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「海へ行こうっ!〜第2話−船旅はこりごり?〜」 REIM  (MAIL)
 「しっかし、よくリカルドおじさんが休みをくれたわね」と自警団の事務所でアルベルトに向かい、こう言葉をつむぐパティ。
 「まあ、な。クレアの名前を出したら一つ返事だったぜ」と答えるアルベルト。
 彼自身はどっちでもよかったが…妹が『行きたい』と言った為、リカルドに休暇を申請したのだ。
 「ふぅん…あ、これ、二人分渡しておくね」と薄い冊子を2冊、アルベルトに渡す。
 「しおりまで作ってるとは、結構、乗り気だな、パティ?」とからかうアルベルト。
 「そうじゃないんだけどね。ミュンがね、悪ノリしちゃってさあ、気がついたら…作らされてた」と苦笑するパティ。
 「ま、俺は気にしないがな…ところで、ジョートショップの方はどーなっているんだ?」やっぱり気になるらしい…。
 「さあ〜ね。そっちの方はシーラにまかせたからぁ、あたしは関係ないわよぉ」にやにやと笑みを浮かべるパティ。
 「な、なんだっ!? その笑いはっ!?」慌てるアルベルト。
 「べっつにぃ〜。それじゃ、あたし、まだやるコトがあるから、当日よろしくね」と詰所から出るパティである。

 一方、ジョートショップでは…。
 「…というわけなの。アリサおばさまも一緒にどうですか?」と旅行の事をアリサとフィムの二人に言うシーラ。
 「そうね…それじゃあ、せっかくだからお言葉に甘えさせてもらうわ」とアリサから快諾を得る。
 (うまくいったわ。これで『留守番してる』なんて言わないよね?)と内心、期待するシーラ…しかし…。
 「そうですか。それじゃあ、ゆっくりと楽しんで来て下さいね」知ってか知らずか、彼女の期待を一瞬にして粉々に打ち砕く
 答えを口にするフィム。
 (…くすん…フィムくんのいじわる…)…ちょっとだけ落ち込むシーラ…。
 「あら? フィムクンも一緒に行くのだけど?」「へ?」怪訝な顔をするフィム。
 「だって、あなたをお留守番にして私だけ行くわけにはいかないわ」とアリサ。
 「でも、仕事はどーするんですか?」当然の事を聞くフィム。
 「その間はお休みにするわ。それに…」「それに?」思わず問い返す。
 「シーラちゃんが『フィムクンと一緒に行きたい』と目で言ってるわ」と続けるアリサ…しかもシーラと目配せしてるし…。
 「し、しかし…」反論を試みるフィム…でもシーラの名前を出された時点で…終わってる気もするが…?
 「私と一緒に行きたくないと言うのね?」可愛く拗ねるシーラ…。
 「…そ、そこまで、言っていないけど…」慌ててなだめる…。
 「…フィムさん…もう何を言ってもムダっス…」と状況を正確に把握していたテディがこう呟く…。
 「それで、フィムクン。どうするの?」「…行きます…」と微笑むアリサに…こう返事した…。
 …結局…アリサさんとシーラちゃんの二人には勝てなかったフィムくんである…。

 「ねえ、セリーヌさんも行こうよぉ〜」
 孤児院では…トリーシャがセリーヌの説得にあたっていた…。
 「はあ…でもぉ、子供たちのお世話がありますしぃ」「ネーナさんだっているんだよ」とトリーシャ。
 「でもでもぉ、ネーナさん、お一人では大変ですぅ」と抵抗するセリーヌ。
 「それだったら、セリーヌさんがいない間、第三部隊に手伝ってもらえばいいじゃない」と提案する。
 「でもぉ〜」トリーシャの押せ押せモードにちょっと困惑気味のセリーヌ…。
 …何故、トリーシャがしつこくセリーヌを誘っているかというと…旅行にトリーシャとクレアの二人が参加して…ティルトが
 任務の関係上、エンフィールドに残る事になっているから…。
 そこで…セリーヌを海に連れていって…彼と二人っきりにさせない様にしようとしているのだ。
 もちろん、クレアの入れ知恵であったりする(笑)。
 「あの…トリーシャさん…」「なに? ネーナさん?」とネーナに問い掛ける。
 「セリーヌさんを海に連れっていったら…また迷子になるんじゃあ…?」と心配そうな顔でネーナ。
 「大丈夫だよ、ちゃぁんと保護者を連れていくから」「それなら安心ですね」と二人同時にある人物の方に視線を移す…。
 「…セリーヌさんの保護者って…あたしのことぉっ!?」「ローラの他に誰がいるの?」…をひ…逆じゃねーのか…?

