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「海へ行こうっ!〜第3話−ナッツとミュンの友人達〜」 REIM  (MAIL)
 それから…ほぼ40分後。
 船酔いでダウンしていた面々は…約1名−アレフである−を除き、ほぼ復活していたが…。
 「…遅いですね…」と隣に座っているナッツに話し掛けるミュン。
 「ああ…遅れてる理由は…見当はつくけど…」こめかみを押さえつつこうもらす…。
 「ははは…」ちょっとだけ力なく笑うミュン…。
 「その理由ってなに?」「ね、ボクにも教えて」くちばしをはさんで来るローラとトリーシャの二人。
 「知らない方がいいと思うよ…」とナッツ。
 その横では、ミュンがうんうんと頷いている。
 「え〜っ、ボク、知りたい〜」これはトリーシャ。
 「はあ…大したコトじゃないんだけどね…多分…」「多分?」ナッツの台詞に合いの手を入れるローラ。
 「知合いの女の子が…迷子になって…」と続けようとしたミュンの背後で。
 「私、迷子になってませんっ」という抗議が−女性の声で−聞こえて来たりする…。
 「きゃっ!?」驚いて夫にしがみつくミュン。
 「…なんだよ…来てたのか…」後ろを振り返り、尋ねる様に呟くナッツ。
 そこには…8人の男女が立っており、その近くには羽根の生えた丸い鳥みたいな生き物が浮いていた…。
 「ええ。みなさん、早いうちに集まっていたのですけど…」とその中で背の高い青みがかった髪の青年が申し訳なさそうに言う。
 「じゃあ、なんでだ?」「ライラ先輩が来ていない」今度は黒髪の白衣を着た青年が答える。
 「え? だったら家まで迎えに行って…」「先輩の家、知ってるのってナッツだけだよ」と金髪をポニーテールした少女が
 さえぎる様にミュンに答える。
 「せやからな、一旦合流してな、ナッツに迎えに行ってもらおうと思ったんや」と紅茶色の髪のエルフの少女がこう続けた。
 「ですから、決してミレナお嬢様が迷子になったわけでは御座いません」とローラと同じ色の髪−ローラよりも長い−の少女の
 傍らに立っている黒服をきっちり着込んだ−背中にリュックを背負っているが−中年の男性がこう言い切った。
 「やれやれ…しょーがないな…」とナッツが呟くや否や、
 「それよりもな、俺達に紹介して欲しいのだが?」と言葉をつむぐフィム。
 「そうですねぇ、すっかり忘れてましたわぁ〜」…ほえほえとした声でピンク色の髪の少女…先程、抗議したのも彼女である。
 「…なあ…誰かに似てねぇか…?」「…そうね…確かに…誰かに似てるわね…」「…あたしもね、今そー思ったトコ…」
 こう呟くと同時に一斉にある人物に視線を向けるアルベルト、美穂、パティの3人…。
 「??? あのぉ〜、どうして私を見るのですかぁ〜?」…小首を傾げてのんびりとした声で尋ねるセリーヌちゃんである…。
 「あの、早く紹介して欲しいのですけどぉ?」と口を開くクリス。
 「そうね、みんな、名前が分からなくて困ってしまいますものね」とアリサ。
 この台詞で彼女の方に視線を向ける学生時代のナッツやミュンの知人達…。
 「あれ? 可愛いワンちゃんですね」と青みがかった髪の青年がアリサが胸に抱いている生き物を見て言った。
 「ボク、ワンちゃんじゃないっス!」抗議の声をあげるテディ。
 「ゲッ!? イヌっころがしゃべったっ!?」とネコみたいな耳と尾を持つ青年が驚く。
 更に…。
 「ほえ〜、すごいわんちゃんですね〜」ピンク色の髪の少女が追い討ちをかけた…。
 ちなみに…ミュンも初めて会った時に『わんちゃんのお名前、なんて言うのですか?』とアリサに尋ねてたりする(笑)。
 「うぅ…ひどいっス…」…涙目で3人を睨むテディであった…。
 一方…。
 「ぴー太郎、お前も元気そうだな」「ぴぴぴぃっ」と羽根の生えた丸い鳥みたいな生き物に話し掛けるナッツ。
 どーやら、『ぴー太郎』という名前らしい。
 「それにしても…不恰好で不細工な鳥だな」「ぴっ!!!」アルベルトに抗議(?)するぴー太郎。
 そして…次の瞬間。
