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「海へ行こうっ!〜第7話−海辺のひとコマ…〜」 REIM  (MAIL)

 ハプニング続出のキモ試しの翌朝、一同は海辺で朝食を摂っていた…。
 ちなみに後で遊べる様に水着を着ていたりするのだが…。

 「…眠いよぉ…」と眠たそうな声でこうもらすローラ…。
 そりゃそうであろう…何しろ、一晩中、森の中をミレナとセバスチャンとの3人でさ迷っていたのだから…。
 「あのな…お前も眠いかもしれんが…俺だって眠いんだぞ…」とパーカーを羽織ったアルベルトが文句を言う…。
 ローラの隣に座っていたパティも…こくりこくりと船を漕いでいたりする…。
 最も…2〜3人を除き、他の人達も似たような状態ではあるが…。

 …昨日、パティ&セリーヌ組とミレナ&ローラ&セバスチャン組の2組が2時間以上過ぎても戻って来なかった事に不安を
 感じた一同は、フィム&美穂組、ナッツ&ミュン組、鳶&アルベルト組と3組の捜索隊を森の中に送った…。
 『精霊使い』であるフィム、ミュン、鳶の3人に樹の精霊ドライアッドに5人の行方を尋ねながら、彼らを探す為に、だ…。
 その甲斐あってか、明け方近く、パティとセリーヌは鳶らに、ミレナとローラ、セバスチャンはナッツらに無事保護された…。
 ちなみに…誰にも会わなかったという貧乏クジを引いたフィムと美穂の二人が別荘に戻ってきたのは…彼らを保護してから…
 3時間後のことであった…。

 「美穂姉…大丈夫でしょうか…昨日はほとんど寝ていませんし…」と不安げな表情で姉を気遣う瑞穂…何しろ別荘に帰り着くや
 否や…「起した人は…公務妨害で斬首…」とかなり物騒なセリフを呟くと同時にベッドの上に倒れ込んだのだから…。
 「美穂もそーだが…フィムのヤツもぶっ倒れたくらいだからな…」とアレフ…。
 こっちはというと…「今日の朝食は海辺だってよ」とアレフ達が誘っても…「友達との朝食よりも一時の睡眠が欲しいよ…」と
 言うと…すぐさま広間のソファーに横になった…そして、彼の寝息が聞こえて来るまで10秒もかからなかったという…。
 「一ついいかな?」「なんでしょうか?」「あの二人は寝不足だからしょーがないけど、なぜシーラってコも残ってるのよ?」
 とシェリルに尋ねるライラ。
 「ちょっとちょっと先輩」「何?」…何事かを小声でライラの耳に囁くナッツ…そして、
 「あ、そーゆうコトね」と納得する。
 ちなみに…その時にシーラが言った理由は…「誰かいないと…心配するんじゃないかな…?」…パティ達エンフィールド組に
 してみれば…下心見え見えの理由という事に気付いていたりする…何しろ…頬を染めていたしね…。
 「ま、シーラはウソがヘタだからなぁ」と締めくくるアレフくんであった…。

 それから…30分後、浜辺では…。
 「ふう…潮風が気持ちいいですね…」と足を伸ばして海から来る風を受け止める様に浜辺に座り込んでいるミュンがこうもらす。
 「そうだな…海に来るのも3年の夏合宿以来だしな…」と妻の隣で同じ様に座りながら答えるナッツ。
 「…あのさ…なーくん…それにミュン。一ついい?」と彼らの側で座っていたライラが話し掛けて来る…。
 「あ、はい。なんでしょうか、ライラ先輩?」「あんた達の街の人間って…いつもあんなコトしてるワケ?」と言うと同時に
 海辺の方を指差す…。
 『え?』慌ててライラが指差す方を見ると…。

 「そこの彼女、お茶でもどう? それとも…」「ここに来てまでナンパなさらないで下さいっ!!」
 と片っ端から女の子に声をかけまくっているアレフを問答無用で蹴り倒すクレアちゃんを見て…
 「…アレフ…迷わず成仏してくれ…」と妹の『蹴り』の威力を身を持って知っている兄がこう呟いていた…。

 「こ、こらぁっ!! 二人とも手を離しなさいよっ!!」「せっかく海に来たんだから泳がなきゃだめよ、パティ」
 「そうですね〜、トリーシャさんの言う通りです〜」「あんたたちぃぃぃっ!!!」と絶叫するパティを海の方へ引っ張って
 行こうとしているトリーシャとセリーヌを見て、
 「どうして、パティお姉ちゃん、怒ってるのかな?」「さあ? わかんない…」と二人で砂の城を作りながら首を傾げる
 リオくんとローラちゃんである…。

 「きゃーっ! このコ、かわいいっ!」「ねえねえ、アタシとお茶しない?」「あ〜、わたしが先よっ!」と見ず知らずの
 女のコ達に逆ナンパされてるクリス…中には…彼に抱きついてるコもいるが…。
 「…誰か助けて…」と助けを求める…その顔は…既に泣き顔になっていたりする…。
 「あの…助けなくていいですか…?」と傍らの少女に尋ねるシェリルだが…その答えはというと。
 「知らないっ」…すっかり焼きもちを妬いちゃってる瑞穂ちゃんである…。

