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「海へ行こうっ!〜第9話−エンフィールドにて…〜」 REIM  (MAIL)

 海へと遊びに行った面々が戻って来る当日、エンフィールドでは…。

 「…静かだな…」と事務所で頬杖をつくティルト…。
 「そうですね、トラブルメーカーのほとんどがいませんしね」これは隊員A。
 「ですが、それも今日まででは?」と指摘する隊員B…。
 「それだってかまわないさ、休暇が終わったと思えばね」とティルト。
 「つかの間の休息ってヤツですか」「まあ、そんなトコかな…で、今日の任務状況は?」とミーティングを始める…。
 しかし…。
 「待ちやがれっ!!」「マリア、何もしてないもんっ!!」「魔法で店をメチャメチャしておいて何を言うかっ!!」
 …………もはや、何も言うまい……。
 「なあ…何故、あいつらが居残りなんだ…?」微かに頭痛を覚えるティルト…。
 補足すると…マリアは補習の為、エルは店番の為に行けなかったのだった…。
 「止まらないとコレを投げつけるぞっ!!」「頼まれたって止まるもんですかっ!!」…確かに…正論である…。
 「エルさんっ、パイナップルを勝手に持ち出さないで下さいっ!!」とマーシャルの声…すぐに殴打の音が聞こえて来たが…。
 「は? パイナップル? そんなもんでマリアを止められるか?」何気なく聞いていたティルトがこう呟く…。
 「投げられるもんなら投げてみなさいよーだっ! ノーコン・エルフのくせっ!!」「言ったなっ!!!」
   ひゅんっ!! かっしゃんっ
 何か棒の先に黒い塊のついた物が事務所の中に飛び込んで来た…。
 「なんだ? これは?」と手に取るティルト…。
 次の瞬間。
   ドッゴォォォォォンっ!!!
 …蛇足ながら…手投げ爆弾の事をその形から軍隊の隠語で…『パイナップル』と言うそうである…。
 (ティルト「だったら最初からそう書けぇぇぇぇぇっ!!!!(絶叫)」)

 「ふむ…アルがいなければ少しは静かになると思ったが…どうやら考え違いをしていたようだな…」
 と揺れる事務所の中で報告書の整理をしながら呟くリカルドであった…。

 一方、『さくら亭』では…。
 「…やれやれ…またなの…?」と遠雷の様に聞こえて来る爆発音に呆れるヴァネッサ…。
 「あのコの自爆はいつものコトだろ?」とグラスを磨きながら苦笑するリサ。
 「パティさん達が留守にしている間は少し静かになると思ったけど」とイヴ。
 「最大のトラブルメーカーが居残りになったんだ、しかたあるまい」とカード占いをしながらルー。
 …ちなみに…つい2日前には『さくら亭』の中で金髪娘が自爆してたりする…。
 「ま、何にせよ、また明日からうるさくなるさ」……『今日から』の間違いじゃないのか? リサさん?

 その日の夕刻…。
 一同は…エンフィールドの船着場に降り立ったが…。
 「う〜…やっぱ慣れねぇ…」と船酔いで苦しむアレフ…。
 「だらしがねーヤツだな…」「…やかましい…」…フィムに力なく抗議するアレフ…。
 「ま、一晩寝れば治るよ」流石に気の毒になったのか、こう言うナッツ。
 「………だったら、シェリル…せめて君の膝枕で…」「…≪ヴァニシング・ノヴァ≫…いかがですか…?」ぼそ。
 「…じゃあ…シーラ…」「フィムくん以外はお断りします」きっぱり。
 「あはは、なんならあたしがしてあげよーか?」「…パティの膝は筋肉だから…遠慮しとく」ぶち。
 「…なあ…アルベルト…手伝ってくれるよな…?」ひくひく。
 「ああ…クレアに手を出す前に…このバカをシバいておくか…」ぽきぽき。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「でぇっ!!?」…フィムとアルベルトの手によってムーンリバーに叩き込まれ…更に美穂から…。
 「うちの妹にも手を出されたら困るわね」…次いでとばかり、神聖魔法唯一の攻撃呪文−≪ホーリー・サンダー≫−の直撃を
 くらったアレフである…。
 …アレフの他に…無数の月光魚が腹を上にして、ぷかぷかと浮いていたりするが…きっと目の錯覚であろう…。
 (ローラ「やっぱりアレフくんってバカ?」 トリーシャ「それ以外に考えられないじゃん」
  セリーヌ「あのぉ、『バカ』と言ってはいけません。せめて『お間抜けな人』と言ってあげませんとぉ」
  ローラ&トリーシャ「………セリーヌさん…それって大ボケ………(汗)」)