 「イテっ!? お、おい、やめろっ、コラっ!! アイテっ!!」と突然痛がるアルベルト。
 「…今のは…絶対、アルベルトさんが悪いよ…」こう呟くトリーシャの目には…怒ったぴー太郎につつかれているアルベルトの
 姿が移っていた…。

 …それから更に…1時間後…。
 「…遅いですね…」と青みがかった髪の青年−名前は青桐鳶(あおぎり えん)−が呟く…。
 あれから…一通りの紹介を済ませたナッツは…まだ来ていないライラを迎えに行ったのだが…。
 「やっぱ、トリーシャと一緒に行かせたのが…マズかったんじゃねーのか?」…ようやく復活したアレフがこう口を開く…。
 …少し前に…ピンク色の髪の少女−名はミレナ・レン・ウェーバー−をナンパしようとしたアレフだったが…彼女の口から
 『ほえ〜、これが「ナンパ」と言うものなのですね』という世間知らずのお嬢様みたいな−事実、箱入りのお嬢様である(笑)−
 台詞を聞かされて、彼が再起不能寸前になるという一幕があったが(笑)。
 「確かに、な…トリーシャの性格からすれば…」「寄り道してるわね、きっと」と同意するフィムとパティ…。
 しかも…。
 「…ありえますね…」…シェリルにまで言われてしまう…。
 …実は…ナッツ一人で迎えに行く予定でだったが…トリーシャが『街の中、見てみたぁい』と言い出したので…ライラを迎えに
 行くついでに街を案内すると言うことになったのだ…。
 「いくらなんでもさ、それはないんじゃないの? ミュンもそう思うでしょ?」ポニーテールの少女−名はアンリ・ルージュ−が
 ミュンに問い掛けるが…それに対するミュンの答え…。
 「トリーシャちゃんって、結構、好奇心旺盛なんですよ」…よく言ってあげたら…その通りである…が…。
 「どっちかと言うとぉ、噂話好きでぇ、ミーハーなんだけどね」人の事が言えるのかっ!? ローラっ!!
 「難儀な娘やなぁ」とエルフの少女−リサ・ユフィールという名である−が半ば呆れた声を出す…。
 「その、トリーシャっていう娘、誰かに似てないか?」と白衣を着た青年−名前はティム・エレイン−が話題を振って来た。
 「似てるとすりゃあ…アンリに似てるな」ネコみたいな耳と尾を持つ青年−リューク・セルヴァーという名で、種族は
 クォーターキャット−が口を開く。
 「オイラもそう思うのだぁ」「ちょっとぉっ!! それ、どーゆう意味よっ、ニールっ!?」「あ、アンリちゃん、落ち着いて」
 とニール−フルネームはニール・フォートニー−にくってかかるアンリをなだめるミュン…。
 そんなこんなをやってると…。
 「…ただいまぁ…」とやっと戻って来たナッツが力ない口調でこう呟いた…。
 「おかえり〜って、どーしたのよ? そんな顔して?」すっかり疲れ果てた顔をしているナッツを見て驚くアンリ。
 ふと、彼の後ろの方を見ると…ナッツと同じ様に疲れ果てた顔をしたライラ−フルネームはライラ・カルネット−と…何故か、
 ぷりぷりと怒っているトリーシャの二人が立っていた…。
 「…何があったの…??」不思議そうにトリーシャに尋ねるローラ。
 「聞いてよっ、ローラっ!! ボク、とぉっても信じらんないよっ!!」と話し始めるトリーシャである…。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 話を…40分ほど前に戻す…。
 「へぇ〜、ライラさんってルポライターなんだ…なんか、ボクと話が合いそう」と歩きながら口を開くトリーシャ。
 「おいおい、仕事柄、人の噂話を集めているんだよ。トリーシャみたく趣味でやってるのと違うんだぞ」とたしなめる。
 「むぅ〜」ちょっとだけ拗ねた顔をするトリーシャ…。
 「ヘンな顔、するなよ…それよりも着いたよ…」と3階建ての1軒のアパートを指し示す…。
 「それで何階なの?」「え〜と、2階だよ」と言って階段を上がる二人。
 そして…表札に『ライラ・カルネット』と書かれた部屋の前に来る。
   とんとん
 ノックして「ライラ先輩、起きてますか?」と呼び掛けるナッツ…。
 「…なーくん? どーしたのよ…?」扉越しに寝ぼけた声が聞こえて来る…。