 日は替わって…出発当日。
 「…結構大人数になっちゃったけど…旅費の方は大丈夫なんでしょうね?」念を押すかの様にミュンに尋ねるパティ。
 「ええ、泊まるところはクラスメートの別荘を借りることになってますから」と答える。
 「そのかわりなんだけど、オレ達の知合いと一緒になるけどね」とナッツが口をはさむ。
 「安く済むんなら、あたしはかまわないけど」これはパティ。
 「…やっぱり…その人、『お嬢様』…なのかしら…?」「…しかも…マリアちゃん…みたいな性格の…?」
 「…それはそれで…ちょっと…いやですね…」ひそひそと会話するシェリルとローラと瑞穂…。
 「はあ…どーして『お嬢様』っていうと…こう変わった人ばかりいるんだろ?」
 「トリーシャちゃん、それって、私も含まれるのかな?」とトリーシャのこの台詞に微笑んで突っ込むシーラ…。
 「え? あ、あはは…」笑ってごまかそうとするトリーシャ…。
 「そう言うトリーシャさんもこの街では『お嬢様』のお一人ですよ」と自分が『お嬢様』であることを棚に上げて突っ込む瑞穂。
 「自爆ばかりしてるどっかの誰かさんと一緒にしないでよぉ〜」抗議するトリーシャちゃんである…。
 (マリア「はくちゅんっ!」)
 「それよりもだ、みんな、船は大丈夫だよな?」とその場にいる全員に問い掛けるナッツ。
 『もっちろんっ!!』と一斉に返事する一同だが…海の船旅を甘く見ちゃいかんよ、きみたち(←体験者談)。

 「…ここが…ベルファークなんだ…」港に降り立ったパティは…少し痛む頭を押さえつつ言葉をつむぐ…。
 「ええ、エンフィールドと比べると有名なところはありませんけど」と答えるミュン。
 「あ、でも、大陸最大の冒険者養成校があるんじゃなかったの?」と元気いっぱいのトリーシャがミュンに尋ねる。
 「まあ、それだけしかないですけど」とトリーシャに答える。
 「ところで…ナッツ様もミュン様もそこを卒業されたのですね…?」今度は…青白い顔をしたクレアが聞いて来る。
 「ええ。それよりも…クレアさん、大丈夫ですか?」と逆に聞き返すミュン。
 「ええ、何とか、ですが…」…辛そうな声で答えるクレア…。
 …ナッツの言う通り、一行はエンフィールドから中継地のベルファークまで…船で移動したが…普段から乗り慣れていない
 乗り物に乗った為、船酔いにかかる者が続出したのだ…。
 今現在、元気なのは…学生の頃に何度も乗る機会があったナッツとミュン、仕事柄、船に乗る機会が多いアルベルト、航海中、
 ずぅっとはしゃいでいた為に船酔いにかからなかったトリーシャとローラ、旅が多かった為か既に慣れてしまったフィム、
 そして…船酔いになった人を看病していた為にかかる暇がなかったアリサの7人である…。
 この7人にパティ,シーラ,シェリル,クリス,アレフ,セリーヌ,クレア,リオ,美穂,瑞穂,テディの10人+1匹を
 加えたのが今回の旅行のメンバーである。
 「…あの…ミュンさん…これから、どうするの…?」クレア同様、青白い顔したシーラ−フィムの肩を借りている−が尋ねる。
 「え〜とですね、ここで学生の時のクラスメートと合流して…また船で…」
   ばた
 …ミュンが最後まで言い終わらないうちに…アレフ−一番長く船室で寝込んでいた−が倒れた…。
 「…情けないわね…」「…美穂姉…そんな顔で言っても…説得力がありませんよ…」とお互い青白い顔している広瀬姉妹…。
 「…ふう…」「わあっ!? シェリル、しっかりしてよぉっ!!」と気を失ったシェリルを支えるトリーシャ…。
 「…シーラ…大丈夫……でもない…か…」「…うん…」…気が遠くなる感じつつも…か細い声でフィムに答えるシーラ…。
 「…やれやれ…だから出発前に聞いたのに…」ぐったりとしているリオを介抱しながら呟くナッツくんであった…。


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