 『ははは…』…それを見て…乾いた笑いをするしかないナッツとミュン…そら、そーだ…。
 「でも…ナッツさん達のお友達もいつもあんなことしてたんっスか?」と尋ねるテディ。
 『え?』と今度はライラも一緒に海辺の方を見ると…。

 「何しとんのや?」とパティ達を見て尋ねるリサ…ミレナも一緒である。
 「見ての通り、パティを海に引っ張ってるんだよ」と答えるトリーシャ。
 「だぁかぁらぁ、手を放しなさいってばっ!」「海、嫌いなのですか?」と嫌がるパティに尋ねるミレナ。
 「き、キライじゃないけどぉ…」と段々と声が小さくなる…すると…何かに気付いたらしく、
 「ははぁん…そーゆうコトかぁ」「そーゆうコトやなぁ」と二人で顔を見合わせて、にやりするトリーシャとリサ…。
 一方、セリーヌとミレナはきょとんとしている…。
 「な、なによ…?」と強がるパティ…。
 「んじゃ、行こか」「そうそう、運動神経抜群のパティの泳ぎ、見せてよ」と言うや否や二人がかりでパティを海へ引きずる
 トリーシャとリサ…。
 「ちょっとぉぉぉっ!!!」…この直後、パティちゃんの拳が光って唸った…。

 「あ? セリーヌお姉ちゃんやミレナお姉ちゃんも殴られてる…」一部始終を見ていたリオがぼーぜんと呟く…。
 「ミレナお嬢様を殴るとはっ!! この私が許しませんっ!!!」「…パティちゃんが…空…飛んでる…」
 …ぽつりと呟くローラの目には…セバスチャンによって、海へと投げ飛ばされたパティの姿が写っていた…。

 一方…。
 「すっげーな…」とアレフが蹴り倒されたのを見て、こう呟くリューク…。
 「そうだな…蹴りに関して言えば、お前以上かも知れないな」とティム。
 「なんだとっ! と言いたいトコだが…そーかもな…」首肯するリューク。
 「へ〜、リュークが格闘で人を誉めるなんて、あたし、はじめて聞いた」と茶々を入れるアンリ。
 「どーゆうイミだよっ、アンリっ!?」「言葉通りの意味だろう」順にリューク、ティムである。
 「だけど…どーやって、蹴りの練習をしてるんだ?」と疑問を呈するリューク…それに対して、
 「そりゃ、身近に手ごろなサンドバックがいるでしょ」「ふむ…確かにな」と意見を口するアンリと納得するティム…。
 それよりも…クレアちゃんがあんたらをこわぁい目で睨んでるコトに気付いてる?
 「でも、クレアさん、お嫁の貰い手ないね、絶対に」「そうだな、あれでは命がいくつあっても足りないな」「同感同感」
 と口々に言う3人…すると…。
   ぷち…
 …少し離れたところから…何かが切れた音が微かに聞こえて来た…。
 「…バカなヤツら…」…妹のサンドバックと化した3人を見て、こう呟くアルベルトくんである…。

 『あは…はは…』…愛想笑いを浮かべるしかないナッツ、ミュン、ライラの3人…。
 「あら、元気があるのはいい事だわ」とアリサ…でも、ちょっと違うような…。
 「でもさ…これ、どー見たって…」「暴れてるとしか言えないのだ」…順にライラ、ニールである…。
 「…なあ…鳶はどう思う?」と話を振るナッツ…しかし…。
 「ZZZ…」…甲羅干ししてるうちに…お昼寝モードになってしまったようである…。
 「…はあ……ん? どうしたんだ?」ミュンに腕をつつかれ、妻の方に振り返る。
 「ええ、なんか…パティさん…溺れているみたいなの…」『え?』とばかりに海の方に目を向ける3人…。
 確かに…パティが海の中でもがいているのがよく見える…。
 「…潜水の練習じゃないの…?」…ジト汗をたらすライラ…。
 「そうでしょうか…?」いまいち納得出来ないミュン…
 「…悪ふざけじゃないかな…?」これはナッツ…。
 「あ、動かなくなったのだ…」…実況するニール…こめかみには…一粒の汗が浮かんでいる…。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「ま、まずいぞっ!!」「は、早く助けなきゃっ!!」「何やってんのよっ!? あのコはっ!!」「オイラも行くのだっ!!」
 脱兎のごとくに水没したパティのもとに駆け出す4人…。

 「鳶さん、大丈夫っスか…?」と声をかけるテディ…。
 「あらあら、ナッツクンもミュンちゃんも元気ね」「ご、ご主人様…ちょっと違うような気がするっス…」…ジト汗をたらす…。
 …彼女達の近くには…4人に踏み潰された鳶が…ぴくぴくと痙攣していた…。

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