 「はあ…先輩、時計見て下さいよ…」「…時計…?……げっ!?」…途端にドタバタと物音が聞こえて来る…。
 「…い、今まで…寝てたんだ…」呆れて呟くトリーシャ…。
 「今、鍵開けるから中に入って待っててっ!」と言うや否や、
   かちゃ
 扉が開き、濃い紫色をした髪の女性−どう見てもヴァネッサよりも年上に見える−が顔を出す。
 「先輩、しっかりして下さいよ…忙しいのはわかりますけど…」溜息混じりにこうもらすナッツ…。
 「あはは…ごめんごめん…昨日、飲みすぎちゃってさ…で、そっちのコは? まさか…浮気かなぁ?」とからかうライラ。
 「違いますよっ! エンフィールドでの知合いで…??…どーしたんだ…?」…トリーシャを見て不思議そうに尋ねる…。
 …さっきから、じーっと部屋の中を見ていたトリーシャだったが…突然、
 「うわぁ、きったないぃぃぃっ!!」と身をよじった。
 「ちょっとっ! アンタね、初対面の人間に向かって、いきなりそれはないでしょっ!」とむっとするライラ。
 「…そりゃ確かに…先輩の部屋は…とても女性の部屋とは思えませんけど…」ぽつりと呟くナッツ…。
 「なーくんっ!」矛先をナッツに向けるライラ…。
 「そ、それよりも早く支度して下さいよ、みんな待ってますよ」と誤魔化すナッツ。
 「そうだった、ちょっと待って…!?」何かにつまづいて、
   ばさばさばさ…
 と書類の山を崩す…。
 「う〜〜、もう我慢出来ないっ!! 片付けるっ!!!」と宣告するトリーシャ。
 「ま、待てよっ! 片付けるって、もう時間が…」「口答え無用っ!!」ずかずかと部屋の中に入る…。
 「どーゆう性格してるのよっ!? あのコはっ!?」「オレに聞かないで下さいっ!」
 「二人ともっ!! ボサっとしてないで手伝うのっ!!!」と部屋の中からトリーシャの怒声が聞こえて来た…。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「…そういう事があったんですか…ちょっと信じられませんけど…」と感想を述べるミュン…。
 「この目で見たオレだって信じられないよ…あのトリーシャがね…あんな性格してるとはね…」これはナッツ…。
 「…そー思うのは…ムリもないことだけどな…」とフィム。
 「でも、トリーシャちゃんって、とても家庭的な子なんですよ」と友人をフォローするシェリル。
 それを聞いたナッツとミュンは…心底意外そうな顔する…。
 「ちょっとぉ〜、ナッツさんもミュンさんも今までボクのコト、どー見てたのさぁっ!?」それを見て怒った顔をする。
 二人は顔を見合わせて…、
 「ミーハー」「好奇心旺盛」ときっぱり言い切る…。
 「がくっ…そんなにはっきり言わなくてもいいじゃないかぁ〜」ちょっとだけ傷つくトリーシャ…。
 「あははは、普段が普段だからね、そー見られてもしょーがないって」と可笑しそうに笑うパティ。
 「むぅ〜〜」と拗ねてしまうトリーシャ。
 「きゃは、でもよかったんじゃないの? 少し誤解がとけて」と全然フォローになってない様なコトを言うローラ。
 「全然、うれしくないっ!」これはトリーシャ。
 「まあ、パティにトリーシャ、それとローラはエンフィールドじゃ『かしまし3人娘』って言われるからな」「確かに、な」
 と余計なことを言うアレフとフィム。
 「誰がっ!」とパティが口を開き、
 「かしまし3人娘…」とローラが続け、
 「だようっ!!」とトリーシャが締めくくった。
 「あらあら、3人とも息ぴったりね」…これはアリサである…。
 『うぅ…』アリサに言われてしまって…落ち込む3人…。
 「あの、早くしないと…日が暮れちゃうわ」とシーラがみんなを促した。
 「おっと、そーだった」「そうですね、急ぎましょう」と彼女の言葉に頷くフィムと鳶。
 一方…彼らの後ろでは…。
 クレア、リオ、瑞穂の3人が…『居ただけトリオ』という看板を持って寂しそうに佇んでいた…。
 (↑今回、セリフがまったく無かった…)


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