 「あははは〜、アレフも相変わらずだね〜」と『さくら亭』にリサの笑い声が響く。
 「…笑いゴトじゃないぜ…」とズブ濡れのまま抗議するアレフ…。
 「あはは、シーラさんにちょっかい出すからだよ」と笑いながらトリーシャ。
 「そうですね」と相づちを打つ瑞穂をジト目で睨むアレフ…。
 「…美穂の呪文が一番効いたんだけど…?」「そ、そうですか…?」…冷や汗が一筋、たらりと流れる…。
 「あれは…ちょっとご遠慮したいですわ…」と身を震わすクレア…。
   カララン…♪
 「いらっしゃい〜♪って、ジュディ、どーしたの?」と呼び掛けるパティに気付かずに…。
   きょろきょろ…
 と店内を見まわすジュディ…ちなみに今、店内ではリサ、アレフ、パティ、トリーシャ、クレア、セリーヌ、瑞穂の7人が
 くつろいでいた…。
 「…ジュディさん…?」不思議そうに呼び掛けるトリーシャ…。
 「あの…パティ様、お嬢様はどちらにいらっしゃるのですか?」と問い掛ける…。
 「え? シーラ? あのコなら今、ジョートショップにいるはずよ」と答えるパティ。
 「そうですか…それでは、これで失礼致します」「ちょっとちょっと」と呼び止める…。
 「あの、何か?」「シーラさんにどういう用事なの?」尋ねるトリーシャ。
 「はい、大した事ではありませんが…」「じゃあ、なに?」更に問う…。
 「はい、『おまじないの方はどうでしたか?』とお聞きしたかっただけのですが」と答える…。
 「『おまじない』? それってどういうおまじないなの? ボクに教えてよ」興味津々に問い返すトリーシャ…髪と同じ色の
 瞳がきらきらと輝いていたりする…。
 見ると…他の面々も聞き耳を立てていたりする…。
 「それはですね…レイグランデ・ビーチに伝わる言い伝えなのですが…」「うんうん、それでそれで」
 「夕暮れ時の浜辺で恋人達が口づけを交わすと…その二人は永遠に結ばれる…というものなのですが……あの…?」
 …話の途中で4人ばっか固まってしまい…最後まで聞いていなかったりする…。
 「私、お気にさわる事を言ったのでしょうか?」とパティに尋ねるジュディ…。
 「気にしなくてもいいわよ、いつものコトだから」と笑いながらパティ。
 「はあ…それではこれで失礼致します」と店を出るジュディ…。
 「…それにしても…ちゃっかりしてるわね、あのコも…」とパティ…彼女が言う『あのコ』とは…シーラの事である…。
 「そーだな。つい2、3年前には考えられないコトだけどケド、な」これはアレフ。
 「それはそーと、コレ、どーするんだい?」と言って4体の『彫像』を指さすリサ…。
 「…ほっときましょ…」…ジト汗をたらすパティであった…。

 一方…リサから『コレ』扱いされた4人はというと…。
 (私とした事が、一生の不覚っ!!)
 (なんで、こうなるんだよぉ〜っ!!)
 (シーラさん、一人だけずるいですぅ〜っ!!)
 (……はあ……とても残念です……)
 等と心の中で思っていたという……。

     ≪Fin≫


 [あとがき]
  パティ「やっと終わったみたいね」
  REIM「ええ、やっと終わりました…」
  美穂「そうね、9話に及ぶ長編になっちゃんだもんね」
  シェリル「あの、このお話の元ネタは…なんでしょうか?」
  REIM「このお話はですね…亜村有間さんのサイトに掲載されている埴輪さんのSS『ジョートショップ、海へ』を
      私なりにアレンジして書いたものです」
  ナッツ「しかしまあ、今回はオレ達のクラスメートが登場して、結構大変だったんじゃないか?」
  REIM「まあ確かに(苦笑)。亜村さんから『人物紹介を書いた方がいいですよ』とアドバイスされましたし(笑)」
  美穂「名前付きだけで30人近かったもんね(笑)」
  リサ「で、次回作はどうするんだい?」
  REIM「流石に気力を使い果したので、当面は1話完結を続けようかと」
  パティ「そうね、あんたが書いたSSの中で一番話数が多いヤツだったもんね」
  REIM「それと新作『悠久組曲』のSSの準備もありますし」
  ナッツ「書くのか?」
  REIM「ええ、書きますけど? 何か?」
  悠久キャラ一同「主役は誰っ!?」
  REIM「それは…」
  悠久キャラ一同「それはっ!?」
  REIM「…ひ・み・つ…です♪(笑)」
  悠久キャラ一同「…………(無言で制裁準備中…)」
    どかばきっ!!
  ナッツ「……どっかのプリーストみたいなコトするなよな…死にたくなかったら…(呆)」


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