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「悠久幻想曲 〜THE ANOTHER STORY〜 一章」 熾天使  (MAIL)















―夢―










―夢の中―










―光―










―光の粒―










―命の光―










―暖かな光―










―柔かな光―










―夢を漂う―










―時を移ろう―










―やがて『そこ』で止まり―










―悲しみの色―










―迷いの色―










―苦しみの色―










―震える―










―共鳴―










―鳴り響く―










―悲しみを―










―迷いを―










―苦しみを―










―何と?―










―何と共鳴する?―










―闇―










―深い闇―










―深い悲しみ―










―漂う闇―










―埋め尽す闇―










―光―










―漂う光―










―ゆっくりと溶ける…―










―悲しみの闇―










―迷いの闇―










―苦しみの闇―










―闇の中へ―










―光が消える―










―溶けるように―










―光―










―残された光―










―残された思い―










―光―










―夢の中―










―漂う光―










―やがて―










―希望となる―











悠久幻想曲


THE ANOTHER STORY


















第一章














〜ユメノオワリ〜



















さらっ


衣擦れの音。







ゆっくりと目がさめる。








白い海。

まばゆい光。

心地よい暖かさ。

心地よい光。









身を起こす。






少しの間。





自分が今だ人前に出るにははばかられるような姿である事を知る。

多少、頬が上気した。





質素な部屋の質素なベッドから、さしこむ、優しい光を見る。





温もりは、まだ確かなものであった。














確かに思い出せる。
















やがて、決意したように一つ頷き、















そして、愛しい人のほうを見る。
















想いつづけた、













想いを遂げた、





















愛しい人を…。































そして、その表情が凍りつく。























先ず表れたのは、悲しみ。




そして、深い後悔。



自分への苛立ち。
























心が浮かれていた。





舞い上がっていた。





あの人がかえって来てくれたことに、





自分の想いを伝えられた事に、





自分の想いが成就した事に、










浮かれていた。













昨夜のあの人は、思いつめていなかったか。

迷いをその美しい顔に浮かべていなかったか。















その心を、解ろうとしたか…。

























悲しみの粒が朝日に光る。









今まだそこに残っている、

どこまでも愛しい人のぬくもり。

白い海から抜け出して、

そこから一歩、二歩と下がる。



















今まで伝えられなかった想い。

ようやく伝わった想い。

重なった想い。




















悲しみは抑えられずにあふれ出る。






















一緒にいると、

二人で進んで行こうと、

約束してくれたのは、

偽りだったのか。



















あの優しい笑顔で、

あの人は…、






























約束…、





























約束…?





























そうだ、

あの人は、

決して嘘などつかない。







今までも、


そしてこれからも。





















思い出す。

昨日のあの人を。




確かに頷いた。

確かに笑った。





















心から。



心のそこから。






















そうだ、



あの人は謝っていた。

ごめんなさいと、

貴方を悲しませる事を、

ごめんなさいと。





























思い出す。

























昨日のあの人を。

























約束した。
























いつまでも一緒に。

























私の言葉。


























私が私である限り…。


























あの人の言葉。






























思い出す。






























昨日のあの人を。






























そうだ、





その時既に、

あの人は決意していた。

















今のあの人はあの人ではない。




















その罪を、

その苦しみを。

その悲しみを、


















全てを背負っていかなければ。

全てを自分で償わなければ、




















あの人は、

あの人でいられない。

あの人ではなくなってしまう。



















いや、







それ以上に、






あの人が今まで閉ざしてきた心の傷を、

傷跡を、

癒さなければ、

受けとめなければ、




















あの人は、

あの人でいられない。

あの人ではなくなってしまう。


























「そうだ」

簡単なことだ。



追いかければ良い。

気の清むまで。










探せば良い。

もう二度と離れないように。

























あの人の悲しみを少しでも癒せるように。

少しでも共に生きられるように。






















悲しい定めを背負ったあの人を助けられるように。

























迷惑かもしれない。



























拒絶されるかもしれない。























































それでも、











































もう、離れるのは嫌だから。


























だから、


追いかけよう。



























あの人が知らないところで悲しむのは嫌だから、

あの人が知らないところで苦しむのは嫌だから。






























そして、






























ここに戻ってこよう。

あの人と二人で。































最初は無機質だと思ったこの部屋も、

今はその所々にあるあの人の優しさが好きだった。


























そうだ、


























ここがあの人の部屋なんだ。



























ここがあの人の故郷なんだ。



























心配する事はない。



























きっとかえってこれる。










































だから、



















だから…、



















今しばらくは、

この苦い悪夢で我慢しよう。





















いつかきっと、

あの人と二人で、





















『希望』





















の夢を再び、

感じられるように、

受けとめられるように、





















命の輝きを、

夢の灯火を、

二人で抱きとめられるように。






























だから、


























だから今は、



























今はその黒ずんだ空の中に、


















地が腐り果て、









水が澱み、








火が消えて、









風が止まる、













その、












黒ずんだ狂気の中に…、





















あの人を探すため。

あの人を守る為。

行こう。

















扉をあけて。





















きっと、

大騒ぎになるだろう。






















それが絶望である事を知るから。





















それでも、























私はあきらめない。





































「ゼロの可能性」




































そっと、つぶやく。




































「今なら、信じられる…」



























約束は、
















いつかきっと…。

















「貴方が貴方である限り、いつまでも共に…」

貴方の為に。

私の為に。











































くるり、くるり、



















くるり、くるり。

























回る、回る、
























回る、回る。


























小さな小さな物語。


























大きな大きな物語。


























歯車が、

壊れて止まっていた歯車が、

















物語を続ける為に、






















最後にある物を見出す為に、






























回る、回る。

























くるり、くるり。

























今それが絶望を回していたとしても、

最後に見えるのは、






























『希望』






























だと信じて、
















回りつづける。







壊れるまで。

外れるまで。

悲しく狂った歯車が、
























くるり、くるり、

























くるり、くるり。

























きっと最後に見えるのは、






























『希望』






























だと信じて…。



























−−−後書−−−




えと、お久しぶりです。

前の作品よりずいぶんと時間がたってしまいました。
そのあいだ、ずっと書こう書こうとしていた私的〜〜は、

私の未熟さゆえでしょうか…、
大量に矛盾点、強引な点、自分勝手な妄想
が見つかった為…。

全て書きなおす事にしました。

これもまぁ、私の性格だと思って…下さるとありがたいです。


今回は、なるべく悠久の雰囲気を壊さないように、
大切に主人公の環境を構築しながら、
至らない点などあるかと思いますが、

なるべく読んだ人に悠久である必然性と
とっつきやすさ、

それから、なにかメインテーマを設置し、
大きくなくて良いのでその場限りで少しでも心が動くような作品を作りたいと思っております。


前の二の舞にならないように、(&私受験なため…)
執筆速度等、かなり落ちますが…。

もしよろしければ、最後まで緒付合いくださいませ。



この導入部分。(これですでにとっつきやすさはなくなっている気がします(滝汗))
これを読んでもしほんの少しでも感想、気分の変化を持ってくださったら、
それが私が目指す理想であると考えます。
それが最もたる幸せだと考えます。


では、次回また…。


私が描くもう一つの、或いは違った概念を持つ、

「悠久幻想曲」の世界でおあいいたしましょう…。


感想、一言でも良いので(と言うより一言のほうがいいかも)くれるとありがたいです。
お暇な方は是非…。
seraphim@sohgoh.net

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