げたなパティ…それはそうと…なぜ、シェリルと
 テディを引きずってくんだ??
 「あ? フィムくん、お雑炊食べる?」「ああ、もらうよ」明日、パティに聞いてみるか…。

 「なあ、シーラ?」「ん? なぁに?」リンゴを切る手を休めて微笑みを返してくる…。
 「もう大丈夫なんだけど? 熱も下がったし」そう翌日には熱もすっかりひいて…いたんだけど…。
 「ダメよ、病み上がりなんだから…また熱が出ちゃうでしょ」…俺、そんなにヤワじゃないんだけど…。
 「とにかく、今日1日は寝てなきゃダメ」リンゴを切る手を再開する…。
 …朝からこれの繰り返しだな…ん? 朝から??
 「シーラ…昨日、家に帰った?」「ううん…3日前からずっといたわ…」なに!?
 「だって…私、あなたのコトが…とても心配…だったから…」急に頬を紅く染める…。
 「…シーラ…」俺はしばらくシーラと見つめ合い…そして……。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 この日−5月25日−のシーラの日記には…この一文だけ書かれていた…。
 『今日は…アリサおばさまだった……。』と……。

     ≪Fin≫

 あとがき
  『でーと・うぉーず』、いかがだったでしょうか?
  初めての5話構成のSSをなので(今までは多くて前中後3話構成)、少し慣れないところがありましたが
  最後まで読んでいただければ幸いです。
  さて、今回は悠久2主人公(=ティルト)とセリーヌ中心のSSです。
  デートをしているティルトとセリーヌ、それを妨害するトリーシャとクレア…そして、それに巻き込まれて
  ひどい目にあう知人達…を書いてみました。
  ただ…書いてくうちに…タイトルと内容が合っていないような気がしてならなかったのですけど…。
  最後に…『エピローグ』の最後のくだりですが…何があったのかは、みなさんのご想像にお任せして
  おきます。
  それでは機会がありましたら、またお会いしましょう。


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