「終わりが始まり」
雨水 時雨(MAIL)
「……………ましょう。」
あの人が言った。
それが、終わりにして始まりの言葉。
でも、彼女はなんて言ったんだろう?良く聞こえなかった。
時を戻して聞き直そう、この世界ならそれも可能。
僕は時の階段を、駆け足で遡った…。
ーえぇ〜ん、え〜んー
男の子が泣いている。
男の子が一人、泣きながら山道を歩いている。
男の子がふと歩みを止める、すると幻の様に一人の女の人が現れる。
ーどうしたの?ー
そう声をかけられて、僕は顔を上げた…。
『天の繰り糸』(あめのくりいと)
始まり。